「もう何も怖くない」、末期ガンの女性が銀行強盗を撃退
銀行強盗が押し入ってきたところ、居合わせた客の女性が強盗に突進して見事に撃退してしまいました。
武器を持った強盗にタックルしたという勇気ある女性いわく「自分は末期ガンだからもう何も怖いものはなかったの」ということで、命が惜しくないと思った人の行動力と正義感が強盗逮捕につながったということのようです。
事の顛末は以下から。Woman, 66, tackles robber, credits her cancer for giving her bravery - South Florida Sun-Sentinel.com
カリフォルニア州・オークランドの銀行で白昼堂々犯行に及んだ強盗にタックルをくらわせ、見事逮捕に協力した女性が現れました。
現場となった「Bank of America」の支店。
今回大捕物を演じたHelen Dunsfordさん(66歳)は電話取材に応じたものの、「FBIから、あなたがた新聞社の方に何も話さないように言われています。真実は警察から発表されるはずなので、それを待ってください」と発言し、「事件後、体調を崩されたりしていませんか?」という問いには「はい、特に問題ないです。ありがとう」と返答しました。
保安官のスポークスマン・Mike Jachlesさんは、女性になぜ強盗にタックルしたのかという理由について尋ね、「彼女は自身が末期ガンに冒されていることを明かして、そのためもう失う物は何もなく、目の前の悪人が逃げおおせるのを許せなかったのだと語っていました」と伝えました。
「強盗に果敢に立ち向かう市民」というのはかっこよく見えますが、FBIのMichael Leverock特別捜査官は、強盗に出くわした時には、たとえ正義感からの行動であっても立ち向かったりせず、目撃者として多くの証言を提供することが一番の活躍だとコメントしています。しかしながら、今回の女性の活躍に対してはFBI当局も「献身的で勇敢な行動」として称賛しています。
容疑者はお昼前のBank of Americaに押し入り、ある女性客が自分の財布に手をかけた瞬間、店内のすべての人に対して床に伏せるよう脅し、金を出せと要求しました。事件当時、ちょうど窓口に並んでいたPat Kaveneyさんの証言によると、犯人の女は最初男性を伴って入店してきたものの、連れの男性はすぐに退店し、女が単独で犯行に及んだとのこと。それから犯人は窓口に向かって銃をつきつけて、1万ドル(約84万円)を要求しました。
すると、即座にDunsfordさんは犯人に突進し、がばっと抱きつくようにして床に押さえつけ、「私はガンに冒されているの!殺したいなら、私を殺しなさい!」と叫び、その結果犯人は逮捕されるに至ったということです。
別の事件で取り上げられた際に撮影されたDunsfordさんの近影。
Renee Lee Green容疑者(32歳)の身元はFBIによって明らかにされ、Broward刑務所に拘留されました。奇妙なことに、最初容疑者と一緒に銀行に入ってきた男は現場に戻ってきて、何事かと集まってきた群衆に向かって、車の中から「彼女は精神に問題を抱えている」と叫び散らしていたということです。
ちなみに犯人逮捕に大活躍したDunsfordさんが新聞に取り上げられたのは今回が初めてではなく、フォートローダーデールにある彼女の別荘の庭に所狭しと置かれている所有物を市が撤去しようとしたことに抗議し、その際もDunsfordさんは「所有物を守るためなら死ねる」と発言して、市側をけん制しました。しかし結果的にそれらの所有物は撤去されていったとのこと。
騒動が起こった当時に撮影された現場の様子。確かに庭に途方もないほどの家財があったことが、トラックの荷台を見ると分かります。
ガンにかかっているということが彼女にかえって度胸を与えているようですが、あまりそれを盾に無茶をすることなく治療に専念してほしいところです。
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