マンボウ丸1匹が3980円だったので実際に買ってマンボウ三昧してみました
「寄生虫を落とすためジャンプし、海面にぶつかった衝撃で死ぬ」「仲間の死にショックを受けて死ぬ」「水槽に入れるとガラスにぶつかって死ぬ」など、さまざまなウワサが飛び交っているマンボウが普通に近所のスーパーマーケットに売っており、しかもその巨体にも関わらず、わずか3980円という異様なまでの安さだったので、実際に買ってアレコレ調理してマンボウ三昧してみました。
黒いビニール袋が編集部に到着。「何だ何だ」と編集部員が集まってくるなか、ビニール袋をそっとはがすと……
マンボウです。
顔だけ見せただけでもこの存在感。
iPhoneと比較するとその圧倒的な大きさがよく分かります。
口は開きっぱなし。
マンボウの皮はサバやアジなどの青魚と違って硬く、ザラザラとしていました。
全身はこんな感じ。
ヒレも巨大。
「きっとインターネットに解体の仕方が書いてあるだろう」と思って丸まる持って帰ってきたマンボウですが、調べてみたところナタなどの刃物で解体してあるものもあり、血など体液などもすごそうなので、やはりお店に頼むのが一番だろうということで、マンボウを台車に載せてお店に逆戻り。解体をお願いすることにしました。
これが解体現場。巨体なので、床にまな板を置いた状態で作業が行われます。
解体に使われるのは包丁ではなくカッター。
皮が硬いので切りにくいのかな、と思っていたのですが、身は柔らかいので一度刃を入れると後はスーッと切っていけるようです。
皮を丁寧にはがします。
この大きさのマンボウは通常1匹で2万円ほどなのですが、今回は刺身として食べられないくらいの鮮度だったので、3980円という特価で売られていたとのこと。マンボウは時間がたつにつれ身が柔らかくなっていくのですが、この時点でマンボウの身は杏仁豆腐のようなフルフル感で、皮から手で引きはがすことが可能でした。
片面の身が取れたら裏返し。
これは軟骨。
なお、このマンボウは黒マンボウの1種で、「くちびる」は中華料理の高級食材としても使われるとのこと。
ただ、お店の人も「調理の仕方が分からない」とのことで、今回は調理を断念。
身を剥がした後の皮や内臓は食べられる状態ではなかったので、このまま廃棄されます。
ということで、再び台車で持ち帰ります。
コンパクトになって帰宅。
マンボウの身はぬめりがあり、生臭さが少し目立ったので、まずは下準備から始めます。
ちょうどいい入れ物がなかったので、冷蔵庫の中の引き出しを洗って使用しました。身が大きくカットされていたので、手で小さく割きながらケースに入れていきます。
そこに酒と塩を投入。
ぬめりを手で取っていきます。
マンボウの身はほとんどが水で、塩を入れたり熱を加えたりすると、どんどん水分が外に出てきます。
しばらく放置し、余分な水分を捨てたら下準備は完了。
ということで、調理開始。「白身魚だし、まずはムニエルを作っていこう」ということで、キッチンペーパーで水分を拭っていたのですが、拭っても拭っても水気のあるマンボウ。適度なところで切り上げるのが大切です。
包丁でスジを取り……
塩コショウで下味を付けます。
小麦粉をまぶします。
オリーブオイルの引かれたフライパンを用意。
そこにドーンとマンボウの切り身を投入します。フライパンの端から端まであるマンボウですが……
焼いていると水分がどんどん抜けて縮こまってきます。
最終的には2分の1~3分の2くらいの大きさに。最後にバターやガーリックソルトで味を整えます。
パセリがあったので一緒にもりつけて完成。何というか、見た目は魚のムニエルというより鶏のササミや胸肉っぽい感じです。
マンボウの巨体がキッチンを占拠している時や下準備をしている時は「大丈夫か、この魚臭さ」と思うほど強烈な匂いだったのですが、調理後はそんなこともなく、いい匂いです。
実際に食べてみると、プリッとした歯ごたえやシッカリした食感は、まったく魚ではありません。見た目のとおり食感として近いのは胸肉なのですが、それよりも弾力があり、味はやや魚寄り。ものすごく独特で初めて食べる種類の食べ物なのですが、おいしいです。たんぱくなので、濃い味付けが合いそうな感じ。
断面はこの通り、完全に鶏肉。
ムニエルを焼き終わった時点でその日はタイムアウトしたので、残りの調理は翌日に持ち越されました。次はマンボウの煮付けに挑戦したのですが、時間が経過しやや生臭さが目立つようになってきたので、さっと湯通しします。この時アクが出てくるので、アクとりを忘れずに。
湯通ししたマンボウは冷水で締めます。
鍋に醤油・砂糖・酒を入れ……
煮立ったところで青ネギ・マンボウ・ショウガを投入。
水を入れなくても大丈夫か?と思ってしまうところですが、水はなくて大丈夫。
グツグツ煮ていると、マンボウから水分が出てきます。
これで完成。
食べてみると、魚の煮付けとは思えないような食感。生臭さが気になったのでシッカリ煮たところ、「悪い言い方をすると、ゴムのような食感……」といわれるほど。味も前日のムニエルよりもクセのようなものを感じ、食感の面でも味の面でも、「モツが好きな人ならおいしく食べられる」仕上がりになりました。
何とかしてこのクセのようなものを消す手段はないのか?と考えていたところ、「マンボウの唐揚げを居酒屋で食べたがおいしかった」という情報を入手したので、今度は唐揚げにしていきます。粉をまぶすだけのタイプと、液だれにつけ込むタイプの2種類を購入。聖地中津からあげセット しょうゆだれと大阪王将のから揚げの素のおいしさは過去のレビューで実証ずみなので、それらに加えて日清 から揚げ粉を購入しました。
先ほどと同様に湯通しして……
湯通しした状態のものを、規定の分量用意し、液だれにつけ込みます。
液だれにつけて10分放置すると水分が抜けてくるので、余分な水分は捨てておきます。
もう一方は粉をまぶした状態で3分放置。
先に日清 から揚げ粉をまぶした方を揚げていきます。
これで完成。粉をまぶすだけのタイプの場合、マンボウの身から水分が抜けて粉が固まってしまうので、衣の付きにムラができ、衣がつきすぎた部分の味が濃くなってしまうという結果に。
しかし、短時間で熱を加えるため食感はムニエルや煮付けよりも柔らかく、プリっとしつつもフワフワ。魚の唐揚げは生臭さが目立つものがありますが、マンボウの場合はそこまで臭みがなく、非常に美味でした。
聖地中津からあげセット しょうゆだれを使ったものがコレ。液だれのタイプは揚げる直前に粉をまぶすので、まんべんなく衣をつけることが可能で、見た目的にもからあげっぽくなりました。
聖地中津からあげセットはショウガとニンニクの味の強さが特徴なのですが、これがやや臭みの出ていたマンボウをさらに食べやすくしていました。
さらに大阪王将のから揚げの素を使ったマンボウ唐揚げ。
3種類の唐揚げの中で最も色が唐揚げっぽい仕上がりなのですが、衣が薄付きなのにもかかわらず味もしっかりしてご飯が欲しくなる感じです。これも臭みはほぼゼロ。鶏肉のような弾力とフワフワした食感、淡泊な身は非常に唐揚げ向きで、全部で約2kgの唐揚げを揚げたにも関わらず一瞬で消費されるほどの人気っぷりでした。
ということで、ゲットしたマンボウの鮮度によっては刺身でも食べられるのですが、そこまで新鮮なマンボウでない場合、唐揚げにするのが最もおいしいという結果に。基本的に淡泊な魚なのでしっかりした味付けの料理の方が向いており、鍋などにしてもよいとのことですが、どちらかと言うと魚よりも鶏肉として扱った方が良さそうです。
・関連記事
日本の人魚「リュウグウノツカイ」を煮付けにして食べると… - GIGAZINE
シャケ丸ごと5匹分を使った豪快すぎる巨大「チャンチャン焼き」を食べてみました - GIGAZINE
元祖「牛の丸焼き」3頭分、実に3600人前を食べに行ってきました - GIGAZINE
巨大魚を使って夢を叶えようとした青年の辿った道筋と末路を描いた「JONAH」 - GIGAZINE
体重226kg・齢100歳の巨大魚が釣り上げられる - GIGAZINE
in 試食, Posted by darkhorse_log
You can read the machine translated English article One sunfish was 3980 yen, so I actually ….