スマホで壁をタッチするだけで部屋の見取り図を作成できる「RoomScan」
引っ越しや部屋の模様替えなどで家具を入れ替えたい時など、自分の部屋のサイズを測る必要があるときに便利なアプリが「RoomScan」です。このアプリを使うと、メジャーなどの測定機器を全く使わずに、スマートフォンだけで部屋の見取り図が作れてしまいます。
Locometric
http://locometric.com/
実際にRoomScanを使って部屋をスキャンするにはどうすればいいのか、以下のムービーを見ると把握できるようになっています。
RoomScan Demo - Single Room - YouTube
まずは、スキャンする部屋の名前を入力。
次に、壁に端末の背面部分をピッタリと押し当てます。「ピッ」と音がしたら、その壁面は測定が完了。
その壁とは別の壁に移動し、同じように端末を「ピッ」と音が鳴るまで押し当てて壁のスキャンを続けます。
出窓部分など、角度が90度ではない部分でも問題なくスキャンできます。
窓と窓をつなぐような、角度の浅い部分でもほぼ問題なくスキャンが可能。
幅が30センチに満たないような壁面でも認識できるのだから大したもの。
スタートした壁に戻ってきたらスキャンは完了。
画面に表示されている「Finish」をタップすると……
スキャンした部屋の見取り図が完成しました。長さや角度を測る機器は一切使用していません。
このように、出窓部分のスキャンもバッチリでした。
RoomScanが部屋の形状を認識できるのは、iPhoneなどの端末に搭載されているモーションキャプチャの機能を活用しているためです。手に持ったまま壁を移動する様子が逐一測定され、以下のような軌跡として記録、そのデータを解析することで、部屋のサイズや壁の角度などがわかるという仕組みになっています。
スキャンする際には、壁の一部であればどこでタッチしてもOK。全ての壁という壁をタッチすることが不可欠で、タッチの間隔はあまり長くしすぎないことがポイントです。数メートルの長さがあるような壁の場合は、複数回タッチすると精度が確保されるようです。
RoomScanはiOS専用アプリとなっています。インストールするには、このリンクをタップするか、App Storeで「RoomScan」と検索。
今回測定してみるのはGIGAZINE編集部の会議室。適度な凹凸があるので、スキャンのしがいがありそうです。
アプリを起動し、スキャンする部屋の名前を入力して「Start」をタップすると、計測がスタートします。
このように、端末の背中部分を壁にピッタリと押し当てます。数秒で「ピッ」と音が鳴るので、隣の壁を次々にスキャンしていきます。
画面には、スキャンした壁のおおまかな形状が表示されていきます。
ずいーっと伸びていく壁の様子
こんな感じで、部屋を取り囲む壁という壁を全てタッチしていきます。
部屋をほぼ一周しました。ソフト側で全ての壁をスキャンしたことを認識すると「ピピッ」と短く2回鳴り、スキャンが完了します。完了していない場合でも、画面左下の「Finish」をタップして終了させることも可能です。
処理が数秒で終わると、スキャンの結果が表示されました。見事に部屋の形状が再現されています。
0.2メートル(=20センチ)の幅しかない壁でも、きちんと認識されていました。
端末が移動した軌跡と角度が克明に記録されている様子がわかります。
とはいえ、どうしても多少の誤差は生じるもの。アプリからも「必ずしも正確とは言えません」とただし書きが表示されます。
RoomScanには、壁の長さを手で入力して補正する機能も搭載されています。修正したい壁をタップすると、数値を入力する窓が表示されるので、本来の数値を入力して「Done」をタップ。
単純に数値を変更すると、全体のバランスが崩れてしまうことがあります。そのため、RoomScanは入力された数値をもとに、全体のバランスを整える補正機能を備えています。「Autocorrect」をタップすると、自動で調整されます。
全体を修正した画面がこちら。修正した箇所は緑色で表示され、わかりやすくなっています。いずれも誤差は数センチ程度だったので、ほとんど修正は必要ないレベルでした。
スキャンした結果をもとに、部屋の面積や周囲長を表示させることも可能です。会議室の面積は20.0平方メートルだったことが判明。
さらに、日本でよく使われる坪数での表示に切り替えることも可能です。
これはすごい、ということでいろいろな部屋をスキャンしてみました。こちらは編集部員がお昼ご飯を食べる食堂。
先ほどの会議室の時とは異なり、なぜか一部の壁がうまく認識されないという結果に。壁が長かったので、端末を持って移動するうちに誤差が生じてしまったようです。こんな時は、同じ壁を複数回スキャンすることで精度を確保することができるようです。
逆に、どの程度の狭い空間をスキャンできるのかを試すため、トイレの空間もスキャンしてみました。
結果、ほぼ修正のないレベルでスキャンできることが判明。2か所修正していますが、これも数センチレベルの誤差しかありませんでした。やはり、できるだけ短い間隔でスキャンするのが、正確な測定を行うコツのようです。
最後に編集部室のサイズもスキャン。編集部は時空がねじ曲がっているためか、上下でズレが生じるという結果になりました。やはり、大きめの部屋はこまめに壁をスキャンしていくのがコツであるのは間違いなさそうです。
今回レビューした無料版で保存できる部屋の数は4部屋までとなっていますが、Pro版にアップグレードすると制限が解除され、さらにドアや窓の位置を追加したり、複数の部屋を連続してスキャンできるようになるので、家を丸ごとスキャンすることができるようになります。
制限解除&丸ごとスキャンが可能になるRoomScan Proの価格は500円となっており、アプリ内からアップグレードするか、App Storeで直接購入することも可能です。
iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 RoomScan Pro
https://itunes.apple.com/jp/app/roomscan-pro/id673673795
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