無線IDタグを利用した、ポーカー実況システム

休日に集まってポーカーをするために、そのままテレビ中継ができそうなくらい本格的な実況システムを自作してしまった人がいます。対決シーンでは二人の顔がアップになったり、カードに貼り付けられたRFIDタグを読み取り、場のカードと山のカードを比較して勝率が1手ごとに計算されたりと「本当に自作なの?」というくらい細かいところまで突き詰められています。
詳細は以下。
The Video Poker Table Project
このポーカー実況システムはオーストラリアのIT企業経営者Andrew Milner氏が仕事の合間に3ヶ月かけて作ったもの。RFIDアンテナがテーブルに埋め込まれており、それを利用しカードの種別を読み取ると同時に4台のUSBカメラでテーブル全体とプレーヤーの顔を撮影、テーブルの下に吊されたPCがこれらを合成して映像を作り出します。
では実際にゲームしている様子を見てみましょう。ルールはテキサス・ホールデムに対応しています。
YouTube - DIY RFID Poker Table

カメラの映像の下に読み取られた手札と計算上の勝率が合成されます。1枚配られるたびに勝率が変化していくのに注目。ゲームに参加しない人でも楽しめます。

場からプレーヤーが降り続けて1対1になると顔がクローズアップ、過去の勝率が表示されます。負けた人も退屈しません。

テーブルの中はこのような感じ。緑色のシートがRFIDタグを読み取るアンテナです。1プレーヤーあたり2枚使います。

テーブルの裏側からたくさん配線が出ています。

処理用のPCはテーブルの下に納められます。配線は全部ここにつながる。

カードにはRFIDタグが貼り付けてあります。薄いので裏側からは何のカードか分かりません。

テーブルの端に2台のカメラ、真ん中の2台のドームもカメラで全周のプレーヤーを撮影します。

横から出ているカメラはこんな感じ。

プレーヤーカード。自分の前に置くとどの位置に座っているかが認識されます。将来はチップにもRFIDタグを埋め込んで利用する予定だとか。

専用ソフトウェア「PokerTV」。合成と計算を行います。

ビデオファイルは1手ごとに分割して保存され、後で自分の手を研究することができます。

日本でも牌にRFIDタグを埋め込んで全自動点数計算が可能なマージャン卓が販売されています。全部電子化してしまうのではなくあえて面倒な部分だけを自動化することで、対人ゲームの雰囲気はそのままにより楽しく遊べるというわけです。Andrewさんは「プロトタイプは少し高価になりすぎてしまった。もう少し安く作る方法を考えて、もし利益が出そうならキットにして販売するかも知れない」とコメントしています。
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