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太陽光を集めて熱に変えて調理可能にする「Solar Cooker」


地震や台風などで建物が崩壊し、電気もガスも使えずレスキュー隊が助けにくる様子もない……そんな時でも最低限の温かい食事を確保できるのが「Solar Cooker」です。使わないときは中に食べ物を貯蔵しておき、いざと言う時は太陽光によってお湯を沸かしたりできる簡易キッチンとして使用可能なSolar Cookerは以下から。

Cheng-Tsung Feng | Feng,Cheng-Tsung | 范承宗: Solar Cooker for D.A.
http://www.chengtsung.com/2012/01/solar-cooker-for-da.html

いつ何時我が身に災害がふりそそぐかもしれない昨今、日頃から緊急時の備えを用意するか否かで運命を分けることもあります。


災害時にもっとも人の体力を奪うのは空腹や冷たい食事ですが、そんな時にSolar Cookerがあれば太陽光の熱を集め、助けが来るまでの間でも温かい食事を取ることを可能にします。


なぜそんなことが可能なのかと言うと、Solar Cookerは反射鏡の角度を計算することにより、太陽光を中央の一点に向かって集中させ、熱を生み出すことを可能にしているから。


この技術は気温の高い第三世界の国々で広く使われているものですが、それをガスや電気の使えない災害時にも利用できないものかと作られたのがSolar Cookerだというわけです。


Solar Cookerの内容は以下のような感じ。
01.太陽光が正しく当たっているかを測るポインター
02.反射鏡
03.スチール製のポット
04.ポットブラケット
05.本体の組立て道具を収納するスペース
06.つっかえ棒


組み立て道具はこんな感じで本体の前面に取り付けてある箱の中に収納されます。


Solar Cookerは非常時のための貯蔵庫としても機能します。フリーズドライの食料や飲み水、鉄製のコップ、簡単な医療道具など、一週間分の生活に必要なものを貯蔵可能。


Solar Cookerは以下のようにして作られました。

まずはプロトタイプ作り。照明設計解析ソフトウエアの「Light Tool」と反射に関するインターネット上のデータを使って、最も効率的に光を反射する角度を見つけ出し、その角度で木版をレーザーカット、作成した土台の上に光を反射する金属シートを貼り付けます。


こうして作成した第1号機は曇りの日に人口の光によるテストが行われましたが、結局温度は65℃までしか上昇せず、失敗に終わってしまいました。


その後、何度も失敗を繰り返してようやく作られた第8号機は、少し雲のある晴れた日の午前中にテストが行われました。気温は19℃~25℃。太陽光によって行われた今回の実験では、はじめの10分間はまったく変化がありませんでしたが、60分が経過する頃、水温は100度まで上昇しました。7度の改良を重ねて、ようやく成功に至ったというわけ。


Solar Cookerの使い方は以下から。

Solar Cooker for D.A. IDA 60sec on Vimeo


まずはSolar Cookerをパカッと半分に分解し、


上部に付属する収納ボックスを取り外します。


中から取りだしたつっかえ棒を本体の後ろに取り付けます。


ポットブラケットの上にポットを設置。


お水を注いで……


乾燥麺を投入。


太陽光を当てて、しばらく待つと……


1時間弱でお湯が沸騰し、食事ができるようになるというわけです。


災害時に便利なのはもちろんですが、IHクッキングヒーターしかないけれど節電しなければいけない時にこれを使ってお湯を沸かすというのもアリかもしれません。

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in デザイン, Posted by darkhorse_log

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