珍しく父親も育児参加、生後4カ月の娘にメロメロなロシアのクマ
ヒグマのオスは繁殖期を過ぎるとふらりとどこかへ消えてしまい生涯自分の子どもとかかわることがないというのが通常で、出産と子育てはメスが単独で行い、大人のオスが子グマを連れたメスに出会うと、そのメスと繁殖する目的や、エサとする目的で子グマを殺してしまうこともあります。
しかし、動物園で飼育される場合は事情が異なるのか、ロシア東部のプリモルスキー動物園で飼育される14歳のオスBaluは、生後4カ月になる子グマのDivaを目に入れても痛くないほどかわいがり、飼育員や来園者たちを驚かせています。
写真は以下から。From Russia with love: The doting father bear who can't help cuddling his cub | Mail Online
「お父さん、抱っこ」というように近づいてくる生後4カ月のDiva。
BaluはDivaを抱え上げ、顔をすり寄せます。
写真を撮影したElena Aseidulina園長(34歳)によると、「クマのオスはまったく子どもとかかわることなく子育てはメスにまかせっきり」という自然界のルールに反し、Baluは子グマのDivaを抱っこして遊ぶだけでなく、園内のプールで泳ぎ方を教えるなど、かなり積極的に子育てに参加し、来園者や飼育員たちを驚かせたそうです。父の熱血水泳教室で水に沈められたDivaは助けを求めるかのように母グマのMashaの方を仰ぎ見たそうですが、MashaはBaluをすっかり信頼しきっていて余裕の表情を見せたとのこと。BaluはDivaが水面下で耐えられる時間を本能的に知っているのか、しばらくバシャバシャすると水から抱え上げるという繰り返しで、レッスンは安全に行われました。
Divaのおなかに「ブーッ」と息を吹きかけて遊ぶBalu。
MashaがDivaにミルクを飲ませている間は、BaluはDivaと遊ぶ順番をじっと待つかのように近くで見守り、時には「早く僕にも遊ばせて」とMashaをせかすかのようなしぐさを見せることもあったとのことです。
Divaを抱っこしながらBalu(左)がMasha(右)の頭をなでなでする様子。「そろそろわたしの番」というMashaに「もうちょっと待って」とでも言っているのでしょうか?
BaluとMashaは2002年に密猟者に狩られようとしていたところを軍に救出され、プリモルスキー動物園へやってきたそうです。環境の変化にもうまく適応し、夫婦仲も子育ても順調のようで、今ではすっかり動物園名物の人気者となっています。
「Baluは本当に父親のかがみです。こんな風に親子で遊んでいる姿には、いつも息をのんで見入ってしまいます。動物もわたしたちと同じように感情を持っていると気付かされる瞬間です」とAseidulina園長は語っています。
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