ソニー、モバイル機器のデザインを変える「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」を開発
ソニーが本日、モバイル機器の配線数を劇的に減らすことで本体デザインの自由度を大きく高める「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」を開発したことを発表しました。これにより今までよりも個性的なデザインのモバイル機器が登場することを期待できるだけでなく、さらに耐久性も向上するそうです。
なお、上記画像はソニー・エリクソンがauの2010年夏モデルとして発売している携帯電話「BRAVIA Phone S004」のものです。
詳細は以下から。
Sony Japan | ニュースリリース | 1本のケーブルで機器内データ伝送と電源供給が可能な技術を開発
ソニーが発表したプレスリリースによると、同社はデータ伝送と電源供給を1本のケーブルで行うことが可能になる信号・電源統合伝送技術「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」を開発したそうです。
モバイル機器は高性能化やディスプレイの高画質化が進み、データ伝送量の増大を受けて機器内の配線数が増加する傾向、インターフェース用のコネクタが大型化し、ケーブルの折り曲げが難しくなるという課題がありましたが、「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」は数十本の機器内配線を1本のケーブルにまとめることが可能になるというもの。
この技術により折りたたみ式や画面回転型、スライドタイプの携帯電話をはじめとした、可動機構を持つモバイル機器のデザインの自由度、信頼性や耐久性の向上が図ることができるとされています。
「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」のイメージ図。従来は映像や音声、制御信号、電源などの用途ごとに必要だったディスプレイ部とキーボード部を接続するケーブルが1本で済むため、可動部の設計の自由度が向上しています。
回路イメージ図。映像や音声、制御信号を含むパケットを1本のケーブルで伝送するために、独自の時分割多重方式を開発したほか、個別に同期を保持する仕組みを取り入れることにより、電源を含めた異なる信号を高い伝送速度(940Mbps)で双方向に伝送することが可能となっています。
また、ソニーは「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」の早期実用化に向けて、周辺技術分野で実績のあるロームに対して、ソニーが開発したデジタル部のIPをライセンスし、アナログ・デジタルを合わせた送信側・受信側、双方の回路の1チップ化を進めるとしています。
ペンに巻ける超極薄有機ELディスプレイや携帯電話・携帯ゲーム機向けの超薄型で高耐久の新型タッチパネル、電子機器の小型化や低コスト化につながる「機器内高速ワイヤレス伝送技術」、ディスク1枚でテラバイト級の記録容量を実現することが可能となる世界初の青紫色超短パルス半導体レーザーなど、今後のことを考えた布石と思われる技術を次々と発表しているソニーですが、これらの技術が結びついて新たな製品が生まれる日を楽しみにしたいところです。
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