葉っぱが2倍になったら味と香りが2倍になるのか、午後の紅茶ミルクティーパイ <茶葉2倍ミルクティー>を旧製品と食べ比べてみた
森永製菓が昨夏にキリンビバレッジの「キリン 午後の紅茶」とコラボレーションしたビスケット3品を期間限定で発売したわけですが、今年はコラボレーション第2弾として、茶葉を2倍使用した「キリン午後の紅茶茶葉2倍ミルクティー」を生地に加えた紅茶パイ・しっとりケーキ・アイスの3品を3月8日(月)から発売しています。
で、今回は前回と比べて実際に味がどうなったのか、「ミルクティーパイ」で食べ比べてみることにしました。
詳細は以下から。
(PDFファイル)「キリン 午後の紅茶」とコラボレーション第2弾
「キリン 午後の紅茶 茶葉2倍ミルクティー」使用
パイ、ケーキ、アイスでシリーズ拡大!!
これが午後の紅茶パイ<茶葉2 倍ミルクティー>と前回のパイ。
実際にた「キリン午後の紅茶茶葉2倍ミルクティー」を使っているという旨が書かれています。
1枚6.9グラムあたりのカロリーは39kcal。
原材料名を見ると、確かに「午後の紅茶茶葉2倍ミルクティー100%」と書いてあります。
ぱかっと開けてみます。
中から6パック出現。
左が今回のミルクティーパイ、右が以前のミルクティーパイ。
実際に取り出して比べてみました。見た目が少し違います。
今回の茶葉2倍の方は表面が割と平らになっています。平べったい感じ。
対して以前のパイは表面がでこぼこしています。
側面を見比べるとよくわかります。左が茶葉2倍、右が前回。今回の方が形としては整えられているのがかなりはっきりとわかります。
なので、こうやって見ると表面の模様が違っているのがよくわかる、というわけ。
くるっとひっくり返して裏面を見ると、左の茶葉2倍の方はツヤツヤとしており、右にある前回の方は何も塗られていません。
このツヤツヤの甘いコーティングのおかげでつるつるとしており、なおかつ頑丈な感じになっています。見た目にも光沢感があるので少し高級っぽいかも。
ちなみにこのクラッカーみたいな裏面が前回のミルクティーパイ。
で、実際に食べ比べてみたのですが、味や香りの差はほとんど感じられないレベル。かなり何度も複数人で食べ比べて意見を聞いたのですが、「何の差が……?」という感じ。少しだけ茶葉2倍の方が紅茶の渋みや苦みがほんのわずかにあるかな?という程度。むしろ第一印象としては前回の旧製品の方がなぜかおいしく感じられてしまうほど。前の製品がおいしかったので店頭で並んでいるのを見た時に「あ、2倍の味と香りになったのかな」と期待して買うと裏切られます。
ただし、落ち着いてゆっくりじっくりと食べ比べてみると、前のものよりも食感は上がっていることに気づきました。以前のパイは粉っぽさがありビスケットに近い食感だったのですが、今回の茶葉2倍は「パイ」の食感がしてサクサクパリパリしており、ビスケット気味だった前回とはほど遠い。
この差はかなり出てきており、真っ二つに割ろうとすると茶葉2倍の新商品はなかなか割れず、割れると粉々になる感じですが、旧商品の方はさくっとやわらかく割れます。
左が茶葉2倍、右が前回。茶葉2倍の方が明らかに密度が高まっています。前回の方が断面を見るとわかるように空気の隙間が多く、これが食感の差につながっています。
ですが、あまりの味の差のなさに最初はそこまで考える心の余裕すらなかったほど。普通の人が抱くこの新商品の名前、「午後の紅茶ミルクティーパイ <茶葉2倍ミルクティー>」というイメージに対する裏切りになっている点は明らかにまずい。要するに過剰期待をさせてしまっているわけです。前回よりも改良されたと言われれば、確かに改良されたというのは認めざるをえないが、それもこうやって食べ比べてみて、それで初めてわかるレベルであり、店頭には旧製品まで置いていないことが多いはずです。
以前のものを食べて「おいしかった!」と思っていた人ほど前回の味のイメージに引きずられ、「ほんと!前よりも2倍になったわ!」と勘違いしてもらうことを期待しているのか、あるいはこうやって食べ比べることなどないだろうということで「2倍だと言えば2倍だと思い込む」という人間心理につけ込んでいるのかはわかりませんが、いずれにせよもうちょっと濃厚でも良かったのかも。
そもそも、通常の「午後の紅茶 ミルクティー」は500mlで140円、「午後の紅茶 茶葉2倍ミルクティー」は40ml少なくなっているのに10円高くなって150円。要するに茶葉2倍の方が高いわけです。しかし今回の新商品を見てみると、「午後の紅茶パイ<茶葉2倍ミルクティー>」は税込231円、前回の「ミルクティーパイ」は税込252円。なんと今回の方が茶葉が2倍なのになぜか安いという結果に。
どこをどうすれば安くなるのか観察して考えてみたのですが、まず箱の内側が違います。左が今回、右が前回。前回は内側にも印刷していますが、今回はなし。その他の箱自体の構造は同じです。
あと、原材料名の「順番」を見比べてみます。上が今回の新商品、下が前回の旧商品。基本的に量の多いものから順に原材料は書くようになっており、どうも今回は紅茶が「茶葉2倍」であるためなのか量がどうも少ないような感じで、なおかつそれを補足するために香料の量を多めに入れて調整している感じがします。本当に前回と同じ量を入れると何か製造上の不具合が出るのか、あるいはコストを考えるとそこまで大量に放り込めなかったのか、あるいは前回と同じ製法で「茶葉2倍」と入れ替えると味が濃すぎて食べられるレベルではなくなってしまうのか、原因は不明です。
また、上が今回の新商品、下が前回の旧商品ですが、栄養成分表の「ナトリウム」が22mgから24mgというようにして2mg増えており、少し塩味が増しているのかも……。
ちなみにこれが紅茶風味のクッキーを作る時に利用する紅茶オイル。フレグランスオイル、あるいは紅茶抽出物とも呼ばれています。もし来年もまた新商品を出すのであれば、これを心持ち多めに入れると、いかにも「2倍!!」という感じになり、「おお、確かに食べた感じで香りが2倍だ!」というようになるはず……なんだか大きく間違っている気もしますが……。
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