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世界的ロックスターU2が設立したHIV支援団体(RED)の優れた募金システムとは?


世界的ロックバンドU2のフロントマンであるボノは世界的な慈善活動家としても知られ、2006年には「エイズフリー世代」の誕生を目指すチャリティ団体「(RED)」を設立。Apple・コカコーラ・Beats・mophie・スターバックス・マイクロソフト・GAPなどの世界的企業がパートナーとなっており、「プロダクト(RED)」と呼ばれる赤いMac ProWindows Vistaといった共通ブランドの製品を販売し、収益の一部が「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」に寄付される仕組みです。そんな(RED)の設立者ボノが、カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルでAppleのジョニー・アイブと対談し、さらなるブランドパートナーを募りました。

Bono's Urgent Call for Brand Partnerships Energizes Cannes to Combat AIDS | Adweek
http://www.adweek.com/news/advertising-branding/bonos-urgent-call-brand-partnerships-energizes-cannes-combat-aids-158505

2014年6月にフランス・カンヌで開催された「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」で、U2のフロントマン・ボノは非営利団体(RED)から「エイズフリー世代」を生み出すためのプレゼンテーションを行いました。古くからのパートナーであるAppleのデザイン統括責任者ジョニー・アイブとの対談の一部始終は以下のムービーから見ることができます。

Bono @ Cannes Lions - 21.06.2014 - YouTube


ボノは「エイズで苦しむ人に必要なのはたった2錠の薬だ。2錠の薬を飲み続けることで人々は命を保持することができるんだ」とスティーブ・ジョブズ氏に電話で語ったと話しています。


「それから『括弧』のことで大げんかになったんだ」とボノ。(RED)にとって「括弧」は共通ブランドを示す上で重要な存在であるため、「Appleロゴに括弧を付けてApple Storeで販売してくれ」と頼んだとのこと。


するとジョブズは「ロゴ回りをいじることは絶対にできない」と断ったため、ボノは「その時はケツの穴に電話を突っ込んでやろうかと思ったよ」と当時の心境を告白。


さらに「これはiPhoneが発売される前の話だよ」と付け加えると会場は爆笑の渦に包まれていました。


ジャーナリストでありメディア会社VICEのCEOでもあるシェーン・スミスは、「なぜジョニー・アイブがステージにいるのか理由は誰も知らない。なぜならAppleはこれまで(RED)に7500万ドル(約76億4292万円)もの大金を募金してきたことをバカみたいに言わないからだ」と、Appleが(RED)にとって大きな支援者であることを明かしました。するとボノはプロダクト(RED)の赤いiPadからカバーを引き外して、内部にしか(RED)のロゴが書かれていないため「誰も見えないじゃないか」とジョニー・アイブに指摘するなど、ジョークを交えながらも(RED)の今後をプレゼンしている様子です。

また、ボノが聴衆にアイデアを求めたところ、聴衆として出席していたドイツの代理店thjnkのCEOであるマイケル・トラウトマンが、トップレベルのドメイン「.com/.net」に変わって、ドメイン登記料をチャリティとして使用するドメイン「.hiv」の計画を話し、「もしあなたが『Red.hiv』を必要とするなら、今後100年間、新しいウェブサイトを作る領域を無料で提供できます」とボノに提案しました。このアイデアは聴衆とボノから拍手喝采を得たとのこと。

ボノが目指す「エイズフリー世代」とは、エイズの母子感染を防ぐことで産まれてくる子どもたちからエイズのない世代を開始するという試み。ボノは2015年からのエイズフリー世代の誕生を目指しており、(RED)の製品を購入することでアフリカなどでエイズ感染に苦しむ患者たちを支援することができます。

By radio1interactive

なお、プロダクト(RED)ショップでは赤いApple製品・アクセサリー・CD・衣類・飲料・カバン・モバイルUSBチャージャーなど幅広い製品が販売されています。例えば以下のmophieモバイルバッテリー(4000mAh)の購入ページからは、製品価格79.95ドル(約8150円)が、エイズで苦しむ人の4日分の薬代になることがわかります。


このように今までにない募金方法を実現している(RED)では、消費者がほしい製品を購入することでエイズ感染の防止を支援でき、企業はパートナーとして参加することで募金とともに収益を得ることが可能。iPodなどの日用品を買い換える際にプロダクト(RED)製品に置き換えることで誰でも支援ができるというわけです。なお、プロダクト(RED)ショップのページは以下から見ることができます。

Shop
http://www.red.org/en/shop

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in メモ,   動画, Posted by darkhorse_log

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