乳がんを早期発見することに特化したブラジャー「First Warning Systems」
生涯で乳がんを患う日本人女性は16人に1人、早期に発見すれば90%以上が治ると言われますが、乳がんによる死亡数は年々増加しており、厚生労働省によれば2011年に乳がんで死亡した女性は1万2731人とのこと。従来であれば早期発見のために定期検診を行う必要がありましたが、装着するだけで定期検診を受けるよりも早期に乳がんを発見してくれるスポーツブラ「First Warning Systems」が新たに開発されました。
Home | First Warning Systems
http://www.firstwarningsystems.com/
ムービーは以下から。
First Warning Systems BSE Bra - YouTube
毎年、100万人の女性が乳がんだと診断され……
40万人の女性が乳がんでなくなります。
欧米では乳がんになるリスクはおよそ12%
8人に1人が乳がんになる計算です
乳がんは早期発見できれば死に至ることはありません
しかし一方で、無病誤診率はここ9年の間で43.1%にのぼりました。
乳がんの腫瘍は12年もの時間をかけて直径4cmにまで成長します。ここまで大きくなってしまった腫瘍は手術で取り除かないといけませんが……
11年では1cm。これは触診で発見される大きさです。
10年で0.2cm。これはマンモグラフィーによって発見されるレベル。
しかし、それより以前、乳がん細胞ができてから3年しか経ていない時に早期発見できるようにしたのがFirst Warning Systems。20年の歳月をかけた研究と、女性650人の臨床試験によって完成しました。
毛細血管が成長する時の細胞の微妙な温度変化を察知して92.1%の正確性でがん細胞を早期発見します。マンモグラフィーの精度がおよそ70%であることと比較しても、これは非常に高い精度です。
従来は乳がんの早期発見にMRIが使われていましたが、First Warning Systemsを使用すればそれよりもずっと前に見つけることが可能に。
一見すると普通のスポーツブラですが……
痛みを伴わず、
器具を体に挿入したりすることもなく……
非常に精密な検査を行います
がん細胞と通常の細胞では温度が異なり、悪性腫瘍の周囲にある細胞の温度は健康なものよりも日中の温度変化が乏しく、First Warning Systemsはその温度差を感知することによって腫瘍を発見するというわけです。
ブラの前方にはセンサーがあり、独自のアルゴリズムによって解析を行います
解析結果はインターネット経由でPCやモバイルデバイスで表示。
どの年代の女性でも使え、高い精密性を持って解析、組織の変化を予測できるのはもちろんのこと、病院に行って特別な検査を行うことなく日々の営みの中で乳がんの早期発見ができるようにする新しい試みです。なお、First Warning Systemsは2013年にヨーロッパで、2014年にアメリカで発売される予定、とのこと。
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