メモ

「世界最速を目指すヤカン」100年間破られていない記録に挑戦する


車大好き人間の国・イギリスでは昔から様々なレースが盛んで、Wikipediaにも「イギリスでの地上速度記録」があるというくらいの熱狂ぶりなのですが、そのイギリスで昔ながらの蒸気機関を用いた車の最高速度記録に挑戦中の人がいます。

蒸気機関といっても昔の鉄道で使われていたようなのどかなものではなく毎分50リットル・摂氏400度の圧縮蒸気をジェットタービンにむりやりぶちこんで時速200マイル(時速約322キロメートル)をひねり出すむちゃくちゃなまさに最強の湯沸かし器。1906年に打ち立てられた時速127マイル(時速約204.3キロメートル)という103年間破られていない記録に挑戦するそうです。この挑戦は成功するのでしょうか?

詳細は以下。
British Steam Car Challenge

Ready, set, blow: British steam car sets out to break 100-year-old land-speed record | Mail Online

British 'fastest kettle in the world' steam car powers through test launch | Mail Online

世界最速を目指し開発が進められている「ブリティッシュ・スチームカー・チャレンジ」のインスピレーション号。1999年から開発が進められており、現在はテスト走行が行われています。

インスピレーション号とテストドライバーのドン・ウェールズ氏。25フィート(約7.6メートル)とかなり長い外見


カーボン複合材の車体がステンレスのシャーシの上に乗っており、重量は約3トン。ボイラーを12個内蔵し配管の総延長は約3kmにも及ぶそう


1906年に時速127マイル(時速約204.3キロメートル)の公式世界記録を打ち立てたスタンレー・ロケット号のレプリカ。現在の自動車といえばガソリン車ですが初期には蒸気自動車も実用されており、その中でもスタンレー社のものは突出した性能をもっていました。


長い車体にボイラーやタンクを内蔵という基本的なコンセプトは大きく変化していないことが分かります


残念ながらフロリダ・オーモンドビーチでの測定中に事故を起こしバラバラになったスタンレー・ロケット号


内部。ステンレスのロールケージが運転者を事故の衝撃から守る予定。運転席の横の長い筒は水のタンク


内部の図解。長い車体の後ろ半分は全部ボイラー。ここで沸かした摂氏400度の高圧蒸気をジェットタービンに送り込んで動力とします。


煙を吐いていますが別に故障しているわけではなくボイラーを炊いて準備をしている状態。煙は水蒸気なので成分的には安全ですが吸ったら大やけどします


くどいようですが、エンジンブローで煙をあげているのではなくただの水蒸気です。Thorney Islandにあるイギリス国防省の施設の舗装路上で時速約60マイル(時速約96.5キロメートル)で試走に成功したとのこと


パラシュートで減速。


テスト成功に喜ぶドン氏


ちなみに、動力を限定しない地上最速の乗り物は、現在のところスラストSSCが1997年に打ち立てた時速1,227.985キロメートル(時速763マイル)という記録が最速。2基のジェットエンジンで駆動しマッハ1.016に相当する速度を出すという、車というよりも地上を飛ぶ飛行機といったほうがよいようなシロモノです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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