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なぜフェルミ国立加速器研究所はPowerPointを禁止し黒板を使用するのか?

By www.audio-luci-store.it

スイス・ジュネーブ郊外に設置されている大型ハドロン衝突型加速器のプロジェクトに携わるフェルミ国立加速器研究所LHC物理学センター(LPC)は、最先端技術を扱う中で、フォーラムやプレゼンでPowerPointのスライドの使用を禁止し、黒板やホワイトボードを使って研究結果を発表するという方法を採用しています。

Fermilab Today
http://www.fnal.gov/pub/today/archive/archive_2014/today14-03-05.html


フェルミ国立加速器研究所LHC物理学センター(LPC)では、2週間に1度のミーティングで、スライドを使わずにチョークを使ってプレゼンを行うという試みが行われています。そんな一見ローテクに見えるアイデアですが、6か月前からはLPC主催のフォーラムでPowerPointのプレゼンを取りやめ、黒板(ホワイトボード)を使った対談形式を採用しています。

By Gareth Saunders

フォーラムの共同開催者のフロリダ州立大学物理学部のアンドリュー・アスキュー助教授は、「スライドを禁止することでフォーラム参加者との交流を促すことができ、さらなる好奇心をかき立て、相互作用を生み出すことができます。その結果、フォーラムにおける聴衆の重要性を引き出すことができるのです」と説明します。

By Temari 09

このような相互作用はLPCが求めていた新しい要素であり、「LPCの科学者たちがユーリ・ガシュテイン氏といったLPCの有名な科学者と関わる時間の中で、より良いアイデアを生み出す方法になる」とLPCは考えています。最近行われたラトガース大学物理学部のジョン・ポール・チョウ教授のミーティングを例に挙げると、彼はプレゼン用に手書きのノートとペンだけを持参しており、質問があればホワイトボードに書き出すという方法を採りました。講義と異なるのは、ディスカッションによってミーティングが進行するということで、出席した実験物理学者や理論物理学者たちが、電子機器に頼ることなくフォーラム予定時間の半分を費やしたとのこと。

By Dan Cederholm

アスキュー氏は「PowerPointによるスライドは、プレゼンターが簡単に資料をドキュメント化できる便利なツールです。しかし、スライドはスピーチを聞いていなかったり、プレゼンに集中していない人のためのものであり、最良のプレゼンはプレゼンターがいなければ生まれないでしょう」と話しており、このアイデアを体験したフォーラムの参加者、博士課程の学生、物理学者たちは「PowerPoint(スライド)の禁止」を激励しているとのことです。

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in メモ,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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