WinnyなどのP2Pソフトに流出したファイルを特定して流通停止できる技術が開発される
パソコンがウイルスに感染するなどした結果、ファイル交換ソフト「Winny」などを通じて企業や個人、官公庁の情報が流出してしまう事故が社会問題化しましたが、なんと流出したファイルを特定した上で、流通を止めることができる技術が開発されました。
また、流通している間に設定情報が変化した「派生ファイル」でも対応できるとのこと。
詳細は以下から。
ネットワークへの情報漏洩後に状態が変化した派生ファイルでも特定・流通停止できる技術を開発
~仮想的なインターネット環境におけるP2Pソフトのトラヒックを用いて検証~
このリリースによると、NECはWinnyをはじめとしたP2Pソフトで生じる可能性のあるネットワークへの情報漏洩対策として、漏洩したファイルを特定して流通を防止するための技術を開発したそうです。
新たに開発された技術は、NECが平成19年度から参画している総務省の「情報漏えい対策技術の研究開発(ネットワークを通じた情報流出の検知及び漏出情報の自動流通停止のための技術開発)」の一環として進めてきた研究成果とのこと。
研究では、実際に1000台の仮想マシンを用いた仮想的なインターネット環境を構築した上で109ファイル中97の派生ファイルを検出、転送を切断することに成功したとされています。
なお、従来の技術ではユーザーがファイルを閲覧したり保存するなどの操作によってファイルに含まれる設定情報が変化した「派生ファイル」を検出することができませんでしたが、元ファイルと派生ファイルの共通部分から特徴情報としてデータを抽出する技術を開発したことで、検出に成功しています。
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