黄金のマスクで知られるファラオ・ツタンカーメンの死因は足を骨折し、ひどいマラリアにかかったこと
盗掘によって失われることなく、ミイラに被せられた黄金のマスクが出土したことで有名なエジプトのファラオ・ツタンカーメン。若くして亡くなったということもあって、かつては暗殺されたのではないかという説もありましたが、調査によって、足を骨折しひどいマラリアにかかったことが死因だったことがわかりました。
詳細は以下から。
King Tutankhamun died from broken leg made worse by malaria | Mail Online
ツタンカーメンは紀元前1333年、10歳でエジプト第18王朝のファラオとして即位、9年間在位し19歳で亡くなりました。ツタンカーメンが在位していた時期は政治的に不安定だったため、かつては後頭部に打撃を受けて殺されたのではないかと考えられていましたが、2005年にミイラをCTスキャンした際にこの説は否定されました。このスキャン時に左足大腿骨に骨折跡が見つかったため、骨折とその合併症によって亡くなったのではないかという説が浮上してきました。今回の調査結果は、それを裏付けるものとなりました。
これがCTスキャンの結果。頭蓋骨内部に骨片があったことが暗殺説の根拠の一つでしたが、ミイラを作るとき脳を取り出した際に入ってしまったものだと結論づけられました。
ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーションで発表された調査内容によると、ツタンカーメンを含む16体のミイラのCTスキャンやDNA鑑定を行った結果、ツタンカーメンがマラリアと骨折の合併症によって亡くなったことがわかったそうです。また、口蓋裂と内反足に悩まされ、杖をついて歩く虚弱な王であったらしいこともわかりました。
ツタンカーメンはその生まれについても詳しくわかっておらず、2代前のファラオ・アメンホテプ4世(アクエンアテン)の子であるという説のほか、アメンホテプ4世の父であるアメンホテプ3世(ネブマアトラー)の子、先代ファラオ・スメンクカーラーの子など諸説ありましたが、今回、アクエンアテンが父親であると特定。母はアクエンアテンの姉妹であることもわかりました。
2007年、ファラオの棺を調べるZahi Hawass氏ら。
第18王朝はツタンカーメンの死後、彼の未亡人と結婚したケペルケペルウラー(アイ)が継承。ケペルケペルウラーも高齢のため4年で世を去り、王女ムトノメジットと結婚していた将軍ホルエムヘブがファラオとなりました。このホルエムヘブがアクエンアテン、スメンクカーラー、ツタンカーメン、ケペルケペルウラーという4代の王の存在を抹消(ミイラの顔やレリーフを削り取った)したため、情報が非常に少なくなっているそうです。
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