2014年10月28日 05時59分サイエンス

「スタンディングデスク」は集中力を増加して肥満を防止する

By Bindaas Madhavi

スタンディングデスクとはイスに座らずに立ったまま作業ができる背丈の高い机のこと。「1日に6時間座っていると死のリスクが40％増大する」とも言われているため、健康に効果があると言われているスタンディングデスクですが、374人の学生を対象に行われた研究で、スタンディングデスクの効果が実証されています。

How Standing Desks Can Help Students Focus in the Classroom | MindShift
http://blogs.kqed.org/mindshift/2014/10/how-standing-desks-can-help-students-focus-in-the-classroom/

スタンディングデスクは一見すると立ちっぱなしで疲れてしまうような気がしますが、「腰の負担を軽減するスタンディングデスク」などが登場しているなど、健康的な効果を得ることができると言われています。歴史的に見てもアーネスト・ヘミングウェイ、ベンジャミン・フランクリン、トマス・ジェファーソンといった偉人たちは、好んで机に向かって立ちっぱなしで作業していたことが知られています。

教育現場でも生徒用のスタンディングデスク導入を検討するところが増えつつあります。Texas A&M Health Science Centerのマーク・ベンデン准教授は5年前から生徒がスタンディングデスクを使った時の効果を研究しており、「従来の座席による長時間の着席は健康に悪影響をもたらすだけでなく、肥満と注意力の低下をもたらす」と述べています。

ベンデン氏は374人の小学生グループに心拍数やカロリー消費量を測定できるデバイスFitbitを装着してもらって、従来の座席とスタンディングデスクの違いを研究しました。研究のため、勉強に適したスタンディングデスク「Stand2Learn」が開発されており、生徒たちは立ちっぱなしになるわけではなく、「座る」「立つ」を自分で選択できるほか、背丈の高いスツール付きであるため、自分の足をぶらぶら動かすことができる設計の机になっています。

その結果、スタンディングデスクを使ったことで、太りすぎ、または肥満に達している生徒たちが普段よりもカロリーを消費していることがわかりました。また、研究内容を明かさずに心理学者に学校の教室で生徒たちの観察を依頼して、教師を見る回数・書き取りの回数・隣の生徒に気を散らした回数などから、集中力と勉強意欲を2年間にわたって測定しました。その結果、スタンディングデスクを使った生徒たちは、従来の机で勉強する生徒たちに比べて学習に対して意欲的な傾向があることが判明しています。

ベンデン氏はこの結果に対して「落ち着きのない子どもは『静かに座っていなさい』と教師に指導されますが、言われた子どもは傷ついてしまいます。子どもたちはそわそわしていたいのです」と話しており、好きに座ったり立ったりできるスタンディングデスクによって、子どもたちは開放的な環境で勉強することができるほか、肥満を防ぐ効果もあるということです。

「デスクワークで集中力が続かない」「座りっぱなしで動かないので太ってきた」「腰痛がひどくなる一方」など、デスクワーク特有の悩みを持っている人は、スタンディングデスクを導入することで解決できるかもしれません。なお、「急に立ちっぱなしで仕事を始めるのはキツいかも……」という人にピッタリな、高さ可動式のスタンディングデスクをIKEAが販売しています。

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一見すると良くあるオフィスデスク。