ウォルマート・カルフール・テスコなど世界的な総合小売業はどの国へ進出しているのか
日本でも西友が「Walmart(ウォルマート)」の子会社になりました。「Carrefour(カルフール)」や「Tesco(テスコ)」は撤退しましたが、倉庫型で会員制の「Costco(コストコ)」や、業務用スーパーの「Metro(メトロ)」と日本にも外資系のスーパーマーケットが進出しています。これは海外も同様で、いろんな国の企業が世界中でぶつかり合っていました。ロシアに進出したドイツ系のハイパーマーケット「Real(リアル)」は、フランス系の同業「Auchan(オーシャン)」に事業を売却。これからの発展が見込めるアフリカでも、数社の企業がすでに地盤を固めつつあります。
こんにちは、スーパーマーケットが大好きな自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。旅を続けて世界各国のスーパーマーケットに足を運んだ分だけ、世界の総合小売業がどうなっているのか興味があったので、どのスーパーがどこに進出しているか調べてみました。
◆外国企業
前提として、記事中に出てくる数字は、毎年アメリカの会計事務所デロイトと専門情報誌を発行するストアメディア社が協力して発表している世界の小売業ランキング「(PDFファイル)global powers of retailing 2013」を参照しています。会計期間は2011年7月から2012年6月の1年間で、総合小売業(スーパーマーケット)のみ抽出し、家電量販店やホームセンターといった専門的な店は除外。
海外展開している企業を抽出して、進出している国はオフィシャルホームページを参照しています。
なお、売上高の円換算が現時点とは大きく異なりますが、これは七十七銀行の為替相場情報を参考に、
・2011年07月~12月(79.52+77.36+76.91+76.71+77.57+77.88)
・2012年01月~06月(77.10+78.35+82.44+81.56+79.80+79.35)
の平均を取って1米ドル=78.71円で計算しているためです。
◆第1位:Walmart(sam's club)
本社:アメリカ
売上高:4469億5000万米ドル(35兆1794億円)
Interactive Map
世界:27カ国
アジア:3カ国(日本、中国、インド)
ヨーロッパ:1カ国(イギリス)
北中米:8カ国(アメリカ、カナダ、メキシコ、グアテマラ、エル・サルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ)
南米:3カ国(ブラジル、チリ、アルゼンチン)
アフリカ:12カ国(南アフリカ、レソト、スワジランド、ナミビア、ボツワナ、モザンビーク、ザンビア、タンザニア、マラウイ、ウガンダ、ナイジェリア、ガーナ)
「ウォルマート」は資本主義社会アメリカを象徴するスーパーマーケットで、「Everyday Low Price」と恒常的な低価格戦略で、小売としては世界一の売上高を誇っています。島国をのぞく北中米では、パナマをのぞいて広く展開。アジアでも日本、中国、インドと経済大国を押さえています。日本でも西友を子会社としました。2011年には南アフリカ小売大手の「マスマート」の株式を取得し、これからの発展が見込めるアフリカ市場にも取り組んでいます。ハイパーマーケットの「Walmart」、倉庫型大型スーパーの「sam's club」、メキシコではスーパーマーケットの「Bodega Aurrera」と店舗形式も多彩。
初めてウォルマートで買物をしたのは、中国南部の南寧でした。
アメリカでもお世話になったウォルマート。
メキシコでも巨大な店舗が各地に点在していました。地元企業と激しい競争を繰り広げています。
グアテマラのどこにでもあった「Despensa Familiar」もウォマートグループの一員。
ホンジュラスの「Maxi Despensa」
チリの店舗は「Lider」という名称。2009年に地元企業を買収してチリに進出しています。
南アフリカで買収したマスマートは「Game」という店舗をよく見かけていました。
◆第2位:Carrefour
本社:フランス
売上高:1131億9700万米ドル(8兆9097億円)
Carrefour stores worldwide
世界:34カ国
アジア:17カ国(中国、インド)FC(インドネシア、グルジア、トルコ、イラク、シリア、レバノン、ヨルダン、バーレーン、クウェート、アラブ首長国連邦、カタール、オマーン、サウジアラビア、イラン、パキスタン)
ヨーロッパ:12カ国(フランス、スペイン、イタリア、ベルギー、ポーランド、ルーマニア)FC(スロバキア、アルバニア、マケドニア、ブルガリア、ギリシア、キプロス)
南米:2カ国(ブラジル、アルゼンチン)
アフリカ:3カ国、FC(モロッコ、チュニジア、エジプト)
「カルフール」はフランスを代表する企業。ヨーロッパではラテン各国を中心に展開。2000年に鳴り物入りで日本にも進出しましたが、わずか4年で撤退しています。近年タイ、マレーシア、シンガポールと立て続けに事業を売却し東南アジアからも撤退しました。一方で中近東でのフランチャイズ展開に力を入れていて、イラクのクルド人自治区に作られた店舗の話はニュースで見たことがありましたが、なんとイランにまで店舗があるようです。
豊田通商、アフリカのスーパー事業で仏カルフールと合弁(2013/5/30)-日本経済新聞
豊田通商は30日、子会社の仏商社CFAOが仏小売り大手のカルフールとアフリカでの協業に向けた合弁会社の設立で合意したと発表した。カメルーンなどアフリカ西・中部8カ国にカルフールのスーパーを今後10年間で約70店設け、年10億ユーロ(約1300億円)の売り上げを目指す。豊田通商は合弁を通じ、アフリカでの小売事業を拡大する。
サハラ砂漠以南のアフリカへの進出も窺っています。
スペインのカルフール。
中国では「家楽福(jialefu)」として営業しています。子どもを店内の片隅でおしっこさせる親御さんがいたり、盗難防止のため歯磨き粉の箱を開けられて中身をチェックされたりと、ウイグル自治区の店舗は衝撃的でした。
◆第3位:Tesco
本社:イギリス
売上高:1015億7400万米ドル(7兆9948億円)
Our businesses
世界:12カ国
アジア:6カ国(中国、韓国、タイ、マレーシア、インド、トルコ)
ヨーロッパ:6カ国(イギリス、アイルランド、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)
「テスコ」はイギリス発の世界的なスーパーマーケットチェーン。初めてマレーシアで見た時は気に留めていなかったのですが、詳しく調べてみるとイギリス企業でした。日本にも進出していますが、すでに撤退が決まっています。
英テスコが米小売り事業から撤退、通期決算は20年ぶりに減益(2013/04/17)-ロイター
[ロンドン 17日 ロイター] 英スーパー大手テスコ(TSCO.L: 株価, 企業情報, レポート)は17日、赤字部門の米小売り事業の撤退を明らかにした。撤退に伴い15億ドルの評価損を計上する。
アメリカからも撤退しており、これからの発展は、成長著しい中国とインド次第という感じでしょうか。
◆第4位:Metro
本社:ドイツ
売上高:929億500万米ドル(7兆3125億円)
Standorte der METRO GROUP weltweit
世界:32カ国
アジア:7カ国(日本、中国、インド、パキスタン、カザフスタン、トルコ、ベトナム)
ヨーロッパ:24カ国(ドイツ、ベルギー、ブルガリア、デンマーク、フランス、ギリシア、イタリア、クロアチア、ルクセンブルグ、モルドバ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スウェーデン、スイス、セルビア、スロバキア、スペイン、チェコ、ハンガリー、ウクライナ)
アフリカ:1カ国(エジプト)
メトログループは百貨店の「Galeria Kaufhof」、レストラン・商店などを対象とした会員制卸売チェーンになる「Metro Cash and Carry」、ハイパーマーケットになる「Real」、家電量販店となる「Media Markt」「SATURN」を抱えるドイツの大企業。「Metro Cash and Carry」は日本にも展開しています。
「Media Markt」はヨーロッパの家電量販店。
ルーマニアの「Metro Cash and Carry」
◆第6位:Costco
本社:アメリカ
売上高:889億1500万米ドル(6兆9984億円)
company profile
世界:8カ国
アジア、オセアニア:4カ国(日本、韓国、台湾、オーストラリア)
ヨーロッパ:1カ国(イギリス)
北中米:3カ国(アメリカ、カナダ、メキシコ)
アメリカの倉庫型の会員制ストアの「コストコ」は、管理や陳列にかかるコストを削減して、低価格で大量購入を勧める戦略で拡大してきました。1999年の福岡市近郊の複合商業施設内に1号店となる久山店をオープンさせて日本にも進出。今日では18店舗まで規模を拡大しています。
飾り気のない店舗外装
◆第7位:Schwarz(Lidl、Kaufland)
本社:ドイツ
売上高:878億4100万米ドル(6兆9139億円)
Welcome to Lidl / Willkommen bei Lid
世界:27カ国
ヨーロッパ:27カ国(ドイツ、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、イギリス、ハンガリー、アイルランド、ルクセンブルグ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スロベニア、スペイン、スイス、リトアニア、フィンランド、スウェーデン、クロアチア、キプロス、マルタ、ルーマニア、ブルガリア、アイルランド、チェコ、スロバキア、ギリシア)
ディスカウントストアの「Lidl」はEU28カ国のうちエストニアとラトビアをのぞいた26カ国とスイスに店舗を展開するヨーロッパ流通戦争の勝ち組。スーパーマーケットの「Kaufland」も展開。ヨーロッパのディスカウントストアはパレットを並べるだけの陳列や、探す手間のない複数のバーコードなど徹底してコスト管理で低価格化を実現。以前、「既存のスーパーを淘汰しかねない、ヨーロッパのディスカウントストア事情」という記事にしています。
一般的な「Lidl」の店舗
一般的な「Kaufland」の店舗
◆第8位:Aldi
本社:ドイツ
売上高:733億7500万米ドル(5兆7753億円)
http://www.aldi.com/
世界:17カ国
アジア、オセアニア:1カ国(オーストラリア)
ヨーロッパ:15カ国(ドイツ、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、イギリス、ハンガリー、アイルランド、ルクセンブルグ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スロベニア、スペイン、スイス)
北中米:1カ国(アメリカ)
Lidlと同様にディスカウントストアの代名詞とも呼べる「Aldi」。オーストラリアでも「Woolworth」や「Coles」より「低価格だけど変なものを売っているな」と首を傾げながら利用していたのも「Aldi」でした。アメリカにも展開しています。
スロベニアの店舗
◆第12位:Auchan
本社:フランス
売上高:605億1500万米ドル(4兆7631億円)
Le Groupe dans le monde
世界:12カ国
アジア:2カ国(中国、台湾、インド)
ヨーロッパ:10カ国(フランス、スペイン、イタリア、ポルトガル、ルクセンブルグ、ポーランド、ハンガリー、ロシア、ルーマニア、ウクライナ)
カルフールに次ぐフランス企業でスーパーマーケット、ハイパーマーケットを展開。
独メトロ、中・東欧のスーパー事業売却 1180億円で仏大手に(2012/12/01)-ロイター
【ジュネーブ=原克彦】ドイツの流通大手メトロは30日、ポーランドなど中・東欧の大型スーパー事業を11億ユーロ(約1180億円)でフランスの小売り大手オーシャンに売却すると発表した。メトロは欧州債務危機の影響で業績が悪化しており、事業売却で負債を圧縮する。
メトロが売却するのはポーランド、ルーマニア、ロシア、ウクライナの4カ国で展開する「リアル」の91店舗。年間売上高は26億ユーロ。同社は主力の会員制卸売店や家電量販店に強みを持つが、ハイパーマーケットと呼ばれる大型スーパーは不振。負債圧縮に加え、得意分野に経営資源を集中する狙いがある。
と東欧、ロシアで地盤を固めています。
ロシアのモスクワを包囲
◆第19位:Rewe(BILLA、PENNY Market、iki)
本社:ドイツ
売上高:513億3100万米ドル(4兆402億円)
DIVISIONS
世界:14カ国
ヨーロッパ:14カ国(ドイツ、オーストリア、イタリア、ロシア、ウクライナ、リトアニア、ラトビア、チェコ、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、クロアチア)
Reweグループはスーパーマーケットの「Billa」、ディスカウントストアの「PENNY Market」を運営するドイツの企業。ラトビア、リトアニアではikiというブランドで展開中。ヨーロッパではBilla、PENNY Marketとどちらとも利用していたのですが、同じグループだとは気づきませんでした。
ルーマニアの「PENNY Market」は社会主義の面影が残る住宅ビルの合間にオープン。
◆第22位:Casino(Leader Price)
本社:フランス
売上高:471億700万米ドル(3兆7077億円)
Le Groupe dans le monde
世界:9カ国
アジア:2カ国(タイ、ベトナム)
ヨーロッパ:1カ国(フランス)
南米:4カ国(アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、ウルグアイ)
アフリカ:2カ国(マダガスカル、モーリシャス)
Carrefour、Auchanに続くフランス企業のCasinoグループ。フランスでスーパーマーケットの「Casino」を運営する傍らで、ドイツ系ディスカウントストアに対抗して「Leader Price」も展開。コロンビアの「Exito」や、タイとベトナムの「Big C」もグループ企業でした。フランスは世界5位の経済大国だけあって、小売でも活躍しています。
Leader Price。
◆第75位:Dia
本社:スペイン
売上高:136億2100万米ドル(1兆721億円)
DIA EN EL MUNDO
世界:6カ国
アジア:1カ国(中国)
ヨーロッパ:3カ国(スペイン、ポルトガル、フランス)
南米:2カ国(ブラジル、アルゼンチン)
スペイン系のディスカウントストアで、スペインではよくお世話になっていました。2010年にギリシアから、2013年にトルコから撤退しています。
スペインらしいシェスタを含んだ営業時間。
◆第93位:Shoprite
本社:南アフリカ
売上高:107億1700万米ドル(8435億円)
Shoprite Africa
世界:17カ国
南アフリカ:12カ国(南アフリカ、レソト、スワジランド、マダガスカル、モーリシャス、ナミビア、ボツワナ、モザンビーク、アンゴラ、マラウイ、ザンビア、ジンバブエ)
東アフリカ:2カ国(タンザニア、ウガンダ)
西アフリカ:2カ国(ガーナ、ナイジェリア)
中央アフリカ:1カ国(コンゴ民主共和国)
南アフリカの総合小売業をリードする「Shoprite」はアフリカ各地に進出しています。モザンビーク、アンゴラ、コンゴ民主共和国への出店は珍しい形。ウォルマート系の「Game」と同様にアフリカの小売を変えていく存在です。
ナミビアの店舗
ザンビアの首都ルサカの巨大ショッピングモール
ウガンダの首都カンパラの店舗
西アフリカのガーナの首都アクラにも店舗があります。Gameも同じ場所に出店。
あとメモとして、
・5位の「Kroger」はアメリカ国内のみ。
・17位の「Woolworths」はオーストラリアとニュージーランドを合わせた約2700万人の人口で、この順位はすごい。
・23位のオンラインショッピングの「Amazon」はアメリカ、カナダ、メキシコ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、日本、オーストラリア、ブラジル、インドの12カ国で事業を展開。
・48位に「Lotte(韓国)」があります。売上高は190億7700万ドル(1兆5015億円)。
・185位の「BIM」はトルコに4000店舗を展開する業界首位。
◆日本企業
◆第13位:イオン
売上高:601億5800万米ドル(4兆7350億円)
イオン海外店舗
世界:9カ国
イオン アジア:5カ国(日本、マレーシア、タイ、中国、香港、ベトナム)
ミニストップ アジア:7カ国(日本、韓国、フィリピン、中国、ベトナム、カザフスタン、インドネシア)
日本を代表する総合小売業のイオンは、経営難に陥った同業のマイカルやダイエーを買収し、日本進出に失敗したカルフールとテスコの店舗も手に入れるなど、非常に活発な動きで業界トップの座を走り続けています。近年は都市郊外にイオンモールという形でショッピングセンターを全国各地にオープンさせ、日本の風景を変えてきました。この勢いは海外も同様で、マレーシアから撤退するカルフールの店舗を買収したり、ベトナムやカンボジアでもショッピングセンターを建設するなど留まることを知りません。
イオンがカルフールのマレーシア事業を151億円で買収、国内2位へ (2012/11/01)-ロイター
[パリ/東京 31日 ロイター] 仏小売り大手カルフール(CARR.PA: 株価, 企業情報, レポート)は31日、マレーシア事業をイオン(8267.T: 株価, ニュース, レポート)に売却したことを明らかにした。イオンは1億4700万ユーロ(約151億円)で全株式を取得する。
イオン、ベトナム1号店開業 日系企業30店が出店 (2014/01/11)-日本経済新聞
イオンは11日、ベトナム南部ホーチミン市郊外で同国1号店となる大型ショッピングセンター(SC)「イオンモール タンフーセラドン」を開業した。親日的な国民性を持つ同国で日本商品や日本式サービスをテコにシェア拡大を目指す。
2012年12月10日にカンボジア王国で最大規模かつ初のモールである「イオンモールプノンペン」の起工式を行い、2014年開業をめざしています。「イオンモールプノンペン」は、カンボジアの首都プノンペンの中心部に位置し、周辺には高級住宅地やホテルが立ち並び、中高所得層の世帯が大半を占めるなど、今後さらなる発展が見込めるエリアです。
香港の隣の深圳の店舗。
◆第16位:セブン&アイ・ホールディングス
売上高:579億6600万米ドル(4兆5625億円)
世界のセブン-イレブン
世界:15カ国
アジア、オセアニア:9カ国(日本、韓国、中国、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、オーストラリア)
ヨーロッパ:3カ国(ノルウェー、スウェーデン、デンマーク)
北中米:3カ国(アメリカ、カナダ、メキシコ)
コンビニエンスストアを世界中で拡大しているのが日本のセブン-イレブンで、チェーンストアとしては世界最大の店舗数となっています。日本の生活にも欠かすことのできないコンビニエンスストアは機動力と利便性が武器。スーパーマーケットのように歩き回る必要はありません。アメリカやメキシコで飲み物を買って休憩していました。タイ、マレーシア、シンガポールの店舗数も目を見はります。グループ企業のイトーヨーカドーも中国で店舗を運営していますが、海外展開はコンビニエンスストアが中心の形になっています。
香港の店舗
スウェーデンの店舗
デンマークはガソリンスタンドに併設されていました
カナダの店舗。外観は日本と変わらないですね。
ちなみに「セブン-イレブン」「ローソン」「ファミリーマート」と日本のトップ3の海外展開はこのようになっています。
セブン-イレブンの海外店舗数ー2013年9月末現在
日本:1万5852
台湾:4883
スウェーデン:189
アメリカ:8177
タイ:7319
デンマーク:196
フィリピン:938
メキシコ:1601
マレーシア:1519
カナダ:484
シンガポール:544
韓国:7044
インドネシア:137
中国:1952
オーストラリア:595
ノルウェー:158
合計:5万1588店舗
ローソンの海外店舗数ー2013年11月末現在
日本:1万1536
中国:391
インドネシア:63
タイ:24
アメリカ(ハワイ):4
合計:1万2018店舗
ファミリーマートの海外店舗数ー2013年12月末現在
日本:1万245
台湾:2903
韓国:7932
タイ:1048
中国:1064
アメリカ:9
ベトナム:20
インドネシア:10
フィリピン:31
合計:2万3262店舗
韓国ファミリーマートの店内
もう一つ
◆第230位:ダイソー
売上高:40億2400万米ドル(3167億円)
海外店舗情報
世界:25カ国
アジア:10カ国(日本、韓国、中国、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、ミャンマー)
中近東:8カ国(レバノン、クウェート、ヨルダン、カタール、バーレーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、オマーン)
北中米:3カ国(アメリカ、カナダ、メキシコ)
南米:1カ国(ブラジル)
アフリカ:1カ国(モーリシャス)
オセアニア:2カ国(オーストラリア、ニュージーランド)
100円ショップの「ダイソー」も積極的に海外展開を進めていました。全世界で中国人が自国品を販売していますが、品質が伴っていません。その上に日本より高いという買物地獄。チリにも中国製品を扱う輸入雑貨店を見かけますが、100円で手に入る物はなかなかありません。だからこそ日本の100円ショップは、海外では十分に商機があると思います。アメリカでも「Dollar General」「Family Dollar」「Dollar Tree」と1$ショップは便利だったのですが、日本の感覚からすると品質が足りない気がしました。
中国雑貨店でたまに見かけるダイソー商品
◆考察
今後の世界の総合小売は
・倉庫=Costco(アメリカ)
・ハイパーマーケット=Real(ドイツ)、Auchan(フランス)
・スーパーマーケット=Walmart(アメリカ)、Tesco(イギリス)
・ディスカウンストア=Lidl(ドイツ)、Aldi(ドイツ)、Netto(デンマーク)、Leader Price(フランス)
・コンビニエンスストア=セブン-イレブン(日本)、ローソン(日本)、ファミリーマート(日本)、サークルK(カナダ)
という5つの店舗スタイルで競争が加速していくでしょう。現在でもアメリカの「Walmart」が倉庫・ハイパーマーケット・スーパーマーケット、フランスの「Casino」がディスカウントストアと、スーパーマーケットと一つの企業が複数の店舗スタイルを手がけたりしています。
ポーランドのスーパーマーケット
ペルーのハイパーマーケット
スーパーマーケットの発展は「商店→ローカル企業→地方企業→全国企業→世界企業」と規模が拡大していくばかりでしたが、世界最大のアメリカ市場では日本のコンビニエンストアの「セブン-イレブン」が8177店舗、ドイツのディスカウントストアの「Aldi」が約1300店舗を構えたりと、巨大店舗型の「ウォルマート」に挑む構図で非常に面白いです。
EUに加盟したことで、激しい競争に巻き込まれることが確実なクロアチアのスーパーマーケット。
アメリカ、日本、ドイツ、フランスといった大国の企業ばかりが目立ちますが、メキシコのコンビニエンスストア「OXXO」が南米コロンビアに、チリのスーパーマーケット「TOTTUS」がペルーに進出しているから世界の小売業は興味深い。
スロベニアの「Mercator」は旧ユーゴスラビアで同じ国だったセルビア、クロアチア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナなどに進出。アルバニアにも店舗があるみたいです。
日本だとすでに飽和状態ですが、海外の発展は留まることを知りません。東南アジアではベトナムやカンボジア、開放路線に転じたミャンマーに注目が集まっています。インド、パキスタン、バングラディッシュ、ネパールと莫大な人口を抱えた南アジアも魅力的。南部の南アフリカから東部のケニアまで経済圏が結びつきつつあるアフリカからも目が離せません。
進出に撤退、買収に売却と2014年も世界の総合小売業は熱い動きを見せそうです。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
・関連記事
既存のスーパーを淘汰しかねない、ヨーロッパのディスカウントストア事情- GIGAZINE
世界最大のスーパー「ウォルマート」VS世界最大の通販サイト「Amazon.com」- GIGAZINE
有料会員制でありながら売り上げを伸ばし続けるコストコ成功の秘密とは?- GIGAZINE
コストコ倉庫店の中を探検、あらゆるものが大きすぎ&大量すぎ- GIGAZINE
外国資本と中国商店が国内経済を破壊するスペイン危機の可能性について考えてみました- GIGAZINE
製品やサービスの値段を決めるために知っておくべき「8つの価格戦略」- GIGAZINE
円高ドル安が進んだ物価の違和感、アメリカはここまで安くなっていた- GIGAZINE
・関連コンテンツ