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「状況はシビアアクシデント(過酷事故)相当と考える」、20時台の東京電力会見内容まとめ


原子力安全・保安院の会見と平行して、東京電力による会見も実施されました。

現在の福島第一原発の状態は、高圧および低圧注水が失敗しさらに電源喪失などを想定した「シビアアクシデント(過酷事故)」に相当すると考えられ、これを踏まえてのマネジメントが行われている模様です。

会見内容は以下から。
東京電力:
現在の福島第一原発の状態は過酷な状況、シビアアクシデントに相当する。これを踏まえて、現状能力をフル活用することで事故の影響防止を図るマネジメントを行っている。福島第一の対応においては、格納容器のベント、海水注入などしているが、アクシデントマネジメントに対する検討結果を踏まえたもの。燃料喪失後に格納容器破損なども含めた対応で、ドライウェル圧力などの情報に基づいて過酷な事故を抑えるための努力を行っている。

ヘリによる散水の効果について、使用済み燃料をフルに冷やすためには散水や放水などできる方策を波状的に実施する必要がある。今後も協力たまわりながら実施していきたい。散水そのものは当初から国にお願いしていたもので、散水による線量変化は9:30で3786μSv/h(マイクロシーベルト毎時)、10:30には3500μSv/hに減少している。1号機~3号機は消火系(?)ラインを通じた注水を継続中、数値は不明。3月17日0時ごろに2号のドライウェル圧力が低下した件は、破損はしていないと考えるが、正確性を含め調査を行いたい。


プール温度変化は、現在測定できているのは5号機と6号機のみ。残りは測定できていない。福島第一原発の4号機は建屋損壊後、測定できていない。地上からの放水時刻は19時5分すぎから。放水関係の水源や放水量についてだが、海水を放水している。毎分2900リットルの放水能力で、海水をピットに汲み上げるためにポンプ車を入れるが、放水は1台で行う。免震重要棟の線量は18:55現在で110μSv/h。作業車の実行線量は、プラント付近で作業する際に測定しているが、現時点では把握していない。

本日の電源供給工事の作業時間は現在も作業を続けているが、時間はどれぐらいになるかはわからない。

(昨日の東電本店と福島第一原発との通信線切断について)17:20ごろから通信遮断となり、翌00:30ごろに通信のみ復帰、05:30に映像回線が復帰。その間は衛星電話で連絡手段を確保した。切替については、常設の衛星携帯電話を連絡手段にするよう速やかに連絡。遮断の原因は17:20ごろ、送電線復旧作業中に福島第一原発から外に出た一本目の送電鉄塔付近で作業中に、アース線内の光ファイバーを切断。鉄塔は倒壊の危険性があるため、そこから(通信線を?)外す作業中に誤って切断した。

記者:
4号機のプール内に水が残っているのを確認したのは何時?

東電:
昨日16時ごろ。

記者:
それは写真で確認したのか?

東電:
これは用意した。現在刷り増し中。

記者:
今日の散水の効果について、これは効果があったのか、どういう評価をしているのか?

東電:
今後も引き続き継続的・波状的に実施する必要があるが、線量の数値をみると効果があったとみている。

記者:
午後は4100(μSv/h)台とか高くなっているようだが?

東電:
場所によってそれぞれというところもあるが、このへんは精査をしたい。

記者:
さっき下がったと言っていたところが午後に4100になっていたわけだが。

東電:
9時30分と10時30分で比べると下がったが、有意な変化だったというとばらつきの範囲というか、大きな変動はなかった。午後も本館北をみると若干の上昇と、その後、午前と同じ数値になっている。絶対値は高いが、大きな変動があるという状態ではないのではないかとみている。

記者:
それでも一定の効果があったと言えるのか?

東電:
散水に関しては使用済み燃料プール内の冷却を確保することを主目的としている。本日の散水は午前中と夕方以降に行ったが、散水の量との関連もあるが、具体的な評価は今後になると考える。午前中の散水ではプールと思われる場所に散水した後、3号機の原子炉建屋5階から水蒸気が建屋から建ち上がる状態が見えたと考えている。それは散水によって冷却効果、どの程度かという話はあるが、効果があったと考える

記者:
散水が確実にプール内に入ったと確認しているのか?

東電:
そこまでではないが、散水の後、プール近傍から白い煙がそれほど多くはないが立ち上がったのではないかという状況を確認している。

記者:
散水量が1/3という情報もあるが?

東電:
これは確認しないと分からない。今後必要な量の散水・放水を行う。

記者:
用意していた量の1/3ぐらいしか入っていないのではないか、という話だ。

東電:
これはわからない。

記者:
熱を抑えるためにどのくらいの量の水が入ったら効果があると考えるか?

東電:
3号機の使用済み燃料プールについては今現在、どの程度の冷却水が入っているのかはっきり把握できているのか分からない。散水と放水後の状況を踏まえて考える。

記者:
一日の発熱量を計算すると50t必要ではないかという声があり、それをふまえて伺っているが?

東電:
発熱量想定については改めて考えさせて下さい。発熱量と、あとは散水・放水がどの程度確度を持ってプールに入っていくかの兼ね合いになると思う。

記者:
警視庁が中断したという件については?

東電:
あとで説明する。

記者:
自衛隊の放水能力はどれぐらい?

東電:
情報が入る中で説明したい。

記者:
夜の放水をしているが真っ暗な中での放水でプールに届くものなのか?

東電:
事前に建物構造といったものは打ち合わせしていると認識している。

記者:
電源復旧状況について詳しい説明を。あとどういうステップが必要なのか?

東電:
実施中の高圧放水車による放水が完了した時点で現場の放射線量を測定し、その後に現場片付けを実施、その後に作業エリア問題がなければ本日電源復旧作業に掛かる。

記者:
場所さえあれば復旧作業に入れるのか

東電:
流れの中で全てがまだ集まっているわけではないが、本日実施する作業の機材は揃っているので。材料についても手配が終了している。

記者:
本日の作業が終わっても電源は復旧しない?

東電:
外部の電源を使えるようにはなるが、施設内で使えるようにはならない。

記者:
各施設へのリレーですか?

東電:
本日は電源の取り合い場所からプラント直近までリレー版接続までの設置が終了する予定です。現場の予定で前後するとは思うが、そこまでを実施する予定。

記者:
以前の会見で、電源車を用意したが受電設備がダメだったと聞いた。高圧線など持ってきても受電がダメだと意味がないのではないかと思うが?

東電:
受電設備を仮設し、個々の設備に繋ぐ工事をする。

記者:
今日復旧するんですか?電気は来るが設備には来ないのか?

東電:
今日完成させる予定。

記者:
構内に電気が来るというのは確かか?

東電:
本日から明日にかかるかもしれないが、現場の線量測定等を確認して、計画通り行くかどうかはその状況確認が必要。

記者:
実際に使われるレベルになるのは明日ということか?

東電:
各設備のつなぎ込みは明日以降の工事になると思います。電源が準備できて、それからつなぎ込みがはじまるので、そのタイミングは進捗によって変わる。現時点では明日以降、できるだけ早くということ。

記者:
今、(作業は)どこまで終わったのか?

東電:
本日は電源があるので、その末端から復旧する1号機~4号機の電源に向かって引っ張るルートを確定し、そこまでつなぐ。これは1号機~4号機に供給するための電源。

記者:
放水は建屋からどれぐらい離れたところからやっているのか?2号機と3号機の間と言うことだが?

東電:
再度確認したいが、かなり接近して実施している状況。

記者:
大体どれぐらいですか?

東電:
確認したい。

記者:
放射線量はどれぐらいですか?

東電:
あわせて確認したい。

記者:
設備に繋ぐ作業は相当近づくことになると思うが?

東電:
できるだけ線量の低い部分に、健全性を確認して、作業の流れは実際の現場状況を100%把握していないので、検討しつつ進めることになる。

記者:
2号機からまずつなぐという話があるが?

東電:
2号機からだと聞いてる

記者:
2号機の底がまだ海水に浸っていなくて生きているからということか?

東電:
2号機については比較的電気設備の損傷が低いという調査結果があるので、確実につなげる2号機から。建屋も健全なので復旧できる可能性が高いと言うこと。

記者:
電源が繋がったとき、何が動くのか?冷却ポンプは壊れているから使えないはず。ECCS(緊急炉心冷却装置)が動くとも思えないが。

東電:
設備についてはポンプ関係、それから系統を動かすバルブなど、計装関係の機器、それをまず動かせるようにする。また海水関係、重要な設備としてSLC、CRDのポンプ、駆動系から原子炉内に水を注入できるのでそのあたり。海水系はポンプの健全性確認など、必要であればポンプの手配など、給水に関わる部分を進めていくように検討していく。

記者:
ポンプは海水がかかっているので機能しないのでは?

東電:
何が壊れているのかの確認の必要がある。モーターの健全性確認が必要かと思う。動かせる物、難しいものを切り分け、適切に作業する。

東電:
現段階では状況は大きく変わっていない、原子炉内の注水を実施している状況。これを早く良い方向に進めるために、電源復旧、冷却系統を動かすことが重要。冷却を目指して作業を進める。

記者:
外部電源供給前にポンプが動くかどうかは分かるのか?

東電:
確認は取れていないと思うが、大丈夫であろうという設備を選び出している。

記者:
2号機が一番動かしやすい、損傷が少ないと見られているということか?

東電:
実際には電気系統が健全であるということが、試験をしてある程度確認が取れている。健全であろうという状況である可能性が比較的高い。

記者:
最新の復旧開始予定時間は?

東電:
放水の終了状況の確認、現場確認がまだ届いていないので、確認でき次第。

記者:
放水作業だが、テレビではなかなか放水できず夜までできなかったようだが、線量が高かったのか?

東電:
現場は線量が高く、その段取り二時間が掛かったようだ。到着してからいろいろな打ち合わせが実施されていたようだ。

記者:
復旧後、燃料プールにはつなげたりするのか?

東電:
使用済み燃料プールの設備もあるので、そちらもつなげることになると思うが、優先は原子炉まわり。

東電:
電源としては1号機2号機が共通の分電盤、3号機、4号機は個別の分電盤で考えていると聞いている。1号機2号機はプラントが比較的小さいので共通、3号機4号機は個別に設置する予定。

記者:
2号機は壊れる度合いが低いということだが、海側からは煙が確認できるが?

東電:
直接確認は取れていないが、海側の穴はブローアウトパネル。あれが煙が出ているが、上空で消滅しているようなので、ほかと同様、燃料プールから出ている水蒸気ではないかと考える。

記者:
すると2号機でも燃料プールから水蒸気が出ている可能性がある?

東電:
可能性はある。

記者:
水蒸気が出るということは、温度がかなり高いということか。

東電:
水蒸気が出るということは水があるのかなということなので、早く水を投入したいと考えている。

記者:
(2号機の煙は)昨日から出ていると思うが、昨日からずっと沸騰しているのか?

東電:
沸騰なのか沸騰寸前の高温状態なのかは不明。

記者:
(白煙は)圧力抑制室から漏れている煙ではなくプールの水蒸気だという認識?

東電:
その通りです。

記者:
5号機6号機のプール温度は変化は出ていないのか?

東電:
最新のデータは17:00時点、5号機が64.5℃(12時64.2℃)、6号機が64℃(4時61℃、12時62.5℃)。

記者:
放水作業終了時刻と開始までに時間が掛かった理由を。

東電:
整理して後ほどご説明する。

記者:
作業は1台ずつ交替か?

東電:
整理して後ほど確認を取る。

記者:
61℃から64℃に上がっていて問題がないと認識している理由は?

東電:
これについては今からデータをお見せする。

記者:
3号機の燃料プールに上から水をかけるわけだが、水蒸気が上がっているというが中の温度は測れないわけですよね。何をもって効果があったかなかったか判断できるんですか?判断できないからやりつづけるのではないのか?

東電:
まだ水の量がそれほど入っているわけではないと思うので、もう少し入って水の温度が落ちれば水蒸気が減り、冷たい水で満水になれば水蒸気がほとんど無くなると思う。

記者:
(水蒸気が)出なくなれば目的達成ということか。

東電:
規定では(使用済み燃料プールの水温は)50度以下だが、温度が測れる状態ではないので、大きな水蒸気が出ないということで効果があったと判断したい。やめると数日間でまた崩壊熱で加熱されるので、定期的にどの程度の量を入れるか計算することになる。電源復旧で水を入れられる状況になれば放水は必要なくなると思う。。

記者:
電源復旧、つなぎ込み作業の日程予定は1日程度で終わると想定?

東電:
今日はつなぎ込みまで行くという予定で出発しているが、線量と放水予定とで中断になった時間もある。そこまで想定してもつなぎ込みまでいけるだろうということでスタートしている。

記者:
3号機燃料プールは15mぐらい深さがあると思うが、線量が出ている状態でプールを埋めるのは相当量の注水が必要だと思うが、期待して良いのか。

東電:
我々も期待して鋭意頑張っているところ。現在その他の方法、電源復旧を進めているが、現時点で合理的にやれるのがこれ(ヘリと地上からの放水)なので、コレを一生懸命頑張る。

記者:
放水の副次効果として線量低下もあるのか。

東電:
放水によって(放射性物質を)拡散させる、建屋の中のものを出してしまうことも考えられる。

記者:
北澤(防衛)大臣からは「今日が限度」という言葉もあったが?

東電:
プールの中の状況は想像でしかないが、水蒸気も上がっているのでできるだけ早めにと考える。リミット自体はないと考える。

記者:
4号機のプールの写真はこのあと配られると思うが、これは昨日撮ったものか。今日も何度か上空を飛んでいるが、今日4号機はどうだったのか、3号機をあれだけ狙って落としているわけで、水蒸気の中に現状が見えると思うのだが、その報告は全然入っていないのか。

東電:
入っていない。水蒸気が出ていると水面が見えづらいのかなと思う。4号機は横から見たときに水面が見えたということ。写真では分からないところもあるので(その情報に)信憑性があると思っている。
なお、関係あるかないかわからないが、福島原発の使用済み燃料保管期間の目安は19ヶ月。

2011/03/18 0:29
0時ごろから始まった東京電力の会見の内容(一部)を追加しました。

東京電力:
ご質問いただいていた内容のうち、プールに入っている燃料の発熱量については明日改めて計算してお伝えする。放水車から建屋までの距離は10m、放水回数は延べ6回。3号使用済み燃料プールに入ったと想定される放水量も、定量的には把握できかねる。現時点で水蒸気が少なくなることも目視で確認しており、効果があったものと考える。作業が遅くなった理由は準備作業に時間を要し、慎重を期したのではないかと聞いている。電源回復作業は準備作業を開始したところと聞いている。具体的な開始時間には未定。

電源供給については早急に復旧したいと考えており、明朝また明るくなってから放水が行われると聞いているので、明るくなるまでと、放水終了後の作業になると思うが、なる早で行う。

記者:
放水は何時から?

東電:
検討しているが時間は確認できていません。

記者:
白煙が上がらなくなったら近づくということ?

東電:
放水してそれまで白煙が上がっていた状態が上がらなくなったら一定の冷却が得られたものと考えられます。

記者:
作業員が近づけないというのは水蒸気爆発の可能性などもあるからということですよね?

東電:
今の時点で新たに水蒸気爆発を引き起こすような水素の発生などのリスクは恐れていないが、今後も注視する必要があるとは思う。

記者:
放水したことで新たな不具合は起きていないのか?

東電:
特にこれまでのところは聞いていない。

記者:
見込みとして明日の放水後、大事な作業は何時ごろの見通しか?

東電:
明確にはお答えできないが、明るくなるまでの夜間に準備作業として瓦礫除去作業を進めていると聞いている。その後、作業環境を確認して実際の作業に入るが、1号機と2号機、3号機用、4号機用と3つの配電盤を設置するが、そのうち道路延長が1kmぐらいあるがそれを夜間にやって、明日放水後に3号機4号機と作業が流れていくものと考える。明日中には少なくとも分電盤工事までは終えられるのではないかと考えている。

記者:
2kmぐらいと聞いたが?

東電:
1.5kmぐらいが正しい数字と言うことです。

記者:
建屋までか?ブレーカーのところまで?

東電:
1、2号機用の取り合いのブレーカーまでがだいたい1.5kmということになります。

記者:
準備作業に留まった理由は?

東電:
作業が終わり次第現場確認をしてできる限りのケーブルの引き回し、分電盤の設置作業をいたします。その後、作業を中断して放水作業をします。その後、作業再開を考えています。

記者:
燃料棒格納のラックについてはいろいろな種類があると考えて良いのか?

東電:
東京電力が採用しているラックは何種類かある。ステンレスだけもあるしボロン含有もあり、福島第一についてはステンレスのラックです。

記者:
(ステンレスなら)熱としては1500℃ぐらいで溶けるということですよね?

東電:
はい。

記者:
溶けるよりも破裂・爆発の可能性がありますよね、1500度以前に。

東電:
破裂・爆発の可能性は具体的には想定しておりません。燃料を収めるラックですので1500度との比較で言うと、1200度の時点で被服館が脆くなるので、それよりも低い温度で管理する必要があると考えています。もともとラックは高温高圧で使用するものではないので、水が沸騰しない状態、40度~50度ぐらいでの使用を考えられています。使用済み燃料が使用してからどれぐらいの期間経っているかによって温度上昇は変わる。

記者:
放水作業はヘリからと陸上からとがあるが、明日はどういったものを想定しているか?

東電:
現時点では確認できておりません。明日動きが分かったらご連絡させていただく。

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in メモ, Posted by logc_nt

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