東京で唯一「ケシ」が見られるという東京都薬用植物園に行ってきた
麻薬のアヘンの原料となるため、日本では栽培が禁止されているケシのほか大麻などの試験栽培も行っている東京都薬用植物園に行ってきました。インフルエンザ治療薬タミフルの合成原料となるトウシキミなどの薬草以外に、フクジュソウやヒガンバナといった有毒植物や、チョコレートの原料となるカカオなどいろいろな植物が栽培されているということで、怖さ半分楽しさ半分の見学となりました。
詳細は以下から。
西武拝島線、東大和市駅を降りてすぐ見えてくる看板。入り口はココではなくもうちょっとだけ歩きます。
これが入り口の正門。
正門の方にも看板があります。
入り口からまっすぐ歩くと見えるのが案内図。
展示室などがある薬事資料館。案内パンフレットがあるので、園内を見て回る前に行くと便利です。
お手洗いもここにあります。
植物園の案内パンフレットなど。
「あなたがたは卓越した発想と抜群の努力によりケシとアサについて簡易な鑑別法を開発し都政に多大な貢献をされました」という表彰状が飾られていました。
資料館の中の展示室。普段見ることがない植物などが展示されています。
漢方処方に使われるカッコン。
カッコンが配剤された葛根湯なども一緒に置かれています。
昆虫などにとりついて、その体を栄養として成長するキノコの冬虫夏草。生薬などに使われ高値で取り引きされます。
資料館を出て、正門前からも見える温室に。
夏期の室温を25度以下に保つ冷房室もあります。
カカオの果実。中の種子を発酵させるとカカオ豆になりチョコレートをココアの原料となります。
ヒンドゥー教の聖木、ベンガルボダイジュ。
仏教の聖木、ムユウジュ(無憂樹)。
バニラ。
果実のバニラビーンズはまだ香りがなく、発酵熟成して黒褐色になると独特の香りを出します。
下剤の原料となるアロエ・フェロックス。
温室の外でも様々な植物が用途別などで区分けされて栽培されています。寒い時期に行ったので温室以外ではほとんど植物が見られませんでしたが、どんなものが栽培されているかいくつか紹介していきます。
このあたりは漢方薬原料植物区。
鎮咳用などに使われるキキョウ。
水辺に生える植物を集めた水生植物区。
根に下痢止めや利尿作用のあるハス。
有用樹木区。
整腸や解熱作用があるウメ。
無数の垂れ下がる枝に花がついていたシダレウメ。
バラ科のコウバイ。
消炎や去痰効果があるナンテン。
実の乾燥エキスは南天のど飴などに使われています。
経験や言い伝えをもとにくすりとして使われてきた植物がある民間薬原料植物区。
ヨーロッパで肝臓病の治療に使われているオオアザミ。
なんとなく近づくのが怖い有毒植物区。
「落ちている果実は拾わないでください」など注意書きが多数あります。
人によってはかぶれる植物もあるので、通行にも気をつける必要があります。
イチョウも有毒植物。外種皮にふれると皮膚炎を起こし、種子のギンナンを多食した小児が中毒死した例もあるそうです。
誤って食べると嘔吐、下痢などを起こすスイセン。
根茎に含まれているロデインの強心作用により、誤って食べると心臓停止で死亡するというオモト。
誤って食べると下痢を起こすヤツデ。
ヤツデはテングノハウチワ(天狗の葉団扇)という別名もあり、魔除けの効果があると言われています。
ヒガンバナ。シタマガリやシビトバナといった別名があり、全草が有毒。
ヒガンバナを誤って食べると嘔吐、下痢、けいれんなどを起こし死亡することも。9月には赤い花を咲かせます。
クリスマスローズ。
名前は華やかですが、誤って食べると心臓停止により死亡するとのこと。
フクジュソウ。誤って食べると心臓停止により死亡。
かつては日本の環境省が公表した絶滅危惧II類 (VU)でした。
有毒植物区を歩きながら見てみるとこんな感じ。
YouTube - 東京都薬用植物園の有毒植物区
岩が配置されているロックガーデン。
傷薬や湿布薬になるオトギリソウ。この植物を使った秘薬の正体をばらした弟を兄が切り殺したという伝説があり、ホラータッチのノベルゲームのタイトルにもなっています。
屋外集会所。
薬草教室などに使われることがあります。
そして、金網で囲われたここがケシ・アサ試験区。
モルヒネによる鎮痛効果など薬用として使える面がありますが、栽培には許可が必要。
ガッチリ鍵がかけてあって金網の中には入れませんでした。
警戒も厳重で監視カメラ作動中。
張り巡らされる有刺鉄線。
隅っこにはセンサーっぽいもの。
赤色灯もつけられています。
栽培されている植物は複数の網の隙間を通して、何とか確認することができます。
ムービーで見るとこんな感じ。
YouTube - 東京都薬用植物園のケシ・アサ試験区
ツノゲシなどの植えてもいいケシは園内のほかの場所で見られます。
一般には栽培できないケシをはっきりと見ることはできませんでしたが、名前はよく知っているけど実際には見たことがない植物にも出会える面白いスポットとなっていました。椅子や机などもいくつかあり、入場無料なので公園感覚で入ることができます。
東京都薬用植物園の場所はココ。西武拝島線東大和市駅を降りてすぐのところにあります。
大きな地図で見る
10月から3月は9:00~16:00まで、4月から9月は9:00~16:30まで開園。毎週月曜日と年末年始は休園日となっています。公式サイトでは開花時期の分かる「花暦」や開花状況を知らせる「花だより」があるので、「あの植物の花を見てみたい」という人はチェックしてみて下さい。
東京都薬用植物園
http://www.tokyo-eiken.go.jp/plant/yakuyo001.html
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