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革命を起こしたゲームDoomが20周年で当時のプログラマーが語る開発秘話とは?

By Zheng Kai

1993年、id Softwareという会社が「Doom」と名付けた1本のゲームを開発し、PC-DOS用のシェアウェアで公開したところ、瞬く間にゲーマーたちの心をつかみ、1996年8月までに200万本を売り上げるヒットを記録しました。現在でいうFPSと呼ばれるジャンルのゲームであるDoomの人気を反映して、多くのFPSゲームがつくられましたが、当時はFPSという言葉が存在しなかったため、「Doomクローン」という造語ができたほど。DoomはFPSの元祖ではないものの、FPSを一躍メジャージャンルに押し上げた作品としてゲーマーの間では認知されています。

2013年、Doomが生誕20周年を迎えたということで、id Softwareの元CEOであるジョン・D・カーマック氏、元プログラマーのジョン・ロメロ氏やデイブ・テイラー氏が当時の会社の様子や開発秘話などをインタビューで話しており、昔ながらのゲーマーには興味深い内容となっています。

Interview: Former id Software programmer Dave Taylor chats on Doom's 20th anniversary - Neowin
http://www.neowin.net/news/interview-former-id-software-programmer-dave-taylor-chats-on-dooms-20th-anniversary

Memories Of Doom, By John Romero & John Carmack
http://kotaku.com/memories-of-doom-by-john-romero-john-carmack-1480437464

インタビューでは、最初にカーマック氏とロメロ氏にDoom開発当時の印象に残った思い出について質問。カーマック氏が一番思い出に残っていることとして挙げたのは、数台のPCを並べてDoomのマルチプレイヤーモードのテスト行っていた時からリリース翌日にかけて起こった出来事です。当時、カーマック氏は別々のPCでDoomをプレイしつつバグを修正するという大変な作業をしていましたが、心の中では「このゲームは必ず素晴らしいものになる」と確信に近いものを感じていました。

By Official GDC

テストを終えたカーマック氏は、IPX通信プロトコルがDoomのマルチプレイヤーモードをプレイするのに最適であると考え、DoomのリリースまでIPXを使用していました。しかしながら、Doomの発売翌日、ネットワークの管理者から「Doomのおかげでネットワークが壊れそうだ」という怒りの電話がカーマック氏の元にかかってきます。カーマック氏は「すぐに対応して修正しましたが、オリジナルのDoomが配布された後だったので、多くのネットワーク管理者に迷惑をかけてしまいました。でも今はいい思い出です」と話しています。

「コードとデータを掌握しているゲームの開発者というのは、そのゲームについてなんでも知っているはずなんです」と語る元プログラマのロメロ氏は、Doomを初期テスト段階でプレイしたとき、モンスターの立てる音やドアが開く効果音などが他のものとは完全に違うレベルに到達している、と思うほど衝撃的だったことを、Doom開発当時の思い出としてあげています。

By Danie van der Merwe

ロメロ氏と同じくid Softwareの元プログラマーであるテイラー氏は、Doom開発当初のid Squareについて貴重な話をしています。

Doom開発当初のid Softwareの雰囲気について質問されたテイラー氏は「会社の雰囲気は、まだ若くて未熟だけど伸びしろのある若者が多く集まって、一生懸命働いているという印象でした。僕自身Doomが初めての本格的な仕事でしたから、わくわくすると同時に大きな挑戦になる思っていましたよ」と話しました。Doomの開発当時から、メンバー全員が「Doomは絶対に素晴らしい作品になる」と信じて仕事に取り組んでいたそうです。

By Matt Schilder

Doomが大成功を収めた後、資金面でかなり余裕の出来た会社では社員の給料が増えた一方、社員の自己主張が強くなり、その結果、現在id Squareの創設期メンバーは1人しか残っていないとのこと。しかしながら、テイラー氏は「Doomの開発に加われたことは、とても幸運なことだった」と語っており、PCゲーム業界の展望について意見を求められると「Doomのような衝撃的な作品は近い将来必ず登場します」とPCゲームの将来が明るくなることを期待していました。

なお、Doomの最新作であるDoom 4の制作が2008年にid Softwareから発表されましたが、2013年12月12日現在、発売日などの詳細はまだ決定していません。

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in ゲーム, Posted by darkhorse_log

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