皿洗いがストレス緩和剤となる可能性、どのように洗うのが吉なのか？

By Darla دارلا Hueske

料理の後の皿洗いは面倒な作業であり、全自動食器洗い機を導入して皿洗いを敬遠している人も多いはず。しかし皿洗いという作業が「ストレスを減少させる可能性がある」ということを示した研究結果が、科学ジャーナルのSpringer(シュプリンガー)に掲載されており、その中でストレスを軽減させている原因と条件が考察されています。

Washing Dishes to Wash the Dishes: Brief Instruction in an Informal Mindfulness Practice - Springer
http://link.springer.com/article/10.1007/s12671-014-0360-9

Washing Dishes Is a Great Stress Reliever, Science Says
http://time.com/4056280/washing-dishes-stress-relief-mindfulness/

皿洗いに関する研究結果を発表したのはフロリダ大学の研究チームで、51人の生徒にお皿を洗ってもらった結果、"注意深く"皿を洗うことで、ストレスレベルを低下させる効果があることがわかったとのこと。研究チームは生徒の集中を促すメッセージと、単に皿洗いを指示するメッセージを用意し、生徒の半分ずつに皿洗いの前に読んでもらいました。その後、全員に皿洗いをしてもらい、生徒に現れた効果が検証されました。

生徒の集中を促すメッセージは「あなたが皿洗いを行っている間、皿洗いのことだけを考えて下さい。これは皿洗いの間、お皿一枚一枚へ充分に注意を払いながらお皿を洗ってください、という意味です」といった内容。一目するとなんでもないようなメッセージに見えますが、注意深く皿洗いを行ったグループのうち25％で、緊張レベルが27％低下するという効果が見られました。一方で、注意深く皿を洗わなかったグループには同様の効果は確認できなかったとのこと。

注意深く皿洗いを行うことは、石けんの匂い、水の温度、お皿の感触などを感じることになるため、ストレスを低下させた要因の特定は難しいとのこと。また、検証人数が51人と非常に小さなグループであるため、さらに大規模な人数で検証する必要があるそうですが、研究著者の1人であるアダム・ハンリー氏は「皿洗いに限らず、日常の何気ない行動を意図的に集中することが、心の平静を高める効果を生み出す可能性があります」と推測しています。

By Molly