世界で初めてチケットを買って飛行機に乗ったロボット「Athena」

Googleが開発を進めるロボットやソフトバンク・孫社長の夢でもあった感情認識ロボットの「Pepper」など、ロボットを巡る開発は近年飛躍的な向上を見せてきています。そんな中、「ついに」と言うべきなのか人間と同じように航空券を購入して飛行機に乗ったというロボットが登場しました。

Athena becomes first humanoid robot to buy a seat on a passenger plane | Daily Mail Online
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2875942/The-robot-s-s-going-HOLIDAY-Athena-robot-buy-seat-passenger-plane-passport.html

車いすに乗せられて空港にやって来た1体のロボット。

チェックインカウンターには大勢の人だかり。世界初の「乗客ロボット」を見ようと多くの人が押しかけた模様です。

あちこちでカメラに収められていたようです。

何ともいえない表情をしたロボット。よく見るとTシャツを着せられています。おでこのあたりには、Kinectのようなセンサーらしきものがマウントされているようです。

このロボットの名前は「Athena」。ドイツ人ロボット研究者のAlexander Herzogさんによって開発された「女性」だとのこと。

Athenaはロサンゼルス国際空港からルフトハンザ9801便に乗って、ドイツ・フランクフルトへの旅に出発です。このとおり、チケットにはちゃんと「Athena」名前が記載されています。敬称が「MRS」ということは、既婚者……？

オーナーのHerzogさんとともにカウンターを進むAthena。なんとAthenaはドイツのパスポートを所持しているとのことで、Herzogさんが持っているのがどうやらAthenaのパスポートとチケット。真偽のほどは確かではありませんが、とにかくテンションの上がるエピソードであることには違いありません。

空港職員に触られてセキュリティチェックを受けるAthena。Athenaは腕と手を持つロボットで、ドイツへは歩行を学習するために渡ることになっているそうです。

当日の様子を収めたムービーも公開されており、Herzogさんのインタビューや思わぬ「同乗者」に驚きを隠せない乗客の様子を見ることができます。


AthenaのTシャツには名前がプリントされていました。

スマホでカメラをパシャ。あちこちで有名人になったAthenaです。

「子どもたちが興奮しちゃって。席が隣にならないか楽しみにしてるの」と語る女性。この人自身もずいぶんと盛り上がっている様子です。

こちらの女性は「私はいつも隣の席の人と話をするんだけど……彼女はおしゃべりできるのかしら？」と興味津々な様子でした。

この様子は、ロサンゼルス国際空港の公式ツイートでも中継されていたようで、フライトの3時間前には「世界で初めてお金を払って飛行機の乗客になるロボット『Athena』のフライトは本日まもなくです」というツイートが流され……

続いて「『Athena』は科学者に連れられてやって来ます。この『人型ロボット』には頭、腕、足が備わっています。チェックイン時の写真はまもなく！」とのツイート。盛り上がり始めた様子が伝わってくるようです。

そしてついに空港に現れたAthenaの姿。多くの人に取り囲まれている様子がわかります。

シートに収まった姿もこのようにツイートされていました。

テレビ局のインタビューに対して「何よりも、貨物で運ぶより乗客として運んだ方が安かったので」と語るHerzogさん。ということで、どうやら実際にはちょうどプロ音楽家がお金を払って機内に楽器を持ち込むように、HerzogさんがAthenaを貨物として機内に持ち込んだというのが事の真相の様子でした。

インタビューでHerzogさんは「彼女はまだ歩けないんですが、ドイツに行って歩けるようになってきます」と語っています。今度アメリカに戻ってくる時は、果たして自分の足で搭乗する事になるのでしょうか。