レビュー

ミラーレス一眼デジカメ「GX1」の実際の使い勝手をムービー&実写レビュー


現在常用している「GH2」最大の不満点として「オートのホワイトバランスが時々致命傷なぐらい愚かしいことをしてくれる」というものがあり、良好な環境下では難なく撮影できるのですが、ちょっとでも難しい状況になると途端に歯が立たなくなり、悲しい思いをしているわけです。

が、それでもなおなぜPanasonicの一眼デジカメに期待しているかというと、それはオートフォーカスの速度とムービー撮影機能が秀逸であるため。業務用のビデオカメラを作っているからなのか、それとも強いこだわりなのか、カメラの形をしたビデオカメラとしては比類無き性能を発揮してくれており、正直、バリアングル液晶による自由自在な取り回し・ムービー撮影機能の秀逸さ・この機能の割には小型でギリギリ持ち歩いて苦にならない重さである、という3点がいまだに使い続ける理由となっています。


そのため、「GX1」レンズキットが仕事に使えそうなので実際に買ってきたわけです。結果、予想以上に使える仕上がりになっており、思わず予定していなかったのにレビュー記事を書いてしまうほどのレベルでした。詳細は以下の記事を参照。

「GX1」レンズキットが仕事に使えそうなので実際に買ってきてフォトレビュー - GIGAZINE


これまでPanasonicのコンデジのFZシリーズから始まってステップアップしていき、GH1、GH2と購入して少しずつレベルアップしていき、GF系の購入を検討するものの「いや、GH3がきっと出るはずだ……」と信じ続け、挙げ句の果てに「あれ?GX1って結構いいんじゃ……」ということで思わず購入してしまった、というのがここまでの流れ。

今度は実際にムービーで見て分かるような「感心した点」を中心にレビューしていきます。

まずはフラッシュのポップアップ。こんな感じでばしゃんと飛び出します。結構勢いがあるのでびっくり。

「GX1」のフラッシュ - YouTube


次に電動ズームがどのような感じで動くのか?という点。標準レンズの場合、電源を入れるとぐいっと飛び出し、それからあとはズームイン・ズームアウトを全速力で繰り返すとわずかに外側の筒部分が動く感じで、あとは中のレンズだけが激しくにゅいんにゅいんと動いているのが分かります。

「GX1」の標準レンズを動かす - YouTube


望遠ズームレンズの場合、外側の筒部分はまったく微動だにせず、中でレンズが動くのみ。なので、見た目の威圧感はあるものの、ズームしていることを相手からは一切悟られないため、撮影する際に露骨に相手にズームインしていることを知られたくない場合には役立つかも。

「GX1」の望遠ズームレンズを動かす - YouTube


標準レンズでズームイン・ズームアウトするときにインテリジェントオートをオンにしていると、液晶モニターではこう見えます。左上に表示されている「iA」がオートの目印。引いているときから対象物に寄っていく際、寄り切って止まったところでピントをぐぐっと合わせ、それと同時にオートが自動的にマクロモードに切り替わっている点がグッド。単純にピントを合わせるだけでなく、自動的に状況を判断してさくっと切り替えてくれるので、細かく調節している時間が無いときには役立ちます。オートフォーカスの速度、ピントの合わせるまでの速度も重要ですが、こういう細かいポイントも大切です。ズーム速度自体も遅すぎず早すぎずという感じで、これ以上早ければ見ているときに忙しすぎますし、遅すぎると操作感が損なわれるため、これは適度な速度だと感じました。

「GX1」の標準レンズのオートフォーカス - YouTube


望遠ズームレンズでズームイン・ズームアウトするときにインテリジェントオートをオンにしていると、液晶モニターではこう見えます。これも同じようにしてオートからマクロへスムーズに切り替わっています。また、編集部内で撮影しているためキーボードの「カチャカチャカチャ、ターン!」という音が背景で聞こえていますが、それを差し引いても割と静かな話し声もない環境であることは分かるはずで、このような通常以下の静かな環境下では電動ズームのモーター音はほとんど聞こえません。

「GX1」の望遠ズームレンズを動かす - YouTube


最後に、実際に撮影してみたサンプル写真をいくつか掲載しておきます。よくある実写サンプルレビューはEXIFの数値がどうだの、等倍で見たときにああだのこうだのという話になりがちですが、以下のようなスタンスで写真の写り具合を評価しています。

・撮影したものをそのまま載せるわけではないのだからリサイズしたときに破綻していなければそれで良い
・基本的に手持ち撮影で、三脚は機動性の問題から滅多に使わない
・さらに歩きながらの撮影や、被写体が移動しているというケースもあり、シャッターチャンスを逃さずに撮影したい
・ピントがずばっとブレずに合うのが先決、次が色と明るさ(色や明るさはあとから補正できるが、ブレを補正するのは極めて難しいため)

なお、もとのサイズの画像を掲載すると転送量でサーバが死ぬので、クリック後の拡大画像はすべて「lanczos3」アルゴリズムでリサイズし、JPEG圧縮は80%に固定していますが、それ以外の明るさ補正やコントラスト補正、シャープ加工などは一切していません。

以下、すべて特記していない限りはインテリジェントオート+標準レンズで撮影しています。

GHシリーズのレンズを撮影、黒いものだとさすがにこの程度の判断が限界。


夜の駅の場合はこんな感じ。一般的なコンデジではぶれることの多い状況でも手持ちでこれだけ写ります。


ガラスに囲まれた待合室を撮影


電車が来たのでパシャリ。電車は適度な疾走感、ホームの人はがっちりと撮影可能。


大阪王将にて酢豚を撮影。店内の照明が赤よりの昼光色であるにもかかわらず、かなり正確にもとの色を反映。


エビチリのように元が赤い料理でもちゃんとできてます、皿の色は白く、料理は赤い。


ラー油の場合も実際にはスプーンを持つ手は小刻みに震えているわけですが、しっかり撮影できてます


レバニラ炒め、これはオート


試しにシーンモードで「料理」を選んだところ、こうなりました。鮮やかさが強調される感じ。


どういう感じでピントを合わせているのかがこのアングルだとよく理解できるのではないかと。このあたりはGX1のクセです。


餃子を焼いているところ、激しく動く部分、そうでない部分、細かい描写、そういうもろもろが適度にできています。動く瞬間を全てガッチリと撮影したいのであればプログラマブルオートとかほかのモードで対応可能。とりあえずオートで撮影して、そこからダイヤルを回すかボタン操作でサクッと数値調整というのが王道のスタイルにできそうな予感。ファンクションキーが多いため、よく使う機能をすぐに操作できる位置に割り当てればよりサクサクと調節もできそうです。


高架下と堤防と坂道と看板と青空、ともすればコントラストか何かがぶっ飛んでしまいそうな場面でも手持ちでこれだけ撮影できれば個人的には合格点、GH2でこれは無理


ちょっと薄暗いアーケードの横道も通りすがりに何気なくシャッターを切ったところ、写っていたのでびっくり。これは歩きながら撮影しており、立ち止まっているわけではありません。


梅田の地下迷宮の一部、歩きながら撮影してこれだけ可能です


これも歩きながら撮影、屋内から屋外へ出るところですが、非常にうまく撮影できています、おそるべしインテリジェントオート


これも歩きながら撮影、立ち止まらずにこれだけ撮影できるのであればかなり上等かと。


歩きながら振り返っておもむろにシャッターを切ってもこんな感じで撮影できます


阪急梅田駅のターミナル、これも特急に乗るため、歩きながら撮影したもの


お総菜屋さんにて撮影、描写力が格段にGH2より改善しています


太陽の方向へ向かって歩きながら撮影、オートの補正も及第点


側を走り抜けていく自転車を撮影、こちらは歩いていますし、向こうは走行中です。正直、これだけサクサク撮影できると、撮影スタイルをもうちょっと変えても大丈夫なのだということで、自由度がかなり出てきます。


そんなわけで、個人的にはGX1はかなり満足度が高く、GH2と比べると以下の2点が優秀です。

・コンパクトで軽い
・オートが異様なほど優秀、特にオートのホワイトバランスが露骨に改善されていてグッド

また、ISO感度を上げてもさほどざらざらにならず、ぶっちゃけISO6400ぐらいまでなら実用レベルだと感じました。逆にダメな点は「バリアングル液晶ではない」という点のみですが、これだけどの角度でも歩きながらでも撮影できる以上、とりあえずダメ元で適当にシャッターを切ってから再生画面で確認して使えるものだけ残す、というスタイルでもいいのかな、という気になります。

なお、11月25日(金)に価格.comの当時の最安値よりも安く店頭買いし、来店特価の7万4980円で購入しました。使い勝手もかなり上がっているので、「コンパクトデジカメからそろそろウワサのデジタル一眼にレベルアップしたいが、あんまりゴツいのはアレだし、できればムービーもサクサク撮影したい、できれば重くないヤツがいい、そしてできれば10万円以内」とかいう感じで、明らかに既存のカメラマニアと一線を画するほどライトな層には向いているので、オススメです。

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in レビュー,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse

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