海外でパケ死しない現地SIMカードを使ってインターネットをする方法
海外でもスマートフォンがあればインターネットには不自由しません。ネットカフェに行く回数も少なくなります。日本の携帯キャリアもプランを設けて、海外でもデータ通信ができるようになっていますが驚くほど高額。ここは現地のSIMカードを手に入れましょう。テザリングを使えば、PCでもスマートフォン経由でインターネットに接続できます。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。ケニアでAndroid端末「IDEOS」を手に入れて以来、現地のSIMカードでインターネットに繋いでます。ペルーだと1日使える10MBのデータプランが1ソル(約37円)。今回は絶対にお得な海外モバイルインターネットについてまとめてみました。
◆日本キャリアの海外パケット定額プラン
NTTドコモ、au、SoftBankと、日本の主要キャリアは海外でも自分の端末でデータ通信をできるプランを用意しています。3社共通して「1日あたり一定の容量まで1980円、それ以上は2980円」といった説明です。NTTドコモだと「1パケットあたり0.2円となるので、990KBで1980円になり、そこから20万パケット(約24.4MB)までは1980円、20万パケット以降が2980円」といった感じです。
海外パケ・ホーダイ | サービス・機能 | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/service/world/roaming/charge/kaigai_pake_hodai/
海外ダブル定額(3G)│料金・割引一覧│au
http://www.au.kddi.com/mobile/charge/list/kaigai-double-teigaku/
海外パケットし放題:国際サービス | ソフトバンクモバイル
http://mb.softbank.jp/mb/international/roaming/area_price/packet/
でも、これだと高すぎます。ケニアだとairtelの料金プランで一日使い放題が250シリング(現在のレートで約290円)。
ルワンダだとtigoの料金プランで一日使い放題が1000フラン(現在のレートで約155円)
価格差は歴然です。2011年10月から11月にケニアとルワンダを旅しましたが、その時の一日使い放題プランはそれぞれ50シリングと800フラン。ある程度の都市なら3G回線が飛んでいるので、インターネットには困りませんでした。
◆現地SIMカードでインターネット
海外で現地のSIMカードを手に入れると、データ通信に大金を費やす必要もありません。海外では払った分だけ使用できるプリペイドが充実していて、旅行者でも簡単に購入できます。これにはSIMフリーの端末が必要で、日本のように標準でロックが掛かっているとSIMカードを認識してくれません。幸いにも自分の端末はどこの国でも問題なく動作しています。ただ、アメリカ大陸では3Gの規格に対応していなくて、2Gオンリーとなっていますが……。アフリカではGIGAZINEに掲載する原稿を仕上げるために、3G回線に繋いで20MBほどの画像をアップロードしていました。
そろそろ2年になる「IDEOS」ですが、未だに現役で頑張ってくれています。
◆事前準備
・訪問国の携帯キャリアを把握すること
どこの国でも3社くらいは営業しています。ザンビアだったらVodacom、airatel、tigo、Zamtel、グアテマラだったらClaro、Movistar、Tigoといった具合です。アフリカ各国ではイギリス資本のVodacom、フランス資本のOrange、インド資本のairtel、南アフリカ資本のMTNが競合していました。中南米だとメキシコ資本のClaro、スペイン資本のMovistarをよく見かけます
・それぞれのデータ通信プランを比較する
データ通信プランは古い情報だと変更されている事もあるので、オフィシャルサイトで確認するのが確実です。ただオフィシャルに無いプランが海外のブログに書かれていて、それが実際に購入できる事もあったので難しいところ。慣れない外国語だというのに、オフィシャルサイトの案内が分かり辛い事もあります。情報を照らし合わせて判断するしかありません。シェアが低いキャリアだと、田舎ではアンテナが立ちません。PCを使って作業したいなら、3Gの展開が進んでいるキャリアがいいでしょう。
・APNとデータ通信の購入方法を把握しておく
データ通信の購入方法は「*611#」のようにダイヤルしてUSSDコードから操作をするか、SMSで特定の宛先に「1D」みたいなテキストを送るか、このどちらかが大半です。プランなしのデータ通信は割高になるのでデータプランを購入するほうがお得。APN(アクセスポイントネーム)はモバイル端末におけるプロバイダのような存在で、ここを経由しないとインターネットに接続できません。これを携帯のショップが知っていることは稀で、インターネットが繋がるときに、前もって調べておいた方が無難でした。
ケニアのairtelではオフィシャルサイトに案内があります。
USSDコードはこんな感じで入力すればOK
◆現地に入ったら
・SIMカードを購入する
正規の値段で手に入れたいので、自分はできるだけ携帯キャリアのオフィスを探しました。身分証の提示を求められるので、パスポートは忘れずに。アフリカだと日本円で100円が目安でした。南アフリカは破格の10円、一方メキシコでは1000円以上もするので、こちらも事前に情報を調べておくと、戸惑うことはありません。
ウガンダはウガンダテレコムのSIMカードを携帯キャリアの店舗で購入。2000シリング(約60円)
ウガンダテレコムの調子がイマイチだったので、再度airtelのSIMカードを携帯キャリアの店舗で購入。こちらも2000シリング(約60円)
ルワンダはtigoのSIMカードを路上で購入。550フラン(約74円)
ザンビアはMTNのSIMカードを携帯キャリアの店舗で購入。5000クワッチャ(約80円)
南アフリカはCELL CのSIMカードを衣料品チェーンPEPで購入。1ランド(約10円)
・リチャージをする
アフリカではスクラッチカードが主流で、削って出てきた番号を入力して送信すると、クレジットが加算されます。スクラッチカードは商店や露店などで購入しました。複数枚手に入れると、好きなときにリチャージできるので便利。中南米ではコンビニや薬局で自分の番号を伝えて、クレジットを加算してもらっていました。問題が無ければSMSでメッセージが届きます。ペルーだとオーナーの携帯から自分の端末にクレジットを移動してもらう方法でリチャージしています。
ケニアのスクラッチカード
・APNの設定
事前に調べていたAPNを入力します。まずはアプリ一覧の画面で「設定」をタップ。
「無線とネットワーク」をタップ
「モバイルネットワーク」をタップ
「アクセスポイント名」をタップ
「新しいAPN」をタップ
今回はペルーの「Claro」を使うので、APNに「claro.pe」と入力。「名前」の欄は適当でも構いません。
チェックボックスをオンにして、設定に問題が無ければ、データ通信が開始されます。
・データプランの購入
データ通信が出来るようになったらデータプランを購入しましょう。ウガンダのairtelはUSSDコードでデータプランを購入するタイプでした。
使用したい期間を選択
続いて、使用したい容量を選択
これで完了
マラウイのairtelもUSSDコードでデータプランを購入します。
成功するとSMSでメッセージが送られてきます。
ザンビアのMTNもUSSDコードでデータプランを購入。
使用したい期間を選択し……
使用したい容量を選択。
ボツワナのMASCOMは1時間で10プラ(約120円)という珍しいデータプランを用意していました。
◆ペルーの場合(2013年8月現在)
最初の大きな町ハエンではWi-Fiつきの宿を見つけたので、インターネットを使ってペルーの携帯事情を確認。主要キャリアのMovistarとClaroの料金プランを比較すると、一番使うであろう1日間有効の1ソルプランが、Claroの方お得だったので、そちらを購入することにしました。
「Claro」の看板を掲げていたお店でSIMカードを購入。オフィシャルショップではなかったのですが、SIMカードが8ソル(約300円)と他店より安かったのでここで手に入れました。
SIMカードを端末に装着
問題がなければ「Claro」の電波を受信します
「*777♯」で残高照会
2ソル(約75円)のクレジットが入ってます
「*777*4♯」でデータ通信の残高を確認
約10MBのクレジット。ただ、これはデータプランの残高ではなく、リチャージの際に加算されるデータ通信の残高です。データプランの残高の確認方法は不明。
街の中でみかけるリチャージ可能なお店の印
リチャージが完了するとメッセージが送られてきます。携帯から携帯に残高を移すリチャージ方法です。
5ソル(約185円)をリチャージして、10MBのデータ通信が送られてくることが数回ありました。
ペルーのClaroはSMSでデータプランを購入します。APNは「claro.pe」で、「779」の宛先に「1d」と入力したメッセージを送信。1日間で10MBのデータプランが1ソル(約37円)。
完了すると、このようなメッセージが送られてきます。
「3d」は3日間で50MBのデータプランが3ソル(約110円)。「5d」だと5日間で200MBが10ソル、「10d」だと10日間で700MBが35ソル、「15d」だと15日間で1,5GBが69ソル、「30d」だと30日間で3Gが119ソルといった値段設定。
7月28日に掲載された「エクアドルからペルー国境まで自転車旅行者狙いの強盗を回避するためアンデスの山々を走破」という記事を表示させてみました。
容量を使い切るか有効期限を過ぎると、データプラン終了のメッセージが送られてきます。
データ通信もデータプランも残高がなくなると、勝手にクレジットを消費していくので必要の無いときにはデータ通信をオフに。
必要なときはデータ通信をオンにしています。
◆コロンビアの場合(2013年5月現在)
首都ボゴタのMovistar直営店でSIMカードを2000ペソ(約105円)で入手。
薬局にあったリチャージ端末は、携帯電話のように無線となっていました。
コロンビアのMovistarはUSSDコードでデータプランを購入します。APNは「internet.movistar.com.co」で、「*611♯」を入力して通話。
「Internet Prepago」の2を入力して送信
「En ml telefono,modem o Tablet」の2を入力して送信
「Int.Extremo por $900 Hora(1時間900ペソ)」の1を入力して送信
再度確認して、「Comprar(購入)」の1を入力して送信。
これで完了
すぐにSMSが送られてきます。1時間だと50MBで900ペソ(約50円)1日間だと200MBで2900ペソ(約155円)という価格でした。
◆メキシコの場合(2013年1月現在)
アメリカから入国して、一番最初の大きな都市エルモシージョのtelcelオフィシャルショップでSIMカードを購入。telcelは日本のNTTドコモにあたる、メキシコ携帯のビッグキャリア。149ペソ(約1220円)と高額なプリペイドSIMカードでした。
リチャージはメキシコのどこにでもあるコンビニ「OXXO」を使うことが多かったです。
リチャージの際には自分の番号をメモして渡すと、手続きがスムーズ。メキシコでは携帯番号を2桁ずつ区切って読み上げていました。
リチャージが完了するとSMSを受信。
30ペソがリチャージされました。
メキシコのtelcelはSMSでデータプランを購入します。APNは「internet.itelcel.com」。「5050」の宛先に「Bat3」と入力したメッセージを送信。
30MBで1ヶ月有効のデータプランが29ペソ(約235円)でした。
メキシコも容量を使い切るとデータプラン終了のメッセージが送られてきます。
telcelの公式サイトによると、データプランの有効期限は1時間・1日・2日・7日・15日・30日の6種類あって、それぞれ転送量が少ない・中ぐらい・多いという3つが用意されているようでした。
……「Bat3」がどこにあるのかがわからないのですが、街中のポスターで見かけたのでネットで検索したところ、「Nuevos planes de Telcel de Internet movil | PoderPDA」といったページが引っかかりました。
◆テザリング
自分のアンドロイド端末「IDEOS」では接続したPCで携帯通信の回線を使用できるテザリング機能がついていたので、Wi-Fiのない宿でもブラウジングをすることができました。
「設定」→「無線とネットワーク」→「テザリングとポータブルアクセスポイント」と順にタップしていき……
「ポータブルWi-Fi」にチェックを入れると……
テザリングが始まります。
「ポータブルWi-Fiアクセスポイントの設定」をタップすると、ネットワーク名を変更できます。
「Chariderman」にしてパスワードで保護しました。
PCに接続できます。
PCで7月28日の記事を見るとこんな感じに。
自分は滞在が長くなりそうな国では、このような感じで現地のSIMカードでインターネットに繋いでます。ルワンダではブルンジ大使館を訪ねた後に閃いて、GPSとグーグルマップを使って、タンザニア大使館の場所を探し当て、ビザの申請を済ますことができました。最近ではインターネットのサイトで天気予報を確認して、予定を立てています。
海外でも携帯回線でインターネットをしたいのであれば、現地SIMカードを手に入れるのが絶対にお得です。分からないことはありますが、難しいわけでもないので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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