ツヨシがメスだと気づかなかった理由
釧路市動物園のクルミとペアリングするため札幌市円山動物園からやって来たホッキョクグマのツヨシが実はメスだと判明し、その後ツヨシの「弟」ピリカもメスだと判明した件は話題になりましたが、なぜオスだと気づかなかったのか疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
実はホッキョクグマの性別判定は非常に難しいようです。
詳細は以下から。Why is it so hard to tell boy polar bears from girl polar bears? - By Juliet Lapidos - Slate Magazine
なぜホッキョクグマのオスとメスを見分けるのはそんなに難しいのか?ひらたく言えば「毛がフサフサしすぎ」ということのようです。
ホッキョクグマのペニスは犬に似てたいへん小さく、興奮したときには陰茎骨が伸びるのですが、生殖器周辺は長い毛に覆われているため専門家ですら外見だけで性別を判断するのは困難です。オスはペニスの鞘の先端部の毛がメスより若干長く、メスは尾の下の毛が若干長いのですが、飼育員は麻酔をかけていない状態では違いが分かるほど近づけないとのこと。
また、尿が腹のあたりから出ているように見える(オス)か、尾の方から出ているように見える(メス)かで判断する方法や、毛皮のどこが尿によりぬれているかで判断することもできますが、しゃがんで放尿するホッキョクグマもいることや、泳ぐことにより毛皮はぬれている場合が多いため確実な判定方法ではないそうです。
麻酔をかけて判定すればわかりそうな気もしますが、メスの尾を持ち上げても外陰(繁殖期以外は小さい)が見えないためオスと判断したり、オスの膨張していないペニスをおへそ(ホッキョクグマは「デベソ」です)と間違えてメスと判断する可能性があるとのことで、DNA検査なしでは動物園職員が間違えるのも不可抗力と言えそうです。
なお、12月7日(日)にはホッキョクグマのツヨシとクルミの誕生会が開催されるようですので、お近くの方はツヨシ(君)とクルミちゃんに会いに行ってみてはどうでしょうか。
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