運動や性行為の後に心臓発作のリスクが高まることが明らかに
ある研究によると、運動や性行為をした後に心臓発作を起こすリスクが高まることが明らかになったということです。
こう聞くとそれらの活動を避けたくなりますが、それはかえって逆効果で、研究者たちは座りっぱなしでいるよりも適度に定期的な運動をするべきだと勧めています。
運動や性行為が心臓発作の起こる確率に与える影響などは以下から。Heart-attack risk spikes after sex, exercise - CNN.com
運動やセックスをした直後から数時間以内に心臓発作のリスクは上昇し、そのリスクは3倍になるという研究結果が、「the Journal of the American Medical Association」誌上で発表されました。
心臓発作のリスクが3倍に増えると聞くと確かに恐ろしく感じますが、運動やセックスの後に心臓発作を起こす可能性は非常に低いといって構わない数値。安静にした状態で心臓発作を起こす確率は100万分の1で、それが3倍になったとしても100万分の3というかなり低い確率です。そのため、心臓病にかかっている人がセックスを避ける必要もなければ、まして運動をきっぱりやめる必要はありません。
「当然のことながら、今回の発見に対して、運動や性行為が危険で有害であるという見方をするべきではありません。運動や性行為が心臓発作のリスクに与える影響は小さいものです」と、この研究の著者でもあり、ボストン・マサチューセッツにあるTufts医療センターで臨床研究を行っているIssa Dahabreh医学博士はこう警告します。
今回の研究では、被験者が1~2時間ほど行った活動が、安静にしている状態に比べてどれくらい心臓発作のリスクを高めるか検証されました。研究の結果、運動をした数時間後には、心臓発作の危険は平常時と比較して約3.5倍、また心停止による急死のリスクは5倍に増加していました。また、性行為を行ってから2時間以内では、心臓発作のリスクが約2.7倍になっていました。しかし、実験中に運動を定期的に行っていた被験者に関しては、心臓発作や心停止のリスクが30~45%減少したということなので、適度な運動はリスク低下に役立つようです。
これまでも、さまざまな研究によって、性行為を含む身体活動が心臓発作や心停止の引き金となることを示唆してきましたが、そのリスクの度合いについてはよく分かっていませんでした。研究の過程で推定値が判明した後、Dahabreh博士と論文の共同執筆者は、1980年代にまでさかのぼって、14の類似研究のデータを再分析し、より正確な結果を導きだそうとしました。
「運動や性行為が心臓発作の確率を高める」という結果だけを見たら、日ごろ座りっぱなしで過ごしていて、やせたいと思っているような人たちは特に「心臓に悪いから運動はやめておこう」と思うかもしれません。しかし、Dahabreh博士は運動やセックスの後に心臓発作が起こる確率は非常に低いことを強調し、普段運動しない人は、心臓にかけるストレスを減らすために、なるべく体を動かすように生活習慣を改善するべきだと語っています。Dahabreh博士だけでなく、米国心臓病協会も同様に適度な運動を推奨しています。
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