取材

ケニアでAndroid搭載スマートフォン「IDEOS」を約6150円で手に入れました


こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。日本ではiPhoneの大ヒットから、空前のスマートフォンブームのようです。海外でも、日本人が集まる宿でスマートフォンを片手にインターネットに繋ぐ人たちをよく見かけました。そんな自分もケニアでAndroidを搭載した中国製スマートフォン「IDEOS」を手に入れました。日本と違ってSIMフリーですから、使い勝手いいですよ。こんな中国製スマートフォン「IDEOS」をガラパゴス化した日本の携帯市場と絡めてまとめてみました。

以前セネガルで「Nokia1280」を手に入れた記事を書きました。一緒に旅をしている友人もいたので、簡単なものとはいえ「Nokia1280」は便利でした。その友人はNokiaの上位機種を使っていて、インターネットにも繋いでいました。テザリングと呼ばれる機能を使い、携帯電話経由でPCをネットに繋ぐのです。何度か利用させてもらったのですがとても便利でした。自分も欲しいと考えていた頃に友人バックパッカーの「ケニアでスマートフォンを買う」という記事を見かけたので、ケニアの首都であるナイロビで探してみることにしました。


予算は1万円でしたので「iPhone」や「Nokia」とかは無理でしたから、必然としてAndroid端末になりました。インターネットでパソコンに繋ぐのが一番の目的でしたから、テザリングが使用可能なAndroid2.2以降のバージョンを探しました。このテザリングも日本だと制限が入っているみたいですね。サムスンの「Galaxy mini(13000ケニアシリング)」とファーウェイ「IDEOS(8000ケニアシリング)」に候補を絞りました。インターネットでスペックを比較した所はそう違わないので、安価な「IDEOS」を買うことにしました。

こちらが手に入れた「IDEOS」


Made in Chinaと書かれているバーコード表記。


Googleと書かれた表記。Android搭載のスマートフォンになります。


「シールが欠けていたら交換してくれ」と書かれている表記に驚きました。


箱を開けてみます。


本体、バッテリー、USBケーブル、充電器、イヤホン、説明書、保証書が入ってました。


現地SIMを手に入れて装着すると……


問題なく動作します。


この「IDEOS」、たいていのことはできます。

OS:Android 2.2.1
CPU:528 MHz processor
液晶:240×320ピクセル
カメラ:3.2メガピクセル
外部メモリ:microSDHCカード(最大32GB)
Bluetooth、GPS、無線LAN搭載。詳しいスペックはこちら

ケニアで手に入れた「IDEOS」ですが、Android自体に設定があるので、すぐに日本語に切り替えました。主にルーターとして携帯回線からパソコンに繋いでます。「IDEOS」本体でもインターネットに繋げますので、海外にいながら日本の情報には困りません。市内で迷った時にGoogleマップを使って現在位置を確認したりしていました。あと、32GBのmicro SDカードが使えますから、音楽プレイヤーとしても使います。Androidを搭載しているのでアプリをダウンロードすれば自由に拡張できるのも魅力的です。起動時に時間がかかる、バッテリーの持ちが悪い、アプリをたくさん起動すると少しの間フリーズする、と不満な点もありますが、コストパフォーマンスからしたら「IDEOS」は悪くない選択だと思っています。

ナイロビでは予備のバッテリーやソフトケースも手に入れました。


東アフリカ経済の中心であるナイロビにはたくさんの携帯ショップがありました。携帯ショップでなくても商店の隅に薬局の隅に、どこにでもショーケースならべて携帯を売っています。Business Wireの記事によると、ケニアは2009年を通じて携帯電話その他のICT機器に対する輸入関税と売上税を撤廃し、消費者が低価格の機器を購入できるようにしたとのこと。このおかげで、ナイロビには携帯があふれていました。

アフリカでよく見かける「TECNO」


「Nokia」でなく「okia」


「Nokia1280」より安い携帯「JIBAMBE」。999シリングは当時のレートで770円(2011年10月)と激安です。


Dual SIM。2つのSIMカードが入るのはアフリカでは一般的です。日本でいうならNTT Docomoとauという2つの会社のSIMを1つの携帯で使うことができます。


関連して、隣国のウガンダですが「4-SIM携帯」の看板。


この「IDEOS」はsafariというケニアの携帯サービス会社のオフィスで買いました。コンビニでジュースを買うみたいに、契約の必要も無く携帯を手に入れたので戸惑いました。

7999ケニアシリングのレシート。当時のレートで約6150円(2011年10月)になります。


気になったので日本における「IDEOS」の値段を調べてみました。

イーモバイルで1万9800円


b-mobileで2万6800円


……ちょっと高すぎではありませんか?

更に気になったので「IDEOS」の本元である中国での値段も調べてみました。中国最大のインターネットショッピングサイトといわれている「淘宝網(タオバオ)」で同じ機種である「IDEOS」を探してみました。

その結果、出てきた最安値は520元。この520元を日本円に直すと約6300円(2012年1月22日付)となり、ケニアで手に入れた値段に近い形ですね。


ガラパゴスと呼ばれても日本メーカーが占めていた日本の携帯市場。それも「iPhone」という黒船襲来により崩れていきました。海外で戦うこともなく、国内でも敗れさった日本メーカー。携帯サービス会社と携帯機種メーカーの持ちつ持たれつの関係が、狭い世界、ガラパゴスの中で過信を呼んでこの結果となったのでしょう。この国は、かつての「英国病」のように旧態にとらわれた「日本病」に陥っている気がしてなりません。この「IDEOS」はケニアから、ウガンダ、タンザニア、マラウイと国に関係なく、現地SIMを差し替えることで使用できています。日本で契約したスマートフォンはSIMロックがかかっているので、海外だと日本のSIM以外は使えないという話です。

エリクソンとの合弁を解消するソニー、Android OSで海外市場に再進出するパナソニックと、日本メーカーもようやくスマートフォンに本腰をいれるみたいですが、世界一の携帯機種メーカーとなったサムスンにはしばらくは追いつけないでしょう。この「IDEOS」を擁するファーウェイに、アフリカでもみかけたZTEと、中国勢の躍進も怖いところです。それなりの機種ですが、それでも格安な中国製スマートフォンに、ガラパゴス化したままでは淘汰されかねない日本メーカーの危うさを感じました。マラウイで会ったケニアでボランディア活動をやっているアメリカ人も「IDEOS」を手にしていました。「ケニアの中級階級を中心に流行している」と彼は言ってました。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
)

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in 取材,   モバイル, Posted by logc_nt

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