世界初の個人向けコンピュータ「Altair 8800」で4K BASICが動いている貴重なムービー
コンピュータが非常に高価で大型であったため研究所や企業など一部の限られた場所でのみ使われていた1970年代半ばに、個人でも所有できるほど安くて、小さいコンピュータ「Altair 8800」が発売されて、爆発的な人気を呼び、PC(パーソナルコンピュータ)時代の幕が開きました。その世界初のPC・Altair 8800が実際に動いているムービーが公開されています。
Altair 8800 - Video #7.1 - Loading 4K BASIC with a Teletype - YouTube
ムービー投稿者のderamp5113さんは、6カ月前にもデモムービーを撮影したそうですが、そのときはテレタイプ端末を持っていなかったとのこと。今回は、このテレタイプ端末「ASR-33」でAltair 8800のデモを行います。
このマシンがAltair 8800。前面部にあるトグルスイッチを操作して使用します。表示用にはいくつかのインジケータランプがあるだけ。
電源ON。
最初にメモリを初期化します。
なお、Altair 8800は最小構成では256バイトでしたが、今回デモを行うマシンはビル・ゲイツが開発したことで知られる4K BASIC(Altair BASIC)を走らせるためにメモリは4キロバイト仕様。用いるプログラムはBASIC 3.2。
指さし確認しているインジケータランプ一列がすべて消灯して、初期値であることを確認したら、いよいよ起動させます。
「最初の数字は41と256」と声を出しながら……
トグルスイッチをポチポチと切り替えて……
実行スイッチをON。Altair 8800のトグルスイッチは、上下方向に2進数で数字が割り当てられていて、トグルスイッチを切り替えることで数値を入力する仕組みです。
「次は、1761……」と、数字を声に出しながら、テンポ良くトグルスイッチを切り替えていきます。
2進数表記に慣れていない人にはとてもついていけないスピードです。
ましてやAltair 8800に外部ディスプレイは装着されていないので、入力した数字が正しいかどうかを知ることは不可能。
どうやら数値の入力が完了した模様。
入力したブートストラップローダを利用してASR-33の紙テープからブログラムを読み込みます。
メモリの番地を戻してから……
いよいよプログラムのロードの開始。
ASR-33は画面右のキーボードのようなタイプライタを使って入力することもできますが、このデモでは画面左の紙テープからプログラムコードを入力します。
スイッチをON。紙テープが音を立てて送り出されました。これはローダを読むためのローダ。
ASR-33からデータを受け取るAltair 8800。
インジケータランプが変化しました。この時点から、第2ローダでいよいよBASICのインタープリタを読み込みます。
紙テープはこんな感じでパンチング穴が開けられています。なお、かなり時間がかかるため、ムービーはここで時間を飛ばしています。
タイプライタが起動してBASICのオープニングメッセージが印字され始めたようです。
テンポ良くロール紙に文字を印刷していきます。インクジェットのプリンタと違って、タイプライタの音はかなり大きめですが、印字する様子を見てるだけで楽しめそう。
タイプライタが停止したところで、新たな紙テープをセット。
電源をONで……
出力再開。
メモリ容量が小さく、ストレージもない頃は紙テープでプログラムコードを出入力していました。
ロール紙に計算結果が出力されるのにも長い時間が必要です。
Altair 8800に搭載されていたIntel i8080も、今では非力なCPU。しかし、現在のコンピュータやモバイル端末の発展の源流であるAltair 8800が実際に動いている様子は、まさにコンピュータの歴史をひもとくものとして意義深く、また不思議な魅力にあふれています。
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