UQ WiMAXが光ファイバーを上回るWiMAX 2の実力や展望を明らかに


先日お伝えした通り、いよいよ本日UQ WiMAXが下り最大330Mbps、上り最大112Mbpsを実現する次世代通信規格「WiMAX 2」のフィールドテストを世界で初めて行います。

一般的な光ファイバーを圧倒する速度と、他社と異なり、高速データ通信サービスにおいて唯一帯域制限を課していないことに見られるように、WiMAXは大容量通信を強みとしていることから、固定回線を置き換えるものとなるポテンシャルを秘めた「WiMAX 2」ですが、今後の展望が発表会で明かされました。

UQコミュニケーションズの野坂社長


本日の発表内容


これまでのWiMAXの歩み。商用サービス開始から2年足らずで100万契約を突破。基地局数も1万5000局を突破しています。


2011年度末目標は200万契約


今後は成田エクスプレスに続いて地下鉄や地下街でも順次エリア化。地下鉄のトンネル内でも利用できるようになるため、既存の通信サービスを圧倒する利便性を実現できることになります。


WiMAXデバイスは外付けから内蔵、パソコンだけでなくパソコン以外のデバイスにも拡大。


最大8時間駆動モデルなどもラインナップされたモバイルWiMAXルーター「WiMAX SPEED Wi-Fi」と業界最安の月額3880円で利用できる「UQ Flat」が原動力になります。


「家も外も、これひとつ」が合言葉。イー・モバイルやソフトバンクモバイルが提供する「DC-HSDPA」サービスやNTTドコモの「Xi」と比較してもフィールドの速度が速いのが強み。


帯域制限が無いため、他社と異なり、本当の意味で固定回線とスマートフォンなどのパケット通信をまとめることができるのも強みです。


面倒な配線、設定、工事なども不要。さらに安価で高速、全国で利用できるサービスへと成長しているのが「UQ WiMAX」。


サービス開始に当たって総務省から通信事業者だけでなく、さまざまな業種が参入できる「MVNOモデル」を導入することを要請されましたが、すでに家電量販店やISP、通信事業者など、幅広い業種が参入しています。


従来の携帯電話会社がネットワーク、プラットフォーム、コンテンツなどを一括して提供する垂直統合モデルを採用しているのに対して、WiMAXはマルチデバイス、マルチコンテンツのオープンなビジネスを展開。


今後データ通信サービスにおいて懸念されているのがトラフィックの増大。パソコンの月間通信量は2015年に10GBにのぼるとみられています。


WiMAX 2の導入目的は容量の増加と電波利用効率の向上、そして超高速サービスの実現、そして屋外からの超高速ストリーミング放送といった新サービスの導入が挙げられます。


WiMAX 2の高速通信。なお、今回フィールドテストを実施するのは、総務省から実験用基地局免許を与えられた、20MHzを利用した下り最大165Mbps、上り最大55Mbpsのシステムです。


増大する通信量への対応として重要なのが「容量を増加させること」ですが、基本的にモバイル通信ではその解決策は3パターンしかありません。そしてWiMAX 2は電波の利用効率を向上させるや連続した周波数帯を採用することで、容量の増加につなげる…という技術。


容量を増加させるために基地局を高密度に配置した場合、基地局同士の干渉が発生し、品質が劣化するという問題点があります。


WiMAX 2はWiMAXとの後方互換を完全に維持しており、併用することでネットワーク容量を増加させることが可能。もちろん既存端末でWiMAX 2基地局にも接続でき、WiMAX 2端末でWiMAX基地局にも接続できます。


今後の普及見通し。単独の通信端末としてではなく、パソコンやモバイル機器に内蔵という形が主流になるとされています。


WiMAX 2で実現できる世界。HD映像をリアルタイムでストリーミングできます。


料金は未定ですが、従来のWiMAXよりは上がる見通し。デバイス別の課金方法も検討されており、従来の定額制課金はもちろん、別途従量制課金を導入することなども検討されています。


WiMAX 2により、光ファイバー並みの速度を持ち歩くことができる「光ワイヤレス」が実現されます。


基地局装置


現在開発中のデバイス


導入スケジュールはこんな感じ。2012年サービス開始を予定しており、同年初頭には商用モデルのサンプルが開発される見込み。


今回行われるフィールドテストの概要


なお、明日はWiMAX 2のワークショップが開催されます。


マレーシアの大手企業、YTLとWiMAX 2の協力協定を締結することも決定しています。


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今回のリリース内容はこちら。

世界初 WiMAX 2 フィールドテストの実施について
-モバイル環境で100Mbps無線通信を達成-

UQコミュニケーションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 野坂章雄、以下UQ)は、東京都千代田区大手町周辺において、WiMAX通信機器製造で実績のあるサムスン電子株式会社(韓国)の協力のもと、世界で初めてWiMAX 2方式のフィールドテストを実施し、モバイル環境において下り速度100Mbpsを超える無線通信に成功いたしましたのでお知らせいたします。

WiMAX Forum 標準規格 WiMAX Release 2 (WiMAX 2)は、現在サービスを提供しているWiMAX の技術をさらに高度化したものです。本年3月に、IEEE(米国電気電子学会)において IEEE802.16m として標準化が完了し、5月にWiMAX Forum で標準化を完了しております。また、将来の移動体無線伝送方式 IMT-Advanced として、IEEE並びに日本国からITU(国際電気通信連合)に提案しており、来年に勧告承認の予定です。標準化と実用化に向けたシステム開発が並行して大きく進展しております。

2010年10月の CEATEC会場においてUQが実施した有線接続環境でのWiMAX 2動態デモでは、40MHz帯域幅を利用し、下り速度300Mbpsを超えるデータ通信に成功しておりました。本年5月に、UQは2.6GHz帯の電波を利用する実験試験局の免許を取得し、このたび、東京都千代田区大手町周辺で、モバイル環境でのWiMAX 2フィールドテストを20MHz帯域幅の電波を利用して実施し、下り速度100Mbpsを超える無線通信に成功いたしました。

今回の実験試験局を利用したWiMAX 2のシステム性能評価試験は、引き続き都心の屋外環境での大容量伝送速度やパフォーマンス評価(伝搬測定、モビリティ性能等)を実施してまいります。

UQでは、今回のフィールドテストを含む検証試験の成果を用い、2013年早期のWiMAX 2の実用化に向けて引き続き検証を進めてまいります。

UQ WiMAX で切り開いた「いつでもどこでも高速インターネット」の世界をWiMAX 2 でさらに充実させてまいります。


同日にUQ WiMAXのCMキャラクターであるブルーガチャムクのプロフィールも公開されました。

青龍大陸出身で両腕に6つの宝玉、ブルーガチャムク驚愕のプロフィール公開



そしてWiMAX 2の実力がフィールドテストで判明。移動中でも100Mbps程度の高速通信を実現しています。

WiMAX 2の実力がフィールドテストで判明、まさに光ファイバーを持ち歩く速度に



UQ WiMAXの発表会に本家ガチャピン&ムック登場、ブルーガチャムクも



超高速の「WiMAX 2」に対応した端末やWiMAXの活用例などが公開される


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in Posted by darkhorse_log

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