ショッピングはポルノ並に興奮する
買い物依存症という精神疾患も存在するように、人が買い物によりストレスを解消したり快楽を得ることができるということは知られていますが、店頭で「セール」「70%OFF」といった文字や「この商品を買うとこのおまけが付いてくる」といった販促キャンペーンに遭遇するだけで、消費者はポルノを見た時に性的に興奮するのと似たような反応を示すそうです。
イギリスで行われた実験により、どういった販促キャンペーンがより消費者を興奮させるのかも明らかになっています。
詳細は以下から。Shopping is 'like watching porn' - Telegraph
ウェストミンスター大学の科学者たちは、さまざまな商品や販促キャンペーンに遭遇した人の反応を、50人の被験者の目の動きを記録し情動反応を10段階で評価することにより測定しました。この10段階評価でスコアが「10」というのはめったに見られない重大な心的外傷レベルで、危険なほどの興奮ということですが、スコアが5から7の反応は、ポルノなどを見た時の興奮と同程度とのこと。
その結果、マーマイトのキャンペーンで児童文学の人気キャラクターHorrid Henryのオーディオブックが購入者におまけとして進呈されるというものが被験者に最大で5.8スコアの興奮をもたらしたほか、Cravendale Milk(牛乳のブランド)のディスカウントクーポンや、Kingsmill Bread(パン)にウォレスとグルミットのおまけが付いてくるというキャンペーンが、特に消費者を興奮させたそうです。
両親とともに買い物に来た子どもが人気キャラクターのおまけを見て「買って買って!」と興奮するのは容易に想像がつきますが、財布のひもを握るお母さんやお父さんも、子どもが喜ぶようなおまけを見ると興奮するというのは、やや意外なのではないでしょうか。
Institute of Promotional Marketing(イギリスの販売促進業とマーケティングの業界団体)に委託されたこの研究はまだ継続中とのことですが、業界誌The Grocerに発表された経過では、消費者を最も興奮させた販促活動は、商業的にも最も成功した(たくさんの商品を売ることにつながった)販促活動だと示唆されています。
Institute of Promotional MarketingのColin Harper氏は「断言するにはまだ早いかもしれませんが、研究の途中経過は、高い情動反応と売上の向上に相関関係があることを示しています」と述べています。
しかし、プロモーションで消費者を興奮させその時は商品を購入させることができても、多くの場合プロモーションが終わった後も継続して商品を買ってもらうことは難しいとのことで、研究では今後販促活動終了後の消費者の動向をさらに深く探ることを目指しているそうです。
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