ウェディングケーキはなぜのっぽ?フラットなケーキがない理由

by Afroswede

ウェディングケーキは2段、3段と積み重ねられているのが一般的で、バースデーケーキのように1段の物はほとんどありません。1段のケーキの方が参列者にも配りやすく、作るのも簡単なはずですが、一体なぜ積み重ねるのが慣わしとなっているのでしょうか。

2/2 はちみつと小麦のお菓子から3段重ねケーキへ ウェディングケーキ初めて物語1 [結婚式] All About

まずは近年作られたウェディングケーキを見ていきましょう。これは「奇跡」「神の祝福」という花言葉を持つ青いバラをあしらった、3段重ねのウェディングケーキ。

by Jenn Raynes

真っ白なケーキに生花を飾り付けたシンプルな物。バラの花は「純潔」を、唐草模様は上へ上へと伸びていく新郎新婦を表現しています。

by pchow98

プレゼントの箱をモチーフにした3段重ねのケーキ。一番上にはリボンが乗っています。

by camknows

黄色い大輪の花と緑色のリボンをかたどっています。

by ChaitT

一方、何段も重ねたバースデーケーキはほとんど無く、1段で完結している物がほとんど。これはポールさんという21歳の青年の誕生日を祝福するケーキで、アラザンを使って彼が好きなギターを描いています。

by dj_betty

「HAPPY BIRTHDAY!」の文字や花の飾りをマジパンで作って乗せているバースデーケーキ

by freakgirl

シンプルなブラウニーにキャンドルをたくさん立てて、にぎやかなお祝いを演出。

by Will Clayton

ウェディングケーキをなぜ高く作るのかという理由は、紀元前4000年後半にまでさかのぼります。高い丘に神を祀る習慣があったこの時代、バビロニア王国にはかの有名なバベルの塔(バビロンの塔)が建てられました。人々は天上への憧れを高い塔に託し、この思想がウエデイングケーキにも引き継がれていると言われています。

フランスでは大型の背の高いお菓子のことをピエスモンテといいます。フランス料理や菓子に大きな影響を与え、ナポレオンの宴会料理をも担当したアントナン・カレームは、優れた建造物や美術品を参考に、さまざまなピエスモンテを考案しました。これは結婚式はもちろん、宗教上のセレモニーなどに使われました。

これは現代に作られた、マカロンで作りあげられたピエスモンテ。本来、結婚式で用いられたピエスモンテは、ビスケットのような焼き菓子を参列者が持ち寄って積み上げて作っていました。現在ではその「高く積み上げる」という部分だけが残りました。

C'est tres bon ! : マカロンのピエスモンテ☆



フランスでは、ピエスモンテの一つで下記写真にもある「クロカンブッシュ」が、結婚式に欠かせないケーキとなっています。これは小さなシューを高く積み上げて、飴をかけて固めたもの。新郎新婦は披露宴の席で、列席者と一緒にシューを外して食べます。

クロカンブッシュ - J'adore la France - Yahoo!ブログ



バブル全盛期には、女性が結婚相手の男性の求める条件として「三高(高学歴、高収入、高身長)」というのがありました。ここ最近はそういった条件が「婚活」の席で叫ばれることは少ないですが、せめて結婚式の席では「高いウェディングケーキ」を作って、足りない「高」を補うのもよさそうです。

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