建物を丸ごと3Dスキャンしてハイクオリティな3DCGを作り出すエンジン「Thorskan」
3Dスキャンはオブジェクトや人物などの比較的小さなものの3Dモデル作成に利用されますが、建物や街並みといった環境を丸ごとスキャンしてリアルな3Dモデルを作成する技術が「Thorskan」です。映画やゲームでの利用を想定しており、非常にハイクオリティで、実際に撮影した映像のような質感となっています。
BetterReality
http://www.betterreality.pl/
Full reality 3D experience | Thorskan
http://thorskan.com/
一見何の変哲もない廃墟の写真に見えますが、これはThorskanによって作られた3Dモデル。
現実に存在する建物を丸ごと3Dモデルにしており、視点を移動させて細部まで確認可能。以下のムービーからそのすさまじさが分かります。
Better Reality 3D scan - YouTube
落書きのされている壁や汚れた地面、窓から差し込む太陽光など、どう見ても写真。
ヒラッと3Dっぽい写り込みが入って「3Dモデルなのだ」ということが分かります。
カラフルな落書き。
部屋の隅にはゴミがたまっています。
ゴミの1つ1つまでリアル。
柱の質感もぱっと見て作り物っぽさはありません。
窓の汚れや天井など、拡大画像でじっくり見てやっと少し違和感があるかな?という程度です。
上記の3Dモデルを使って制作されたのが、The Farm 51が手がけるGet EvenというFPSの映像。
Get Even - 'What Is Real' Teaser Trailer - YouTube
太陽光が差し込み明るかった廃墟内が別の雰囲気になっています。
室内に置かれたスマートフォン。
地面が光って……
サイバーな雰囲気に。
廃墟に潜入する3人の男性。
地面に倒れる人。
不自然に壁に開いた穴へと向かいます。
ものすごく壁に近づいてみても、汚れや質感などに作り物っぽさはなし。
そして部屋の中にはイスに縛られた1人の少女が……。
また、この他にも人物やオブジェクトなどもThorskanの技術で3Dモデル化が可能となっています。
Thorskan 3D models made out of photos
人物
オブジェクト
細かい所まで再現されています。
車
雪景色に溶け込ませるとこんな感じ。
切り株
アップ
水に沈んだ街。
何やら四角いものが映ります。
角度を変えると……
廃墟の外観でした。
別の角度から見ると以下のような感じ。
夕方っぽい雰囲気のある映像になっています。
これはポーランドにあるBetterRealityという会社の作品。映画やテレビ・ゲームに使用するようなハイクオリティな3Dモデルの製作に特化しており、この他の作例はVimeoから見ることが可能です。
・関連記事
物体を簡単に3DスキャンしてAR表示や3Dプリントができるスキャンセンサー「Structure Sensor」 - GIGAZINE
PCと専用カメラを用いて自分で3Dモデルが製作できる「Volumental」 - GIGAZINE
立体物を簡単にデータ化できる3Dスキャナ「Digitizer」は約14万円での販売が決定 - GIGAZINE
3D印刷可能モデルを検索できるオープンソース検索エンジン「DEFCAD.com」プロジェクトが始動 - GIGAZINE
約3万円でシンプルな操作性の3Dスキャナー「Rubicon 3D scanner」 - GIGAZINE
世界最安で3Dプリント・3Dスキャン・フライス盤加工が可能な複合機プリンタ「FABtotum」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ