低迷するネットブック市場でHPが猛攻勢を展開へ、一部メーカーは撤退する方針
Acerの「Aspire Timeline」シリーズをはじめとした安価で高性能なノートパソコンの登場やAppleタブレット端末「iPad」のヒットに押される形で、奮わない現状が続いているネットブック市場ですが、HP(ヒューレット・パッカード)が猛攻勢を展開することが明らかになりました。
2008年6月には他社に先駆けてASUSの「EeePC」に対抗したモデルとなるネットブック「HP 2133 Mini-Note PC」を発売するなどしていたHPですが、ネットブック市場でより一層シェアを拡大する意向であるそうです。
あまり奮わない感のあるネットブック市場ですが、HPが積極的に展開する理由はどこにあるのでしょうか。なお、上記画像は「HP 2133 Mini-Note PC」のものです。
詳細は以下から。
HP aims for second place in netbook market in 2011
この記事によると、HPはIntelに対し、ネットブックの新モデルに用いるためのデュアルコアプロセッサ「Atom N550」を発注したそうです。メーカーに対する「Atom N550」の販売単価は通常1個あたり86ドル(約7300円)ですが、HPは大量に発注することで1個あたり65ドル(約5500円)で調達したとのこと。
現在ネットブック市場ではAcerとSamsung、そしてASUSがシェアトップ3となっていますが、今回の大量発注からも見てとれるように、HPはネットブック市場でのシェア確保に向けて精力的に動き始める方針であり、2011年にはAcerに次ぐシェア2位のメーカーになるということを市場関係者は明かしています。
ちなみに2008年7月にネットブック「Wind Notebook U100」を投入するなど、シェア確保のために積極的な展開を行っていたメーカーの1つであるMSIは、ネットブック自体の需要の低迷を理由に、デュアルコアCPUを搭載したネットブック市場へはあまり注力せず、シングルコアCPUを搭載したネットブックを中心に販売を続けた上で撤退の準備を行い、2011年には通常のノートパソコンへとシフトしていくとされています。
なお、ノートパソコン市場で世界シェア1位のHPが、低迷するネットブック市場にあえて注力する背景ですが、2009年にAcerがDELLを抜いてノートパソコン世界シェア2位に躍り出ており、その後も1位を目指して急激に追い上げているため、Acerの強みであるネットブック市場でHPがシェアを拡大することで、Acerの伸びを抑えておきたいということなのかもしれません。
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