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ジャガイモで水不足対策、ポテトチップス製造時に排出されるイモの水分を有効利用


「水がないならイモを絞ればいいじゃない」、とマリー・アントワネットは言わなかったと思いますが、イギリスのポテトチップスのメーカーWalkersを所有するペプシコは、ポテトチップス製造過程で水蒸気として煙突から排出されているイモから出た水分を回収し、工場の水源とする方針を発表しました。

まだ開発中の段階の技術ですが、ジャガイモの洗浄などに使う水をまかなうことから始め将来的には工場内の水道の水と飲用水もすべて置き換えることを目指していて、余った水を地域の水資源として提供できると期待しているそうです。


詳細は以下から。Potatoes could boost water supplies - Telegraph

ペプシコ・ヨーロッパの環境維持部長Martyn Seal氏は、「ジャガイモの約75%が水分です。そう考えるとかなりの水資源が目と鼻の先で無駄になっていたわけで、これを使わない手はないと我々は感じたのです」と語っています。

ジャガイモの75%が水分ですが、パリパリに揚がったポテトチップスにはほとんど水は含まれていません。その水分はポテトチップス製造の過程で熱されたジャガイモから蒸気として抜け出ているわけで、現在この水蒸気は工場の屋根の煙突から排気されているそうです。ペプシコでは現在この水蒸気を回収・処理してジャガイモの洗浄・皮むき・スライスなどの工程で使う工業用水として再利用する技術を開発中で、ランカシャー州Skelmersdaleにある工場ですでにその実験が行われているそうです。この工場では1時間あたり3000リットルの水を煙突から回収できる見込みとのこと。

ペプシコではイギリスに所有する4つのポテトチップス工場すべての工業用水をジャガイモから回収した水で置き換えることができると予想していて、さらに、将来的には工場内の生活用水(飲用水)のラインもすべてジャガイモ由来とすることを目指すそうです。なお、ジャガイモから出た蒸気を回収した水は蒸留水であり、すでに一般の水道水なみに「きれいな水」なのですが、さらに不純物を取り除くプロセスを経て再利用される予定とのことです。

また、工場の水資源が余るようになれば地域の水資源として提供することができるようになる可能性も考えられるほか、直接水を提供することができなくても、ペプシコの工場が現在の主水源を使わなくなるということは地域社会で使える水資源が増えるということで、水不足が問題となっている地域では大きな意味を持つだろう、ともMartyn Seal氏は述べています。

ペプシコではこのジャガイモ水源事業や、農家で水や肥料を必要な場所に狙い撃ちしてまく「iCrop」という技術の導入などにより、今後5年間で水の使用量と二酸化炭素排出量を50%削減することを目標に掲げています。ほかにも環境への取り組みとしてウォーカーズブランド用にジャガイモの皮を原料にしたポテトチップス包装材の開発や、オートミールのクエーカーブランド用のムギ農家で、もみ殻などを分解し肥料とバイオガスをつくる嫌気性消化装置の導入によりエネルギー消費を抑える試みなども行っているそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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