Linux搭載で1.6km先の動く目標でも撃てるスマートライフル「Mile Maker」
TrackingPointという会社が、Linuxを搭載して自動的に目標位置を捕捉・修正してくれるスマートライフルを作ったという話が2013年にありました。あれから2年間でTrackingPointはスマートライフルをさらにパワーアップさせ、家電テクノロジー見本市「CES 2015」でスマートライフル「Mile Maker」と支援用サングラス「ShotGlass」を発表しました。
TrackingPoint shows off the “Mile Maker,” a rifle with 1,800-yard range | Ars Technica
http://arstechnica.com/gadgets/2015/01/trackingpoint-shows-off-the-mile-maker-a-smart-rifle-with-1800-yard-range/
こちらが発表されたライフル「Mile Maker」と狙撃を支援する専用サングラス「ShotGlass」の写真。両モデルとも開発中のプロトタイプですが、いずれも完成間近の段階のものになっているとのこと。
ライフルの上に搭載されたコンピューター照準器にはLinuxが組み込まれており、カメラで捉えた画像と実際の風向きや気温などの条件を計算して最適な発射タイミングを割り出すことが可能です。
このシステムは「Precision Guided Firearm(PGF)」と呼ばれ、コンピューター照準器を軸にライフルの発射タイミングを制御するものとなっています。コンピューター照準器はライフル本体のトリガーとTriggerLinkで接続されており、レンズが捉えた画像などから最も適切な発射タイミングを割り出してトリガーのロックを解除します。
スコープをのぞき、標的を赤いクロスヘアカーソルの中心に収めて、トリガーの横にある「タグボタン」を押すと標的のロックオンが完了。あとはトリガーに指をかけて力を込めておけば、コンピューターが適切なタイミングでトリガーのロックを解除して弾丸が発射されるという仕組みになっています。TrackingPointではこのシステムを「翼のないジェット戦闘機(fighter jet without wings)」と表現しています。
カメラが捉えた画像は、無線で専用サングラス「ShotGlass」に送信することが可能。このグラスをつけておけば、実際に標的が見えない物陰から狙撃を行うことが可能になります。TrackingPointはさらに、カメラの画像をWi-Fiで出力してYouTubeなどでリアルタイム配信するためのソフトウェアを開発中とのこと。
できればこの角度からは狙われたくないというカット。Mile Makerは一般的なライフル弾の.338 ラプアマグナム弾を使用します。
TrackingPoint社のYouTubeチャンネルでは、PGFの仕組みや実際に狙撃しているシーンのムービーを見ることができます。
TrackingPoint Precision Guided Semi-Auto Series - YouTube
新たに開発されたMile Makerを使えば、1600メートル先を時速約50kmで動く標的を正確に射止めることが可能とのこと。誰もが簡単にゴルゴ13並の腕前を手に入れることができそうなMile Makerは、2015年中にも4万ドル以上(約480万円以上)という価格で発売される予定となっています。
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