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「大学入試センター試験」が2種類に分けられる方向で検討へ、大学の「全入」状態はより顕著に


国公立大学の入学志望者を対象とした「大学共通一次試験」(共通一次)に変わって、1990年にから実施されている「大学入試センター試験」が、難易度別で2種類に分かれる方向で検討が行われていることが明らかになりました。

また、かねてから少子化と大学の定員増の影響で、大学が実質「全入」状態になるのではないかと懸念されていましたが、20年前と比較するとその傾向は顕著となっています。

詳細は以下から。
asahi.com(朝日新聞社):センター入試、難易度別に2種類 16年導入を検討 - 社会

朝日新聞社の報道によると、独立行政法人「大学入試センター」が大学入試センター試験を難易度別に2種類にする検討を始めるそうです。


これは今年から全国の小中学校で一部が先行実施されている新学習指導要領で学んだ高校3年生(現在の中学1年生)が受験する2016年1月分からの実施を目標としたもの。現時点では主に国公立大(一部の私大も含む)志願者向けのものと、私立大向けの基礎科目型に分ける2種類の試験が検討されており、各大学は2種類のうちのどちらを採用するかを選ぶとのこと。

また、両試験とも一定量は同じ問題を出し、それぞれの得点を換算できる仕組みにするほか、ペーパー試験を課さないAO(アドミッションズ・オフィス)入試および推薦入試の受験生を対象に、高校段階の学力を把握するテストを、センター試験とは別に導入するかどうかも検討するとみられています。

なお、センター試験を2種類に分ける理由として、成績分布のグラフが上位と下位の2つの山になっている科目があるなど、受験生の学力格差が広がる兆候が表れてきたほか、個を重視する教育によって、普通科高校の卒業単位に占める必修科目の比率が減り、共通の科目を学ぶ受験生が減ったことで、1種類の試験では学力をつかむことが難しくなったことが挙げられています

ちなみに少子化と大学の定員増の影響で懸念されている大学の「全入化」についてですが、18歳人口は1992年の205万人から120万人に減少する一方で大学の定員は増えており、AOおよび推薦入試が私大の入学定員の半分以上を占めるなどした結果、志願者数に対する入学者数の比率は1990年の6割台から9割台へと向上しており、「全入」は目の前に迫っています。

センター試験の見直しだけでなく、AO入試および推薦入試の受験生に高校段階の学力を把握する試験が導入されることも検討される見込みですが、学力低下につながる可能性があるとして見直しの声も上がる中、AO入試や推薦入試は少子化で少しでも学生を確保した経営難の大学や一般入試枠を狭めることで高い偏差値をキープしたい一部の大学にとっては重要な制度という側面があるのも事実であり、生き残りに必死な大学たちがこのような試験の導入にどういった反応を示すのかが気になるところです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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