匂いを利用して古本の状態を判別する新たな方法を研究者が発見


古書店や図書館など、古い本があるところには必ずただようあの何とも言えない匂い。中にはあの匂いがないと本を探している実感がない、という人もいるかもしれません。実はあの匂いだけで、その本が傷んでいるのかそうでないのかまで判別することができるということを、イギリスの研究者が発見しました。

詳細は以下。
The smell of old books analysed by scientists - Telegraph

古本特有のあのなんともいえないカビ臭さは、紙やインク、糊といった本を構成する物質が分解された揮発性有機化合物がページから立ちのぼって発生するもの。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの化学者、マティジャ・ストーリックと彼女の研究チームは、これに注目すれば紙の状態が分かるのではないかとしています。

研究チームは19世紀から20世紀にかけての72冊の書物を調べ、判定に使えそうな15の揮発性有機化合物を特定。従来の方法では、本の一部を試料として利用するため、どうしても傷を与えてしまうのですが、匂いによる検査は劣化してしまった図書館や博物館の資料にダメージを与えずに済むという利点があります。


また発生するガスを調べることを通じて、もっともダメージが少なくなる保存方法も分かるかもしれないとのこと。

ちなみにストーリック氏は、あの古本の匂いを「カビ臭さのなかに、草の匂いとほんの少しのバニラの香りを混ぜたもの」と表現しており、古書の内容と匂いは切っても切れないのではないかと語っています。

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in Posted by darkhorse_log

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