NASAがスペースシャトルの極秘情報入りコンピュータをデータ消去せずに売却
by nasa hq photo
これまで多くの宇宙飛行士を宇宙まで打ち上げてきたNASAのスペースシャトルは、2011年2月27日のエンデバーの飛行をもって計画終了となります。
それに合わせて、NASAでは古いコンピューターの処分を始めているのですが、その際、PC内の極秘情報のデータを完全に削除しないままに売却してしまったことが明らかになりました。
詳細は以下から。
FAIL: NASA sold Space Shuttle PCs without wiping secret data - Computerworld Blogs
スペースシャトルはNASAが有人宇宙飛行に用いている宇宙船で、1981年の初飛行以来これまでに133回の飛行を終えており、2011年2月27日に打ち上げられるエンデバーの飛行をもって全機が退役し、計画は終了となる、ということになっています。
これに向けて、NASAでは古い機材の処分を開始、コンピュータの売却などを進めているらしいのですが、その際に機密データを削除しないままのPCが売却されていたことがわかりました。監査はフロリダ州、ヴァージニア州、テキサス州、カリフォルニア州で重大な機密漏洩を発見したと報告、見つかったコンピューターのうち1台には国際武器取引規制によって輸出規制がかかっているスペースシャトルの機密データが含まれていたそうです。
HDD内のデータはただごみ箱に入れて削除した程度であれば復旧可能なため、NASAではデータを戻せないように消去ソフトとして「DBAN(Darik's Boot and Nuke)」「Secure Erase」「WipeDrive」を承認しています。しかし、ジョンソン宇宙センターではDBANの他に、NASAの承認を受けていない「Active@KillDisk」を使用。エイムズ研究センターでは、国防総省承認(ただしNASAでは承認していない)の「BCwipe」を使用しており、さらにはNASAと国防総省のいずれの承認ソフトでもない「Symantec DataGone」を使用していたケースもあったそうです。
また、リサイクル施設からは、NASAのステッカーやIPアドレスが貼り付けられたままの古いPCが44台発見されました。監査役によると、これらのアドレスを使えばNASAの内部ネットワークに無許可でアクセスできる状態だったそうで、NASAのセキュリティは潜在的な脆弱性を抱えていると指摘しています。
最近はWikileaksによっていろいろな機密が漏れたなど話題になっていますが、情報管理がこのようにずさんでは、なにが機密情報なんだかさっぱりわかりませんね……。
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