レビュー

動く仏像フィギュアで有名な「リボルテックタケヤ」など圧倒的に精巧緻密なデザイン画集「竹谷隆之精密デザイン画集 造形のためのデザインとアレンジ」


1990年代から現代に至るまで描きまくってきた精巧緻密なデザイン画を集めた画集が「竹谷隆之精密デザイン画集 造形のためのデザインとアレンジ」です。竹谷さんはこれまでに「ファイナルファンタジーVII」「エイリアン」「プレデター」「仮面ライダー」「デビルマン」などさまざまなフィギュアの原型を作成し、「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」にて上映された「巨神兵東京に現わる」の巨神兵像の制作も担当した人物で、海外にも熱狂的なファンが存在し、NIKEのMark ParkerCEOが自ら作品を求めて竹谷さんの自宅にまで訪れたこともあるそうです。

Amazon.co.jp: 竹谷隆之精密デザイン画集 造形のためのデザインとアレンジ: 竹谷隆之: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4766126165/

これが「竹谷隆之精密デザイン画集 造形のためのデザインとアレンジ」。


iPhoneと比べるとサイズはこれくらい。


厚さはこれくらいで、全部で160ページ。


パラリとめくると、一番最初のページには「まえがき」が書かれています。これによると、著者の竹谷隆之さんは主に立体造形物を制作する仕事をしていますが、造形作業に入る前にデザインを考えたりアレンジするために絵を描くとのこと。ひとりで作業する場合は描かないこともあるそうですが、複数人が関わる仕事ではサイズや構造などを理解してもらったり、クライアントに確認や相談しながら進めていくためにも構成ラフやアレンジ画などを描いたりしてきたそうで、それらを集めに集めたのが今回のデザイン画集というわけ。


◆衝撃ゴウライガン!!
「衝撃ゴウライガン!!」の雨宮慶太監督から直々に依頼がありデザインに取り組んだという「兆人ショウゲキゴウライガン」。もともと監督が描いたラフがあったそうで、それを基に「宝船が変形してコレになるんだよタケヤ」という監督の注文も聞きつつデザインに取り組んだそうです。


なお、ゴウライガンと亀甲船ブンバの色はこんな感じでどうですか、と全体がブロンズ緑青色の絵を見せたところ、「グリーンバックなんだとタケヤ。なに、消したいの?」と言われて描き直す羽目になったとのこと。


さすが造形家だけあって、ただデザインするだけでなく各関節がどのように動くのかまで想定しながらデザインに取り組んでいることがよく分かります。


◆ZETMAN
桂正和さんのZETMANに登場するアルファスのデザインをアレンジしたのも竹谷さん。最初は桂さんが漫画の中で描いた「アニメの中に登場するアルファス」のラフがあったそうで、それをもとにデザインを仕上げていったそうです。竹谷さんいわく、「ザックリすぎたのでフィニッシュは桂さんが仕上げたといったほうが正確です」とのこと。


アルファスのヘルメット内部のメカメカしさはリクエストによるものらしく、「ドクロみたいにして」という注文があったそうです。なお、海洋堂のリボルテックの原型でアルファスを作った際に、細かすぎてしんどくて「誰だこんなデザインしたの!」と叫んだそうです。


ZETMAN内に登場するキャラクターでは、アルファスの他にエビエボル、フナムシエボル、一郎などのデザインも手がけたそうです。


◆巨神兵東京に現る
「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」にて上映された「巨神兵東京に現わる」に登場する巨神兵のひな形用デザイン画。庵野秀明さんと樋口真嗣さんのオーダーに沿って、前田真宏さんの描いたイメージデザインをアレンジしたそうです。


このデザイン画がもとになって実物となった巨神兵像の写真も掲載されており、超絶精巧なデザインからとんでもない迫力のフィギュアが誕生していることが分かります。


◆牙狼<GARO>
牙狼に登場する「暗黒騎士キバ」のデザイン画。これは、もともと雨宮慶太監督のイメージラフが存在し、これを実際に立体化するためにデザインを整理していく感じで作られたそうです。なお、最初に牙狼に関する打ち合わせをした時、監督の本気さがグイグイ伝わってきたそうで、何とか撮影現場には行かなくてすむように必死にあらがっていたところ、「デザインを何点か」ということに落ち着いたそうです。


劇中でガロが炎をまとう「烈火炎装牙狼」を、バンダイのイクイップ&プロップシリーズで発売するために描いたというラフがこれ。炎や煙などを立体化するのはあまり好みではないらしく、リアルというよりは彫刻的なマナーでまとめて炎の部分を赤く塗って監督に見せたところ、「魔界の炎は緑色なんだよ、知らないのタケヤ」と言われて描き直した、とのこと。


これは「心滅獣身ガロ」のデザイン画。これもバンダイからフィギュアを販売する際の原型のために描かれたもので、松川健一さんが雨宮監督の意向を反映して描いた絵をもとにアレンジしたそうです。なお、2、3回描き直して監督に見せたところ、「オレがキングコング好きなの知らないの、タケヤ」と言われてもう1度描き直した、とのこと。


◆バオー来訪者
バオー来訪者の「バオー」をフィギュア化する際に描いたデザイン画がコレ。バオー来訪者の作者である荒木飛呂彦さんの現在の絵のテイストを反映しようとアレンジしたところ、人づてに「これは原作のバオーとはちがうね」と荒木さんが語ったことを知ったらしく、「うううすいませんでした!!あっ藤岡ユキオさんの原型は素晴らしいですよホント、悪いのは僕です!」というコメントを残しています。


◆FINAL FANTASY
FINAL FANTASY関連のフィギュアでは、原型師がフィギュアを作るために参考にする構成ラフを、竹谷さんが多く担当しています。キャラクターがどんな性質でどういったポーズをとるのかなどを考えてラフを描くそうで、「描くのは易しですが、コレ原型作るの大変だろうなーと罪悪感に似た葛藤と闘いながら」描いていることを明かしています。


FINAL FANTASY XIIの「死の天使ザルエラ」


FINAL FANTASY Xの「イフリート」


FINAL FANTASY VIの「ケフカ=パラッツォ」


FINAL FANTASY Xの「バハムート」


FINAL FANTASY IXの「黒のワルツ1号&2号」


◆鬼神伝承
竹谷さん監修のリボルテックタケヤシリーズに直結する企画であったという鬼神伝承の構成ラフとアレンジも担当した模様。


仏像をフィギュア化すべくいろいろと調べてみると、この寺の仏像はこんな名前になっているけど本当はこっちのコレが正しいよね、という事例がいくつもあって知れば知るほど興味深かった、とのこと。


◆リボルテックタケヤ
鬼神伝承シリーズで仏像をフィギュア化したあとに、「ああ、動かせたらいいのにねえ」と考えていた流れで実現したのが動かせる仏像フィギュアのリボルテックタケヤシリーズ。


風神


なお、風神のフィギュアはリボルテックタケヤシリーズから、「動く風神」となってフィギュア化されています。

フル可動仏像の最新作「風神」がリボルテックタケヤ第6弾として新登場 - GIGAZINE


◆聖戦士ダンバイン
竹谷さんは初めてダンバインの絵を見たときからずっと虜とのことで、「巨大生物の皮や骨などの組織を利用して造る」というダンバインの設定を造形物化した際にも活かしたかったそうで、これを意識しながらアレンジに取り組んだそうです。


ダンバインができあがり、PVC品がパッケージに入った状態の際に聖戦士ダンバインの原作と監督を務めた富野由悠季氏に実物を見てもらい、許可をもらいに行ったそうで、その際に「パッケージに固定する針金が長すぎる!半分でいいな」と言われたそうで、この時のことについて、「漏れちゃうかと思いました」との感想を残しています。


「竹谷隆之精密デザイン画集 造形のためのデザインとアレンジ」の目次はこんな感じ。今回紹介したもの以外にもたくさんの作品に関わっており、キャラクターから乗り物や武器までさまざまなデザイン画がこれでもかというくらいに載っており、今見ると「甘さが透けて見えます」と著者の竹谷隆之さんがコメントをつけているものもあるのですが、素人目に見るとどれも超絶ハイクオリティなものばかりで、プロのレベルの高さをまざまざと見せつけられます。

◆まえがき
◆イコンヌカムイ/呪神

映像:映画・アニメーション・ゲームのキャラクターデザイン
◆衝撃ゴウライガン!!
◆ZETMAN
◆巨神兵東京に現わる
◆鉄拳タッグトーナメント2
◆牙狼<GARO>
◆HINOKIO
◆妖怪大戦争
◆ノエイン もうひとりの君へ
◆イノセンス
◆ギルガメッシュ
◆ヒートガイジェイ
◆鬼武者2
◆バッケンローダー
◆河童

造形:フィギュア・スタチュー・人形・根付けのデザイン
◆サムライ・プレデター
◆リボルテックタケヤ SERIES No.006 鬼太郎
◆特撮リボルテック
◆バオー来訪者
◆スター・ウォーズ
◆ウイングマン
◆怪奇河童木乃伊+鬼乃木乃伊
◆S.I.C
◆S.I.C.匠魂
◆FINAL FANTASY CREATURES 改-KAI-
◆FINAL FANTASY MASTER CREATURES
◆FINAL FANTASY CREATURES Archive
◆FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN
◆鬼神伝承 参 眷属二十八部衆・弐
◆鬼神伝承 弐 眷属二十八部衆・壱
◆鬼神伝承ー眷属二十八部衆ー
◆鬼神伝承 眷属十二神将
◆リボルテックタケヤ
◆ALIEN
◆聖戦士ダンバイン
◆デモンズ・クロニクルVI
◆デモンズ・クロニクルV
◆デモンズ・クロニクルIX
◆PREDATOR
◆陰陽妖怪絵札 荒俣宏の奇想秘物館 陽の巻・陰の巻
◆百鬼夜行 妖怪コレクション 妖怪根付 陽の巻・陰の巻
◆百鬼夜行 妖怪コレクション 第1弾・第2弾
◆RED MAUSOLEUM

個人・未発表作品:漁師の角度・デザイン習作・アニメーション未発表作品・他のキャラクターデザイン
◆漁師の角度
◆CREATURE
◆妖怪系アニメ
◆アニメ企画
◆ALIEN
◆マッドマックス
◆PREDATOR

立体作品:Sculpture Works
◆アルファス
◆巨神兵像
◆サムライ・プレデター
◆ファインアートスタチュー 鉄拳 吉光
◆漁師の角度

なお、Amazonでの価格は税込2700円です。

Amazon.co.jp: 竹谷隆之精密デザイン画集 造形のためのデザインとアレンジ: 竹谷隆之: 本

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in レビュー,   アニメ,   デザイン, Posted by logu_ii

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