地元有名菓子店とTYPE-MOONの意外すぎるコラボが生んだ「くりーみぃ金時」特装パッケージ版
今回で7度目を迎えた「マチ★アソビ vol.7」は地方のアニメイベントとしては異例とも言える規模にまで成長していますが、その勢いはアニメ・ゲームとこれまで縁のなかった地元の老舗菓子店まで突き動かし、徳島銘菓として有名な「金長まんじゅう」が意外な展開を見せました。
美麗なグラフィックとシナリオの完成度で数多くのファンを有し、現在放送中のアニメ「Fate/Zero」の原作ゲームも制作しているアダルトゲームブランド「TYPE-MOON」とのコラボレーション企画として、パッケージに大々的に描き下ろしイラストをあしらったハレルヤの「くりーみぃ金時」を、「マチ★アソビ vol.7」会期中(~10月10日まで)のみ限定発売しています。
マチアソビ コラボ企画「徳島銘菓『金長まんじゅう』」販売のお知らせ 金長まんじゅう、焼き芋菓子、徳島銘菓の販売|株式会社ハレルヤ
TYPE-MOONと地元の老舗菓子店・ハレルヤがコラボレーションして生まれた「くりーみぃ金時」(税込1000円)。
手にしているのはこの箱の中に入っている「くりーみぃ金時」をそのまま描いたもの。
描き下ろしで、かつこのコラボ専用のイラストがぜいたくに使われたこのパッケージだけを見ると、いわゆる「まちおこし」のために町の小さなお菓子屋さんがアニメパッケージのイラストを採用したかのようにも見えてしまいますが、「くりーみぃ金時」はハレルヤが明治2年から販売している歴史ある「金長まんじゅう」シリーズの1つで、もともと長く売られていた商品。
「金長まんじゅう」はこのコラボ以前から徳島の名物として知られるもので、他県の名物に例えるなら静岡・浜松市の名物「うなぎパイ」くらいの歴史と知名度のある存在と言ってもいいかもしれません。
パッケージの側面は一見するとシンプルですが……
TYPE-MOONと「金長まんじゅう」のロゴが並んでいます。おそらく「マチ★アソビ」がなければ一生関わり合うことのなかった2社のロゴが並んでいるのはなかなか感慨深いものがあります。ちなみに「金鳥まんじゅう」の名前の由来は、江戸時代に徳島(当時は阿波の国)で起こったとされる阿波狸合戦の軸となった、染め物屋の主人に与えられた恩義に報いようとする殊勝なたぬき・金長から取られています。
原材料名はこちら。あんの部分に使われている「さつまいも」は、徳島県鳴門市で主に生産されている鳴門金時が使われています。バターや加糖練乳など、洋菓子に使われていそうな材料も。
イラストが印刷された包み紙を取ると、中の箱はかなりシンプルでした。
側面には会社の名前。
中には「くりーみぃ金時」が6つ。
そして描き下ろしイラストを使ったポストカードも入っています。包み紙は上質ではあるものの薄手の紙で作られているので、描き下ろしイラストを保存したい人にとってはこのポストカードは重宝しそう。
同社の人気キャラをデフォルメしたネコアルクが切手の部分に顔を出しています。
そして下の両サイドのスミには各社のロゴ。
「くりーみぃ金時」本体は1つずつ和紙の袋で包装されています。
なると金時は濃厚な甘みが特徴の品種ということで、それを使ったあんの味に期待が高まります。
袋から取り出してみると、ふっくらした薄皮に包まれていながら、意外にどっしりとした確かな重みのあるおまんじゅうが顔を出しました。
中のあんにはふんだんになると金時を使っているようで、口当たりはほくほく。うすく口溶けのよい皮との相性がばつぐんなのは、練乳やバターによって加えられた乳製品の甘みやコクが両者の橋渡しをしているからかもしれません。熱い緑茶はもちろん、紅茶やハーブティーと一緒に食べてもよさそうな味わいでした。「マチ★アソビ」とのコラボをしなくても十分地元では知名度を持っている菓子店が、こうしてTYPE-MOONとのコラボパッケージをリリースするということが、徳島という土地に「マチ★アソビ」が確実に浸透しつつある証拠と言えそうです。
2011年10月10日21:06追記
TYPE-MOONとのコラボパッケージの「くりーみぃ金時」は、3000個を2日間でほぼ売り切って、3日目には瞬殺状態だったということです。限定パッケージであるとはいえ、ここまでの売れ行きを見せるアニメコラボ商品はなかなかありません。
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