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着陸成功寸前に失敗して爆発するSpaceXの帰還ロケットの動画が公開される


イーロン・マスク氏率いる民間宇宙ロケット開発会社「SpaceX」が実施した帰還型ロケットのテスト飛行が惜しくも失敗に終わりました。今回のテストは2015年1月に実施された1回目のテストに続くもので、結果としては残念な失敗だったものの前回を上回る動きを見せてレベルの向上を示しており、今後の成功を期待させる内容となっています。

LIFTOFF: Falcon 9 and Dragon begin CRS-6 mission to resupply the Space Station | SpaceX
http://www.spacex.com/news/2015/04/14/liftoff-falcon-9-and-dragon-begin-crs-6-mission-resupply-international-space-station

今回の飛行は、ISS(国際宇宙ステーション)への補給ミッション「CRS-6」の実施と併せて行われたもの。実際にISSへ運ぶ物資を載せた宇宙船「Dragon」を同社のロケット「Falcon 9」に載せて打ち上げるのですが、打ち上げ初期の段階で役目を終えて切り離された第1段ロケットを誘導し、海上に設置された「はしけ」に着陸させるという実験です。

Vineに投稿されたFalcon 9ロケットがはしけに着艦する瞬間のムービーがコレ。もうもうと煙を上げながら着陸に成功したようにも見えますが、実はこのあと決定的瞬間が待っていたのでした。


一連の様子を詳細に捉え、爆発の瞬間を収めた高画質版のムービーがYouTubeで公開されています。

CRS-6 First Stage Landing - YouTube


Falcon 9の第1段部分が、着艦地点であるはしけに向けて降下してきました。


機体からは、着艦用の脚が広がり始めました。ちょうど、傘を広げるような動きで骨組みだけの脚が広がります。


着艦間際になると、脚は完全に着陸に備えた状態。少し機体のバランスを崩しているようですが……


船首部分から、白いガスのようなものを噴射するロケット。姿勢を制御するための噴射装置のようです。


無事に着陸したように見えましたが……


煙が止まらずになかなか落ち着かない様子。船首からは再び姿勢制御用の噴射が行われます。


しかし、対応もむなしく、ロケットはバタリと煙の中に姿を隠してしまい……


「ドーン!」と火を噴いて爆発してしまい、機体の回収には失敗してしまいました。


マスクCEOのTwitterでは「打ち上げには成功。DragonはISSに向けた軌道に乗っています。ロケットは「はしけ」に着艦したものの、衝撃が大きすぎて破壊されてしまいました」とする内容のコメントがつぶやかれています。

SpaceXの公式Flickrフォトストリームには、着艦の瞬間を収めた写真が公開されていました。こちらのロケットがISSに物資を打ち上げるために用いられるミッション「CRS-6」に用いられるFalcon 9ロケット。

By SpaceX Photos

先端部には、物資を搭載した宇宙船「Dragon」が搭載されます。

By SpaceX Photos

打ち上げの計画を示した概念図がコレ。黄色い線で示された軌道をたどって宇宙船本体は宇宙空間に飛び立ちますが、途中で切り離されたロケットは上空で180度反転し、白い線で描かれた軌道をたどって海上に設置されたはしけに降下。無事に帰還したロケットは点検ののちに再利用されることになります。

By SpaceX Photos

そのはしけはこんな姿。ASDS(autonomous spaceport drone ship:自動運転スペースポートドローン船)と呼ばれる船体で、その名が示すようにコンピューターによって自動で制御されるようになっています。プラットフォーム上には、SpaceXのロゴマークと一緒に船名「Just Read the Instructions」が書かれています。

By SpaceX Photos

一風変わった名称の「Just Read the Instructions(説明書を読め)」は、2013年に亡くなったSF作家・イアン・M・バンクス氏の作品「ゲーム・プレイヤー」に登場する宇宙船の名前からとられたもの。これは、バンクス氏の死去を受けてマスクCEOが追悼の念を込めて付けたものだそうです。著書は日本語に翻訳されており、日本語版の表紙イラストは松本零士氏の手によるものとなっています。

Amazon.co.jp: ゲーム・プレイヤー (角川文庫): イアン・M. バンクス, 松本 零士, Iain M. Banks, 浅倉 久志: 本


そして、Just Read the Instructionsに着艦しようとする瞬間のロケットの様子。はるか上空から、数十メートルの大きさの標的めがけて降下してきたというだけでも本来は驚くべき制御といえるところ。

By SpaceX Photos

しかし、最後にはむなしく船体に衝突し、姿勢を崩すロケット。この後、爆発して機体は破壊されてしまったようです。

By SpaceX Photos

結果としては失敗とはいえ、今後の進化をさらに予感させそうな今回のテスト飛行でした。これに続く実験は、2015年6月中に予定されている次期ミッション「CRS-7」の際に実施される予定となっています。

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in 乗り物,   サイエンス,   動画, Posted by darkhorse_log

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