レビュー

IKEAの「スタンディングデスク」を1週間使ってみた


1日に6時間以上座っていると死のリスクが40%増加すると言われていますが、オフィスワーカーにとって、6時間以上座りっぱなしの作業は日常茶飯事。運動不足も手伝って不健康な生活を送ってしまうわけですが、その解決策の1つが「スタンディングデスク」です。立ちながら作業することで集中力が増加して肥満を防止できるという研究結果も出ているため、実際にIKEAで103cmのバーテーブルを購入して、スタンディングデスクの効果を確かめてみました。

BILLSTA バーテーブル - IKEA
http://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/S29872380/

◆スタンディングデスクの組み立て
IKEAでフラットパックをゲットしてきました。総重量は30kg近くになるので、間違っても担いで帰ろうと考えないようにして下さい。


BILLSTA バーテーブルは天板と机の脚を別々に販売しているので、買い忘れないよう注意が必要。天板はBILLSTAの「001.623.99」。


脚はBILLSTAの「601.727.53」となっています。


まずは脚の組み立てから開始します。


IKEAの説明書はとにかく簡素過ぎるのが難点ですが、説明書に一致したネジはそれぞれ以下のようになります。


まずは2本の脚に天板側のパーツを取り付けます。ネジは青いネジ止め剤付のものを使用。


続いて脚の側面に空いている2つの穴に、筒と長いネジを通します。


2脚をつなぐ板パーツの穴に棒状のネジ受け用のパーツを通して……


付属の六角で2つのネジを締めます。板パーツに差し込むネジ受け用パーツのてっぺんには線が入っており、線と板を並行にすればネジが通るようになります。


というわけで土台が自立できるようになりました。


2本の脚に「くの字」パーツを置きます。とがっている方が内側なので間違いないよう注意が必要。


底面を3つの黒いナットで締めればOK。


天板を開封します。これもかなり重いので2人以上の作業がベター。


机の脚をひっくり返して天板に置きます。


後はドライバーで固定するだけ。


なお、くの字パーツのつまみを回すことで高さを微調整できます。


というわけで、無事スタンディングデスクの組み立てが完成。耐荷重が不明だったためIKEAに問い合わせたところ、耐荷重の設定自体が無いとのことで、「食器類以外のものを載せるのは控えて下さい」ということでした。PCの本体を置くのはやめておいた方が良さそうです。


◆スタンディングデスクを使ってみた
さっそくスタンディングデスクを実際に使い始めました。BILLSTA バーテーブルの高さは103cmで、170cmの男性なら腕の位置もちょうどよく、立ったままPCで作業を行うのはとても不思議な感じですが、背筋がピンと伸びるので第一印象として「割とアリかも……」という感じ。


両脚には荷物やジャケットがかけられるピンが2対ずつついており……


こんな感じでバックパックなどを地面に置かずにかけられるのが便利なポイント。


なお、1日目は朝の9時からスタンディングデスクで作業を行っていましたが、昼休憩後の14時くらいにヒザが限界に達しました。「もう立ってられない!」という状態になってしまい、そこから数時間はイスに座って作業することに。


初日は足が棒のように疲れてしまいましたが、諦めずに毎日スタンディングデスクに立ち向かうことで、翌日は16時、翌々日は18時……というように立っていられる時間が長くなっていきます。ただし、「絶対に座ってはいけない」というわけではなく、作業の目処が付いた折などに座って足を休めるのも必要。腰の高さほどのバースツールはあった方がベター。


スタンディングデスクの作業スタイルにも慣れてきたところで、新たな問題が発生。ノートPCのディスプレイを見るために下を向かなければいけないため、目線が下がってしまうということです。


気がつくと目線とともに姿勢が悪くなってしまうため、前傾姿勢になってしまうほか、肩がこってしまいます。


そこで、ハーマンミラーのミラ2チェアを購入した時に、レンタルしたディスプレイアームがあったので使ってみることに。


ノートPCを目線の高さに調節して、Bluetoothキーボードとマウスを机に置いてみました。横から見るとこんな感じで、視線を落とさずに作業できるようになり、それまで感じていた苦痛を激減させることに成功。視線の位置が改善されたことで身体的な負担なく作業できるようになり、持続的に感じていた腰痛もかなり軽減されました。


さらに作業環境を改善するため、ノートPCとディスプレイをHDMIケーブルで接続してみることに。こちらは少し視線が下がってしまいますが、画面が大きいのでさほど負担を感じません。スタンディングデスクの導入を考えている人は、デスクトップPCを使うか、ノートPCならディスプレイアームを用意する必要アリです。


身長が153cmの女性編集部員にも試してもらったところ、「腕の位置が少し高いので、長時間使うのは厳しいかもしれない」ということでした。身長が低くても使いづらそうですが、恐らく身長が180cm以上ある人だと103cmのBILLSTA バーテーブルでは低すぎるので、スタンディングデスクを探すなら自分の身長に合ったものを選ぶ必要があります。


1週間スタンディングデスクで作業した結果をまとめると、腰痛が明らかに改善されたほか、集中力が自覚できるほど上昇しました。イスに座って作業する時は、昼食後などに強烈な眠気に襲われて、なかなか仕事にならなかったりすることがあります。スタンディングデスクなら眠気に負けずに最高のパフォーマンスを発揮することができます。長時間イスに座っていると体を伸ばしたくなるものですが、スタンディングデスクなら作業しながらストレッチすることも可能でした。


ただし、最終日を迎えて思ったのは「ようやく終わった……」ということで、「スタンディングデスクのみ」という作業環境は非常に厳しいと感じました。海外のIKEAでは電動昇降式のスタンディングデスクが発売されていますが、日本で購入できる電動スタンディングデスクは30万円近くという高額な机が多いため、2万円台で買えるBILLSTA バーテーブルは、「とりあえずスタンディングデスクを試したい!」という人や、サブデスクとして「いざという時」を乗り切りたい人にオススメです。

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in メモ,   レビュー,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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