進化の止まらない公衆無線サービスに無料で1ギガの高速通信&無料電話が可能な「LinkNYC」が誕生
誰でも無料でインターネットが利用できる公衆無線LANサービスが普及し続ける中で、無料で1Gbps(毎秒1ギガビット)の超高速通信ができ、無料の公衆電話としても利用でき、無料でスマートフォンの充電器にもなるという夢のような公共無線サービス「LinkNYC」がアメリカ・ニューヨークでスタートすることが明らかになりました。
CityBridge | LinkNYC
http://www.link.nyc/
NYC to blanket the city in free public Wi-Fi with 10,000 stations | Ars Technica
http://arstechnica.com/business/2014/11/nyc-to-install-10000-free-public-wi-fi-hotspots-in-its-streets/
ニューヨーク市は「LinkNYC」と呼ばれる公共無線LANサービスの計画を発表しました。LinkNYCでは、現在一般的に普及している公衆電話(電話ボックス)よりも幅が狭く背の高い専用機器を既存の公衆電話機と置き換える形で設置することで、1Gbpsの高速通信とIP電話を使ったアメリカ国内の無料通話を実現するとのこと。
さらに、本体に内蔵されたディスプレイでの情報発信や、スマートフォンなどの携帯電話の充電機能まで備える高性能公共サービスが提供される見込みです。なお、専用機器の設計にはニューヨーク地下鉄の車両デザインを手がけたことで知られる工業デザイナー宇田川信学氏のデザイン事務所Antenna Designが担当しています。
LinkNYCはニューヨーク市と、Qualcommを含む民間企業が官民一体となって推進する事業で、無線通信費用や専用機器の電気代などの維持コストはすべてディスプレイに表示される広告収入によってまかなわれるとのこと。さらに、維持コストだけでなく既存の電話回線との置きかえ費用約500万ドル(約5億9000万円)についても広告収入でまかなわれる計画であることがニューヨーク市によって発表されています。
なお、ディスプレイはタッチスクリーン対応で、広告の表示だけでなく、ニューヨーク市に関するさまざまな情報をゲットできる案内にも活用される予定。そして、日本の110番にあたる911番や消費者が苦情を伝える窓口となる311番への通報としても機能するとのこと。つまり、ニューヨーク市民は納税の負担なく、より高品質な行政サービスをゲットできることになるというわけです。
LinkNYCサービスは、関係省庁の認可を受けた上で市内に1万台の専用機器が設置され2015年内のサービス開始が予定されています。
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