なぜ毛虫は集団になって移動するのか?
魚や鳥が群れを作って集団で行動するのはよく知られていますが、毛虫などチョウやガの幼虫も同様に一塊となって行動することがあります。一見、外敵に見つけられやすくなるはずの行動がなぜ起こるのか?ということで、YouTube上のサイエンス番組SmarterEveryDayがレゴブロックを使ってその謎を分かりやすく解説しています。
STRANGE but GENIUS Caterpillar Speed Trick - Smarter Every Day 93 - YouTube
こちらはYouTube上でSmarterEveryDayという番組を公開しているデスティンさん。
番組はサイエンスコンテストで優勝したケイレブくんの部屋から始まります。
今回ケイレブくんに作ってもらったのはこちらのハイテクレゴ毛虫。
スイッチを入れるとモーターが動きだし、毛虫がもそもそと前に進みだしました。
ということで今回のテーマは「毛虫の移動」。毛虫の移動を見るためアマゾンの熱帯雨林までやってきました。
足元にカメラを向けると……
1箇所にかたまった毛虫の集団を発見(以降の毛虫画像はクリックするとぼかしが消えてはっきりともぞもぞしている様子などが見えるようになります)。
毛虫はもそもそと動いていたかと思うと一斉にストップ、また動き出してストップ、を繰り返しています。
地面に倒れた木の枝を集団で越えて行く様子を真横から見るとこんな感じ。
鳥や魚が一つの方向に向かって集団で進んでいくのはよく知られていますが、毛虫が動いたり止まったりを繰り返すのは非常に奇妙に見えます。そして、よく見ると毛虫の集団が動きを止める時、動きは後ろの個体から前の個体の順に止まっているのです。
先ほどの毛虫の行動をもう一度見てみます。まず、最も後ろにいる個体の動きがストップ。
徐々にストップする個体の数が増え、真ん中あたりまで動きが停止します。
そして先頭の1匹が止まったとき、集団の移動は完全にストップ。
どうして毛虫はこのように集団行動するのか?ということを解明するため、再びケイレブくんの部屋に戻り、レゴブロックを使って実験を開始します。
レゴで作った道の左側に1つのブロック、右側に2段になったブロックを用意しました。両方のブロックを1ツメずつ進めていくわけですが、この時右側のブロックの上段も、下段のブロックの上を1ツメずつ進めます。
ということで、レーススタート。
右側のブロックがあっという間に左側のブロックを追い抜きました。
そして瞬く間にゴール。
今回はちょうど左側のブロックが右側のブロックのちょうど半分の距離でストップしていますが、集団で動くことによってスピードが2倍になるというわけではありません。
2段ではなく、3段、4段……とブロックを重ねていく度にスピードはあがるはずです。
ということで、毛虫が集団で動くのは「スピードを上げるため」が理由。動いている下段の毛虫の上をさらに上段の毛虫が動くことになるので、ちょうどエスカレーターの上を歩くようにスピードを上げることができるのでした。
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