北朝鮮が独自の国産OS「Red Star」を開発、技術的には「10年遅れ」
マイクロソフトのWindowsやAppleのMac OSなどに対抗するため、Googleが「Chrome OS」の開発を始めたことは記憶に新しいですが、独自の政府によって厳しい情報統制が敷かれている北朝鮮が独自の国産OS「Red Star」を開発したことが明らかになりました。
技術的には10年遅れているとされる同OSですが、北朝鮮ならではの機能が盛り込まれたものになっており、スクリーンショットも公開されています。
詳細は以下から。
North Korea 10 years late with software system | Reuters
ロイター通信社の報道によると、韓国の科学技術政策研究院 (STEPI) が発表したレポートによって、北朝鮮が独自OS「Red Star」を開発したことが明らかになったそうです。
STEPIは「Red Star」を実際に入手して詳細な分析を加えた上で、同OSはLinuxをベースにしているものの、マイクロソフトの古いバージョンのOSの影響を多分に受けており、10年ほど時代遅れのものであるとした上で、利用できるアプリケーションがほとんど無いため、自国内でさえ簡単には流通しないであろうと述べています。
しかし、同OSは独自開発されたものであるため、情報セキュリティーを自らコントロールができるほか、起動音に朝鮮半島の民謡として知られる「アリラン」が用いられ、カレンダーも故・金日成主席の誕生からカウントを始める「主体思想カレンダー」を採用するなど、北朝鮮ならではのものとなっているとのこと。
ちなみに北朝鮮では一般市民は検閲官によって認められたわずかなサイトのみの閲覧が許されているほか、学生がインターネットについて学ぶ際には実際にパソコンを用いず、パソコンのモニターに映った情報を印刷した紙が教材として用いられるなど、インターネットの利用については厳しい制限が加えられているそうです。
なお、以下のページでは実際に「Red Star」のスクリーンショットなどが公開されています。
Говорит и показывает Пхеньян - OS "Red Star" - линуксоиды всех стран, соединяйтесь!
これがOSのディスク。動作には800MHzのCPUと256MBのメモリ、3GBのHDDが必要です。
起動画面
ユーザー選択画面
デスクトップ
エクスプローラ
複数のゲームが収録されています
アプリケーションのインストール、アンインストール画面
Firefoxも起動します
文書作成ソフト
どうやらCDやDVDを焼くことも可能なようです
OSのバージョン表示
ちなみに以下のリンクによると、「Red Star」本体は5ドル(約470円)でアプリケーションは10ドル(約940円)。当局が指定した「My Country」というブラウザがプリインストールされており、「My Country BBS」と呼ばれる検索エンジンのみでブラウジングが可能になるとされています。
N. Korea develops own OS
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