没後70年を経て墓が観光名所となってしまった実在の「ハリー・ポッター」、その知られざる人生


1939年にイスラエルで戦死したイギリス陸軍のHarry Potter二等兵。現地ラムラのイギリス軍人墓地に埋葬されているのですが、家族もこれまで訪れたことがないという彼の墓が「ハリー・ポッター」シリーズの人気を受け、数多くの「ハリー・ポッター」ファンが墓前で記念写真を撮るようになったほか、地元の観光局も「観光地」として紹介するようになったそうです。

わずか19歳で亡くなったというもう一人の「ハリー・ポッター」の思い出を、遺族が語っています。


詳細は以下から。Grave of real life Harry Potter killed 71 years ago: A tourist attraction for fans | Mail Online

ウスターシャーKidderminster出身のハリー・ポッター氏がバーミンガムで陸軍に入隊したのは1938年のこと。当時17歳だったハリーは入隊年齢に達するのを待ちきれず、1歳年上の18歳だとごまかして入隊したそうです。


ウスターシャー連隊に配属されハンプシャー州Aldershotで8ヶ月間の訓練を受けたのち、1938年9月にパレスチナで輸送部隊のドライバーとして任務についたハリーは、「Crash Harry」というあだ名で呼ばれるようになります。1939年春にヘブロン郊外の基地へ移動し、その年の7月22日、基地へ帰る車両集団が武装した強盗に襲撃され、同行のJoseph Darby二等兵とともに亡くなったそうです。

葬儀の様子。


墓石には「19歳10ヶ月」と刻まれていますが、入隊時に年齢をごまかしていたことから、実際には亡くなったときの年齢は18歳10ヶ月であったようです。


1989年生まれのダニエル・ラドクリフはすでに「ハリー」の年齢を追い越しています。


兄であるハリーが亡くなったときにはまだ6歳だったというKidderminsterの元青果販売業ケン・ポッター氏(77歳)は、「当時はまだ遊ぶことに夢中な子どもで、ハリーが亡くなったということもよくわかっていなかったけれど、ある日警察官が家へ来て、父と母がひどく動揺していたことは覚えています。ハリーの生前の思い出では、一度暖炉の前で抱っこしてもらったことだけは、はっきりと思い出せます」と語っています。ちなみに、「ハリー・ポッター」の映画はテレビで部分的にしか見たことしかないというケン・ポッター氏は、3年ほど前にハリーの墓が観光地となっていることをインターネットで知った甥に言われるまで、兄と人気キャラクターが同姓同名だということに気付かなかったそうです。

ハリーの弟でケンの兄であるデレク・ポッター氏(82歳)は、ハリーの死をしらされた当時を振り返り「父と母はひどくショックを受けていたけれど、ぼくたちには秘密にしていたことを覚えています。両親はまだ子どもだった僕たちを戦争に触れさせないようにしていました。しかし、何かおかしいということは肌でわかるものです」と語っています。「警察官がハリーの死を知らせに来た次の日にハリーからの手紙が届き、さらに耐え難い悲しみをもたらしました」

ハリーから母Edithさんあてに書かれたその最後の手紙には、「元気にしている。クリスマスには帰るよ」と書いてあったとのこと。

8人きょうだいだったというハリーさんのきょうだいは、ケンさん(77歳)とデレクさん(82歳)のほかに、妹のジョイスさん(88歳)と一番下の弟レイさん(75歳)も存命で、Kidderminster在住。レイさんは兄にちなんで飼い犬を「ハリー」と名付けているそうです。きょうだいは一度ラムラの市長からハリーさんの墓地へ招かれたことがあるそうですが、結局その時は実現せず、いまだ家族でハリーさんの墓参りへ行ったことはないそうです。「是非行きたいのはやまやまですが、ラムラの治安などを考えると難しいかもしれません」とケンさんは語っています。

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in Posted by darkhorse_log

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