史上最大級の「機動戦士ガンダム」展覧会「THE ART OF GUNDAM」を見てきた
©創通・サンライズ
「機動戦士ガンダム」35周年を記念して、シリーズ第1作目である「機動戦士ガンダム」を中心としてガンダムの魅力を解き明かす展覧会「THE ART OF GUNDAM」が7月12日(土)から8月31日(日)まで開催されます。展示点数は公式サイトでは「1000点一挙公開」となっていますが、実際には1300点と、ガンダムの展示会としては史上最大級。最新作「Gのレコンギスタ」の展示もあるということで、内覧会へ行ってきました。
機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM|イベント| 大阪文化館・天保山
http://www.osaka-c-t.jp/event/gundam/
◆会場外観
会場はここ、大阪文化館・天保山。地下鉄大阪港駅から徒歩5分、海遊館の隣にあります。
ここで7月12日(土)から8月31日(日)まで開催されるのが「機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM」です。
宣伝用のバナーには1枚ごとに異なるモビルスーツが描かれています。
音声ガイドはアムロ役・古谷徹さんによる「白の章」、シャア役・池田秀一さんによる「赤の章」、ミライ役・白石冬美さんによる「黄の章」の3つがあり、1台500円で利用可能。
さらに1日限定10台の「シャア専用機」もあります。解説部分は「赤の章」と共通ですが、専用機らしく専用のあいさつが用意されています。
これがシャア専用機。
ということで会場内へ入っていきます。なお、場内は撮影禁止の場所も多いので注意が必要です。
◆展示内容
最初の展示は「オープニングシアター『大気圏突入』」。シャアの部隊と交戦しつつ大気圏に突入するホワイトベースのブリッジにいるかのような疑似体験ができるシアターです。前方にはこのように操舵手のミライさんと通信士のセイラさんが座っていて、後方にはブライト艦長の姿もあります。ここで流れる映像はテレビシリーズ第5話「大気圏突入」のストーリーに基づいて作られた新作映像。ガンダムとザクとが戦う様子を、ブリッジから眺めることになります。
シアターの次は「メイキング・オブ・ガンダム」と題して、制作時に使われた貴重な資料約1300点を4つのコーナーに分けて展示。冒頭は「物語のはじまり」ということで、ガンダムという企画の前身である「ガンボーイ」の企画書が展示されています。
キャラクターの最初期設定のところでは、主人公であるアムロやブライト、リュウらが最初からすでに今と同じような姿で設定されているのが確認できます。ただし、この時点では設定されていても、ガンダムとして形になったときにはいなくなっていたというキャラクターも……。
さらに、富野由悠季監督が当時どんな机で作業していたのかというのも再現。注目したいのはこの部屋の背景に使われている、黒字に白で描かれているイラスト。これは富野監督が描いたメモで、初期キャラクターやモビルスーツの原案になったようなものも描かれていたりします。資料として公開された部分もありますが、意外なMSが描かれていたりして、サンライズの佐々木新ゼネラルマネージャーも「見たことのないものがあったりする」と語りました。
次の展示室は「近未来の宇宙で」。美術を担当した中村光毅さんの設定画などを中心に、「宇宙をめぐる美術」「地球をめぐる美術」「戦艦をめぐる美術」という3つのテーマに基づいて展示が行われています。コレは3万分の1スケールのスペース・コロニーの模型。
この部屋の天井近くには、地球を中心として作品に出てきたスペースコロニーや小惑星を配置したものが展示されています。イラストに落とし込まれたものはいろいろとありますが、こうして立体的に表現されたものは珍しいとのこと。左端上部にいるのが最終決戦の地ア・バオア・クー、その右にあるのが月で、そのそばに浮いているコロニーがジオンの本拠地・サイド3。その右側に小惑星ソロモンがあり、この円環の右端部分に浮いているのがガンダム起動の地・サイド7。
さらに進むとギャラリーになっていて、安彦良和さん、大河原邦男さん、中村光毅さんが描いたポスターやジャケット類の原画が展示されています。雑誌に掲載されたりしたものもありますが、ここにあるのはそれよりも大きなサイズで、細かいところまでじっくりと見られます。
ちなみに、今回ギャラリーの解説をしてくれたサンライズ・佐々木新ゼネラルマネージャーが子ども心に好きだったというのが、劇場版第2作「哀・戦士編」の1枚で、「今でも一番格好いいと思っている」とのこと。設定ではガンダムの色は白・青・赤の3色ですが、ここで描かれているガンダムは白の部分が灰色になっていたり、胸や膝部分の色が変わっていたりして、のちに「リアルタイプ」として立体化されていたりします。
奥にはセル画ギャラリーがあり、マチルダ中尉の姿や、起動するガンダムなど、当時のセル画をそのまま見ることができます。テレビ放送時には画面サイズに合わせて周囲がカットされているのですが、ここに展示されているのはフルサイズのセル画なので、作りの生っぽさはもちろん、セルバレと呼ばれるセルの端(汚れがあったり絵が描かれていなかったりする)まで、全部見えます。なお、保存の都合上、2週間ごとに展示内容は入れ替わるとのこと。
階段を上がる途中にはハロと子どもたち3人組がいたりします。
続いての展示室は「戦争と人間の性」。安彦良和さんによる原画を作中で描かれたテーマで分け、約520点展示しているスペースです。額に入っているものは原画実物で、展示の半数以上は実物。
その場面の名台詞も横に書かれていて、作品を見たことがあれば絵を見るだけで頭の中でアニメーションが流れます。「まだ、ぼくには帰れるところがあるんだ……こんなに嬉しいことはない……」
メイキング・オブ・ガンダム最後の展示室は「激突・モビルスーツ」。大河原邦男さんの手によるモビルスーツのデザイン画がずらり。写真左手側の赤いラインの方がジオン軍、右手側の青いライン側が連邦軍で、ここも額に入ったものはホンモノの原画。あまりにも点数が多いため、主要なモビルスーツだけに絞って展示を行っていますが、それでも天井に届こうかという数。佐々木ゼネラルマネージャーによると連邦軍は「四角」、ジオン軍は「丸」っぽいデザインになっているので、記号的にも面白いとのこと。中央のボックス内にはガンダムのプラモデルによる名場面再現ジオラマが入っています。
この次の部屋にはサプライズアイテムとして、1/1サイズのガンダムヘッドが置かれています。ガンダムはジオングとの戦いの中で頭部を失いますが、その破壊された頭部がどこかで朽ち落ちていたとしたらこうなったのではないか、というイメージで作られたもの。あくまで作品の中では頭部は行方不明ですが、室内にドンと置かれたこの頭部にはいろいろな思いが詰まっている感があり、感動とも何とも言えぬ感情で思わず「おおっ……」と息が漏れました。撮影禁止アイテムなので、ぜひ自分の目で確かめて下さい。
最後の部屋は「ガンダムは終わらない」と題して、35年間のガンダムの歴史をダイジェストでまとめた映像「ALL G トリビュート・クロニクル」と、富野由悠季監督が14年ぶりに手がけるシリーズ最新作「Gのレコンギスタ」の予告編映像、合計約3分が流れていました。
その向かいに展示されているのが、まさに「Gのレコンギスタ」の資料の数々。ジオラマは、作中に出てくるキャピタル・タワーのジオラマ、宇宙とのエネルギーのやりとりをする軌道エレベーターです。まだ作品はプロモーション映像が公開されているという段階ですが、富野監督直々に展示して欲しいという依頼があり、本編よりも早く立体化されています。
覗き窓の向こうには「Gのレコンギスタ」の設定資料などが展示されています。ここにあるもののうち半分以上は公開されていない、制作過程で生まれた設計図的なシロモノだとのこと。
「Gのレコンギスタ」は8月23日(土)から、第1話~第3話を1本に編集した特別先行版が劇場で公開されることになっており、テレビ放送は10月初旬スタートの予定です。
◆オフィシャルショップ&ガンプラ
ということで展示を見終えたらショップが待っています。Tシャツ、クリアファイル、帽子などのグッズはもちろんですが……
ガンダムといえば外せないのがガンプラ。写真の手前列左側に並んでいる「HGUC シャア専用ザク&量産型ザク THE ART OF GUNDAM OSAKA Metallic Edition」(税込2200円)、中央の「HG RX-78-2 ガンダム THE ART OF GUNDAM OSAKA Metallic Edition」(税込1650円)は大阪会場限定、奥の「メガサイズモデル RX-78-2 ガンダム カラークリア」(税込8450円)、「MG RX-78-2 ガンダム Ver.3.0 メカニカルクリア」(税込4900円)、「MG シャア専用ザク Ver.2.0 メカニカルクリア」(税込3800円)は機動戦士ガンダム展限定です。
◆ガンダムカフェ
ガンダム尽くしに満足して会場を出ましたが、まだ1箇所残っています。入口を出て左手の方にあるのが……
特設のガンダムカフェ。
連邦軍とジオン軍をイメージしたいろいろなメニューを取りそろえています。
実際に一部のメニューを見せてもらいました。これは「ハロラテ」(390円)
「ハロールセット」(772円)のメロン風味ロールケーキと組み合わせてみました。
こちらもドリンクとセットにできる「ビームチュロスセット」(700円)のビームチュロス、長さは実に40cm。
ガンダムカフェでは連邦軍のお姉さんが待っています。
「機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM」は7月12日(土)~8月31日(日)に大阪文化館・天保山で開催。開館時間は10時~20時(入館は19時まで)で、料金は一般・大学生が2000円(団体 1800円)、中学・高校生が1500円(団体 1300円)、4歳~小学生が800円(団体 600円)。20名以上だと団体価格で購入できます。
森アーツセンターギャラリーでも2015年7月18日(金)~9月27日(土)に開催されます。
サンライズの佐々木ゼネラルマネージャーが「これまでで最大級の展示で、これ以上のものはうちにはないから、決定版だといえます」と太鼓判を押した展覧会なので、是非この機に足を運んでみて下さい。
開会式での富野由悠季監督による挨拶の様子はこんな感じでした。
富野由悠季監督が「機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM」開会式で「すごい何かを感じて欲しい」と挨拶 - GIGAZINE
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