ついにAppleがマルチタスク解禁、新機能もりだくさんの「iPhone OS 4」を正式発表

Appleが同社の携帯電話「iPhone」や先日発売されたタブレット型端末「iPad」に採用されているiPhone OSの最新バージョンとなる、「iPhone OS 4」を発表するイベントを開催しました。

「iPhone OS 4」はついに複数のアプリケーションを実行できるマルチタスクが解禁されることで、今までできなかったことができるようになるほか、ニンテンドーDSやPSPなどの携帯ゲーム機には無い、オンラインと連携した「ゲームセンター」と呼ばれる機能や企業ユーザー向けの機能などが新たに登場しています。

なお、スペック上の問題から、一部のモデルではiPhone OS 4にアップデートしても機能の全てを利用できるようにはならないそうです。

詳細は以下から。
Apple - iPhone - iPhone OS 4 Preview

同社のCEO、スティーブ・ジョブズと背景に書かれた印象的な「4」の文字

4月3日にアメリカで発売されたiPadは本日までに45万台を売り上げ、電子書籍は60万部がダウンロード、そしてアプリケーションのダウンロード数は350万を突破したそうです。

「iPadだ！きゃあ、うれしい！大好き！」と言わんばかりの女の子。

一方、iPhone用のアプリケーションは40億ダウンロードに達しています。

App Storeには18万5000のアプリケーションが収録され、うち3500がiPad用のアプリケーションです。

アメリカのモバイル市場におけるブラウザのシェア。64％がiPhoneで19％がAndroid、9％がBlackBerry、そしてWindows Mobileなどを含む「その他」は8％です。

iPhoneはすでに5000万台を売り上げるベストセラーに。

iPod touchを足すと8500万台にのぼります。

新たな「iPhone OS 4」は2010年夏に登場

本日は開発者向けのプレビューが行われます

新たに100の機能を追加

これが機能の数々。カメラの5倍デジタルズームからBluetoothキーボード対応、友達にアプリケーションをプレゼントできる機能、スペルチェック……など、数多くの新機能を搭載へ。

iPhone OS 4には7つの大きな特徴があるそうです。

まずマルチタスク対応。

マルチタスクに対応することでバッテリーの消費は一気に跳ね上がり、パフォーマンスも落ちることが実現のネックとなっていましたが、その問題をクリアできたとのこと。

快適な操作を実現するために新たなUIを開発。

新たなUIはバックグラウンドで起動しているアプリケーションのリストを参照できるようになっています。

マルチタスク対応により、インターネットラジオアプリ「PANDORA」をバックグラウンドで聴けるようになります。

もちろんアプリとiTunesの連携も可能

Skypeもバックグラウンドで動作できるようになります

ほかのアプリを立ち上げて作業をしている時でも着信を受けることが可能になるのは大きなメリットです。

ナビアプリをバックグラウンドで動作させて……

音楽を聴きながらルート案内を受けられます。まさにカーステレオ一体型のナビゲーションシステムと同じ機能です。

プライバシー保護の観点から、バックグラウンドで動作しているアプリケーションがユーザーの位置情報を求めてきた場合、位置情報を提供するかどうかをチェックできます。

また、位置情報を求めてきた場合はポップアップだけでなく、画面の右上にあるアイコンでチェックできます。

Appleのプッシュ通知サービスについても、従来はAppleのサーバーを介する必要がありましたが、これからはAppleのサーバーを介する必要が無くなるとされています。

そしてプレイ中のゲームのプレイ状態やアプリケーションの実行状態をキープしたまま、即座にアプリケーションを切り替えられる機能も採用。

これらを含めた7つのサービスがマルチタスクによって実現します。

メール周りも大きく改善。複数のアカウントを快適に切り替えて利用できる機能やメッセージのスレッド表示、アプリケーションを用いた添付ファイルの展開などに対応します。

iPadで広まるかと思われた電子書籍が、なんとiPhoneでも利用可能に。

どこまで読んだのかといった情報や、しおりを同期できるようになるほか、さらに「くまのプーさん」が無料でバンドルされます。

Fortune誌に選ばれた世界トップ企業100社の80％がiPhoneを利用しており、エンタープライズ向けの機能も強化。

データ保護の向上、SSLやVPNのサポート、複数のExchangeアカウント利用などに対応しています。

新機能「ゲームセンター」

現在App Storeにはゲームやエンタテイメントのアプリケーションが5万本収録されています。

これはニンテンドーDSやPSPを圧倒する数だそうです

そして「ゲームセンター」にはSNS機能を搭載。友人とゲームを通じた交流を行うことができるようになります。なお、この機能は今年後半より利用可能に。

ゲームのスコアの情報蓄積やレベルに応じた対戦機能なども提供へ。

そしてついにモバイル向け広告事業「iAd」へと乗り出すApple

ユーザーは1日30分をアプリケーションの利用に費やすとされています。

仮に1つの広告を3分見せた場合、1日に10個の広告をユーザーに配信できる計算になります。

つまり、1日10億回ユーザーに見られるということになります。

「iAd」のメリット。iAdはiPhone OSに組み込まれており、アプリ開発者の手で広告を挿入可能。売り上げの60％がアプリの開発者に支払われる仕組みとなっています。

iPhone向けのiPhone OS 4は夏に登場予定で、iPad向けには秋に提供されるとのこと。また、iPhone OS 4はiPhone 3GSと第3世代iPod touch、そしてiPhone 3Gと第2世代iPod touchに対応しますが、後者ではマルチタスクは利用できないそうです。