砂で作った地形を3Dで読み取って仮想現実映像を合成する「デジタル・サンドテーブル」
誰でも子どものころに一度や二度は砂場で砂山を作って遊んだ経験があると思いますが、アメリカ陸軍研究所ではそんな砂山を仮想現実の一部に取り入れた「デジタル・サンドテーブル」の技術が開発されています。
BLDGBLOG: Touchscreen Landscapes
http://bldgblog.blogspot.jp/2014/10/touchscreen-landscapes.html
A Sandtable as Fun as a Sandbox | Military.com
http://www.military.com/video/logistics-and-supplies/army-equipment/sandtable-as-fun-as-sanbox/3849414398001/
デジタル・サンドテーブルがどのように動作するのか、以下のムービーで見てみることができます。
迷彩服の男性がなにやら操作しているのがデジタル・サンドテーブルの筐体。白く光っている部分には砂が敷き詰められています。
筐体の上部には映像を投影するためのプロジェクターと……
MicrosoftのKinectが姿を見せています。このKinectがデジタル・サンドテーブルのキモになる部分。
砂山の地形に合わせて描かれた等高線。
しかし手で砂山の形状を変化させると……
新しい地形に合った等高線が表示されました。これはKinectが読み取った高さ情報を処理し、プロジェクターを使って等高線をプロジェクションマッピングしているもの。
もとは山岳だった地域を手でかき取ることで、川が生成されました。このインタラクティブ性はコンピューターを使った仕組みならではといえます。
このようにそびえ立つ山も……
手でチョイチョイと形を変えるだけ。
これだけの作業でカルデラ地形のフィールドになりました。
名称の元にもなっている「サンドテーブル」は、日本語で言うところの「砂盤」にあたるもの。これは作戦遂行地帯の図形をジオラマのような模型で再現し、作戦を練ったりシミュレーションを行うための設備です。ムービーに迷彩服姿の人が多いのもそのため。
軍事目的で使用する際には、衛星写真のデータを投影して位置関係を確認したり……
敵を想定して作戦を立てることに使われることになります。
リアルな山岳地形にレイアウトされた部隊なども。
データを共有することで、遠隔地とのブリーフィングや訓練にも用いることができます。
このデジタル・サンドテーブルを開発したのはアメリカ陸軍研究所。その目的はもちろん仮想現実技術を用いた軍用技術の開発となっていますが、建築分野やインタラクティブなゲームの開発など民間分野への活用も期待できそうな技術といえそうです。
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