墓の中まで携帯を手放せない人が増えています
生前愛用した道具や装身具などを死者と共に埋葬する習慣は世界中で見られ、紀元前数千年(古代エジプトなど)にまでさかのぼります。現代では時計や指輪、眼鏡などが副葬品として一般的なようですが、新たに携帯電話が副葬品の定番となりつつあるようです。
詳細は以下から。Bury me with my cell phone - Computers- msnbc.com
「40歳より若く死ぬ人はみんな携帯電話を墓の中まで持って行くみたいだ」とロサンゼルスにある葬儀社Hollywood ForeverのNoelle Potvin氏。「ブラックベリー(スマートフォン)も埋めるし、ゲームボーイと一緒に埋葬された男性もいた」
一体どれくらいの人が携帯電話や携帯電子機器などと共に埋葬されるのか統計がとられているわけではないのですが、業界ではトレンドとして認識されています。この習慣はイギリスやオーストラリア、南アフリカ共和国で見られることがロンドンを拠点とするシンクタンクThe Future Laboratoryによってすでに報告されていますが、アメリカでも携帯用電子機器と共に埋葬される人が増えているようです。
American Funeral Director誌の編集長Ed Defort氏によると、これは確かなトレンドであるとのこと。「iPodと共に埋葬される人々や、Bluetoothヘッドセットを付けて参列者との『最後のおわかれ』に面した男性について聞いたことがある」
副葬される電子機器の中でも特に多いのが携帯電話で、この習慣はここ5年ほどで浸透し、若い世代やハイテクになじんだ人々の間ではごく一般的となっているそうです。
「封かんの前に遺体の耳にイヤホンを差し込み、iPodで音楽を流す遺族を見たこともあります。お母さんは今もiPodを聴いている、お父さんはいつも手放せなかった携帯電話を今も持っている、と考えることは遺族を安心させるのです」とロサンゼルスの葬儀プランナーPam Vetterさんは語ります。
また、「つながっている」という感覚も携帯電話を副葬する理由となっているようです。Vetterさんによると携帯電話の電源を入れたままで埋葬し、後で故人に電話をかけるという人々もいるとのこと。「誰も電話に出るわけじゃないけれど、そのつながりを感じたいと彼らは感じているのです。家族が受話器のまわりに集まって電話をかけるのだと思いますよ。故人の番号にかけることによって故人とのつながりを感じると同時に、(誰も電話に出ないことにより)死を実感するのにも役立つのです」
死者への電話はそう珍しくないと、ピッツバーグの葬儀社オーナーFrank Perman氏は語ります。「若い男性の告別式でひつぎの中の携帯電話が鳴り続けていたことがある。マナーモードにしてあったけど、ひっきりなしに着信して人々がメッセージを残しているのがわかった。みんな彼が死んだことは知っていて、それでも電話をかけていたんだ。」
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