取材

「くろがね四起」などを展示するミニ博物館が御殿場市にオープンしたので当日の様子を見にいってきました


「世界初の量産型四輪駆動乗用車」として戦前に生産され、いまでは幻の車両とも呼ばれている旧日本陸軍「くろがね四起」や、同年代に活躍した米軍の「ウィリスMBジープ」、ドイツ軍の「キューベルワーゲン」などの貴重な車両を常設展示するプライベートミュージアム「社長の小部屋」が静岡県御殿場市にオープンするということだったので、オープン当日の様子を見学に行ってきました。

社長の小部屋 | Private Museum
http://www.k-m-d.co.jp/kobeya2/index.htm


「社長の小部屋」の外観はこんな感じ。車だと東名高速道路・御殿場ICから約10分、裾野ICから約15分、電車の場合はJR東海・御殿場線の「南御殿場駅」から徒歩およそ1分の場所にあります。ここをクリックすると所在地の情報が表示されます。


当日は11時からオープニングセレモニーが行われましたが、一足先に中を見せてもらいました。やや小ぶりな「プライベートミュージアム」ですが、内装を工夫していろいろと魅せる展示内容になっています。1940年代頃の車両である旧日本軍の「くろがね四起」アメリカ軍「ジープ」そして旧ドイツ軍「キューベルワーゲン」が一度に見られる場所は、世界を探してみてもここだけのはず。


レストアを待つくろがね四起は窓際に展示されていました。非常に貴重な個体のため、車体の周りにはロープが張られています。その向こうにはワンダーフェスティバル2013[夏]の会場でも展示された「九五式軽戦車」の実物大プロップが展示されています。


まさに「手を伸ばせば触れるぐらいの距離」ですが、状態保護のため、車体には触らないようにしてください。


館内の一角には、古いヨーロッパの街並みが再現されていました。


そのオブジェの前にはアメリカ軍のジープと、旧ドイツ軍のキューベルワーゲンが置かれており、古い雰囲気を醸しだしています。(時代考証はこの際無視ということで)


オープンセレモニーでは「社長の小部屋」のオーナーで、NPO法人「防衛技術博物館を創る会」(創る会)の小林代表から挨拶がありました。創る会では、近代工業の礎になった歴史的遺産を保存し、後世に伝えていくというねらいのもと、国内外の車両を展示する「防衛技術博物館」の設立を掲げており、今回のプライベートミュージアムはその第一歩としての役目を果たすことになるとのこと。


来賓のあいさつの後、テープカットが行われて正式に「社長の小部屋」がオープンしました。


待ち構えていたように入館していく皆さん。


会館内はすぐに人でいっぱいに。熱心に車体を眺める方や、車体を前に語り合う姿が見られました。


やはり一番人気は、くろがね四起のようです。スタッフの方にお願いすれば、ボンネットを開けてエンジンルームを見せてもらうこともできます。


車体の前に置かれたタミヤ製のプラスチックモデルの箱。2008年にタミヤがこのプラスチックモデルを製品化する際、実際に参考にしたのが展示中の車体だったのですが、その時はまだ「くろがね四起」は以前のオーナーのもとで保管されていました。約5年後にこんな形で再会するとは思いもよらなかったことでしょう。


ところどころ腐食が見られる車体ですが、これから2年の予定で修復作業が進められていきます。


なお、クラウドファンディングサイトのREADYFOR?(レディーフォー)で費用の出資を募集していた「くろがね四起」のレストア計画ですが、スタートしてからわずか約1か月、しかもこのミュージアムのオープンの当日に目標額の1000万円を達成することになりました。

70年の時を越えて、幻の国産車「くろがね四起」復元計画始動!(小林 雅彦) - READYFOR?
https://readyfor.jp/projects/kurogane4ki


創る会では次の目標額を1300万円に設定するとのことで、達成された際には、2年間に渡るレストア工場の取材と完成披露の模様が30分~40分の記録映像としてDVD化され、支援者に配布されることになるそうです。

以下の記事では、レストア前のくろがね四起をいろんな視点から撮影した写真を見ることができます。

日本初の四輪駆動乗用車「くろがね四起」レストア前の車体をフォトレビュー - GIGAZINE


当日は珍しい光景に立ち会うことができました。九五式軽戦車にスタッフが乗り込んだと思ったら……


「せーの!」のかけ声と共に、人力で九五式軽戦車が屋外へと運び出されていきます。


輪留めのコンクリートブロックも、どうってことはありません。


しばしの間、ミュージアム前に九五式軽戦車とジープが展示されていました。


そしてその後、もう一度屋内に押し戻される際の様子がこちら。

九五式軽戦車が「社長の小部屋」に押し戻されていく様子 - YouTube


なお、まだまだ展示されていない車両も保管されているため、定期的に展示内容は更新されていくようです。

プライベートミュージアム「社長の小部屋」の公開日は以下の予定です。4月中は毎週土曜日13時~17時、日曜日は11時~16時で、5月はGWの3日(土)、4日(日)、5日(月)は11時~16時、10日(土)、24日(土)が13時~17時、25日(日)11時~16時の一般公開となっています。観覧料は無料で、会館中は基本的に小林代表が館内におられるとのことなので、いろいろと興味深いお話が聞けるかもしれません。

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in 取材,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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